森田由美恵の「潮風の吹く町」
帰りのバスの中で、無性にこの歌が聞きたくなった。
「潮風の吹く町」という題は出てくるのだが、歌手名が思い出せない。自分のMP3プレヤーは歌手別なので、歌手の名前が出てこないとお手上げなのだ・・・
自分もトシかな・・・と思ってガックリ来ていたら、風呂の中で「森田」という名前が浮かんだ。「森田由美子・・・・?」ここまで思い出して、ジャケットを見たら「森田由美恵」だった・・・。
メジャーな曲はどこにでもあるので、今日はマイナーな曲の紹介である。
この森田由美恵の「潮風の吹く町」のドーナツ盤は、S48(1973)年7月25日に購入、とのメモがある。
この歌をどこで知ったかは忘れた。しかし当時、ラジオ等では録音できなくてEP盤を買ったと思う。
改めてジャケットを見ると、森田由美恵(本名)はS31.6.16生まれ、明大中野高校1年在学中、とある。当時もどれだけヒットしたかは分からないが、少なくてもこの歌は、自分には響いた・・・。
案の定、なかにし礼作詞、浜圭介作曲である。そんな感じの歌である・・・。この歌は、その後北原ミレイが歌ったのを録音したっけ。
もう30年以上前の忘れ去られた歌、“森田由美恵の「潮風の吹く町」”である・・・・・。
<森田由美恵の「潮風の吹く町」>
「潮風の吹く町」
作詞:なかにし礼
作曲:浜 圭介
歌 :森田由美恵1)ふるさとは 遠い北の果て
潮風の吹く町
荒れた手をして 網をあむ
小さな母の肩
浜なすの花が 咲く頃に
帰ろうと思いながら 二年が過ぎた2)海鳴りが唄う 子守唄
潮風の吹く町
今日も夜なべの 針仕事
乱れた母の髪
許してね私 悪い子ね
帰ろうと思いながら 四年が過ぎた3)雪ふれば つらい冬が来る
潮風の吹く町
凍る井戸水 汲みながら
吐息も白い母
もう二度と そばをはなれない
逢いたくて甘えたくて 夜汽車にのった
ネットで見ていたら、何と「あの人は今こうしている 森田由美恵」というサイトがあった。若い頃に期待されてデビューした人の「今」が紹介されていた。曰く・・・
「翌年にデビューした山口百恵、森昌子、桜田淳子の“中3トリオ”の陰に隠れた存在に終わった。」とある。
前にも「プロ歌手とアマ歌手との境目」という記事を書いたが、まさに歌のプロの世界はキビシイらしい・・・。
やはり「単に歌が上手」だけではこの世界はダメ・・。オーラが無ければ・・・・。
言われてみると、山口百恵のオーラには到底かなわないよね・・・・
つくづく「平凡が良いな~~」と思う、還暦のオジサンではある・・・・。
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森田由美恵の新録音「潮風の吹く町」
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コメント
(潮風の吹く街)を懐かしく聞いた。
涙が出てきた。
東北の田舎町から、夢を抱いて出てきた東京は、あまりにも酷だった。
夜中にプレイヤーで(潮風の吹く街)を聞いて田舎の母を思い出して泣いた。
世間は甘くなかった。でも、負け犬にはなりたくなかった。
必死に働き、息子も2人社会に出した。
今の若い人に言いたい。
夢を諦めてはいけない。
力の限りやったなら、それはそれでいいじゃないか?
(潮風の吹く街)は、そんなボクの故郷だから・・・・・・・・・・
投稿: ヒロキチ | 2009年3月21日 (土) 17:01
この曲は、このサイトを楽しませていただくようになって、初めて聞いたものでした。 歌われた方の人生、また歌詞のひとつひとつに、しみじみとした人生の悲哀・普通の日常等を感じ、人生欲をもちすぎてはいかん・
贅沢せず・ゆっくり平平凡凡の日々を過ごすのが、一番いいんだよと教えられているように思うのです。
ヒロキチさんの「夢を諦めてはいけない」
ほんとそうですね。僕も頭を整理し、目標・目的をもって進んでいくと、何とか形ができてくるように思っています。大きな経験もいたしました。
今日の癌の話だと、
吾を知る、足るを知る
そして 感謝感謝
その上で、自分の新しい役割を考え直す
ということでしょうか。
投稿: 能勢の赤ひげ | 2009年3月22日 (日) 16:46
ヒロキチさん
コメントありがとうございます。
都会(近く)育ちの自分には分かりませんが、ヒロキチさんのコメントを読みながらこの歌を聞いてみると、ヒロキチさんの心情が分かるような気がしました。
人間死ぬときに「やり残した」事が無く死ねるのは、何人居るでしょう。
その点、「やり遂げた」ヒロキチさんに敬意を表します。自分など、未だにあれやこれやと迷っています・・・。
=========
能勢の赤ひげ さん
前に「吾唯(われただ)足るを知る」という記事を書いたことがあります。「知足石(ちそくせき)」という言葉もその時に知りました。しかし現実はなかなか・・・
朝日さんの話を聞くと、「生かされている」「感謝」といった言葉が出てきており、これらはどなたも到達する境地のようです。しかし、自分などまだまだ・・・
投稿: エムズの片割れ | 2009年3月22日 (日) 17:27
(贅沢せず・ゆっくり平平凡凡の日々を過ごすのが、一番いいんだよ)
能勢の赤ひげさんの心境に到達するには、生
死の修羅場を潜り抜け、やっと一息ついた人生を経験しないと出てこないような重い言葉です。思うに、相当ご苦労されたことでしょう。
ボクの母も、(おしん)のように働き、9人の子供を誰一人死なせることもなく、育て上げました。雪降る夜半に(オシッコ)に起きると、母がモクモクと編み物をしていた光景が今も脳裏に焼きついています。
その母は(94歳)になった今でも、父亡き後(潮風の吹く街)で暮らしています。
(桜が咲いたら、帰っておいで!)
母からの手紙に、北国の青森へ5月に帰ります。北国の春は遅く、5月は青森港の合浦公園の桜が満開になります。足腰の弱くなった母に、桜を見せるために青森に帰ります。
(潮風の吹く街)へ
夜汽車に乗って・・・・・・・
投稿: ヒロキチ | 2009年3月23日 (月) 14:29
浜圭介、好きですねぇ…。韓国風の切なさと、ヴィヴァルディの盛り上がりが同居しているみたいで。
去年、川内康範の遺構を、彼の指名で浜圭介が作曲したものを、水前寺清子が歌っています。「よいしょ こらしょ」という、ちょっと変わった題名ですが、この編曲がなかなか素敵です。TOKIOの「宙船」などの編曲もしている船山某氏によります。水前寺清子の歌い方は、すこしくどいですね・・・。
投稿: rirac | 2009年3月23日 (月) 18:22
また、間違いました。「遺構」は「遺稿」です。
投稿: rirac | 2009年3月23日 (月) 18:25
この歌も、実はとてもなつかしい歌です。
よくラジオで聞いていました。
ふっと時々、無性に聴きたくなる歌ですね。
投稿: 園内麻亜 | 2009年4月 2日 (木) 13:48
私も何故か、この歌がずっと記憶に残っていました。でも、森田由美恵さんの名前は全く知りませんでした。本当に心にしみる歌です。同じ時期かは分かりませんが、西郷輝彦(?)さんの、曲の出だしが「潮風が吹き抜けるまち、妹が水を汲む井戸、わが故郷、夜毎、夜毎~(歌詞が違っているかもしれませんが)」という歌とセットで時々思い出していました。
投稿: 三田村嘉夫 | 2009年5月 6日 (水) 11:50
西郷輝彦さんの「潮風が吹きぬける町」昭和42年 YouTubeにあります。
受賞作品の「潮風が吹きぬける町」も良い歌ですね。
投稿: なち | 2009年5月 6日 (水) 12:21
三田村さん
自分も聞いてみましたが、YouTubeにありました。
「歌とはある想いを言葉よりも深い所に届けるもの」という手仕事屋さんの言葉が、最近身に沁みます。
投稿: エムズの片割れ | 2009年5月 6日 (水) 22:32
なちさん、ありがとうございました。エムズの片割れさん、全く同感です。ところで、私が二つの「潮風~」の歌に惹かれるのは、海から遠く離れた土地で生まれ育ったため、海に対する憧れがあるのではと思います。33年前、文字通り、潮風が吹きぬける、離島の壱岐に転勤し3年間過ごしましたが、今でも、これらの歌を聴くと、壱岐の漁村の風景を懐かしく思い出します。
投稿: 三田村嘉夫 | 2009年5月 7日 (木) 21:52
私も この歌随分 探しました。当時 レコードは 買ってなく、出演された歌番組で、何となく覚え、歌ってましたが、歌手名も タイトルも うる覚えで、こんにちまで
かかりました。 (You TUBE)で、
探すことが できました。レコード会社に
音源が もし あるのなら CD化して
発売してほしいです
投稿: ひこわん | 2009年5月12日 (火) 22:20
エムズの片割れ殿
初めて投稿します。
貴殿の人生観、心情、心の歌、ライフワーク
全てに共感です。全く同感の人がいることの
すばらしさに、身を洗われるようです。
ところで、お願いですが、懐メロですがS40年頃の”面影”北国の春浅いかわぎし......のレコードがあれば紹介してください。
投稿: ヨコゼキ ユウジ | 2009年9月21日 (月) 09:45
ヨコゼキ ユウジ さん
コメントありがとうございます。S39年の三島敏夫の「面影」ですが、当blogで取り上げる可能性が少ないので、下記をご参考に。
http://8.health-life.net/~susa26/natumero/36-40/omokage.html
投稿: エムズの片割れ | 2009年9月21日 (月) 13:42
早速 報復いただきありがとうございます。
三島敏夫の、ほのかな、甘く、懐かしい歌声を聞いて、口ずさんでいるところです。又機会があれば当ブログにお世話になることがあるかと思いますがよろしくお願いします。
ヨコゼキ ユウジ
投稿: yuji yokozeki | 2009年9月21日 (月) 17:44
こんな良い唄があるとは思いませんでした。不思議な憂いのある声で何度も聞きました。
亡き母を思い出しました。
投稿: おぼんだま | 2010年1月30日 (土) 02:38
この歌は、その昔の僕の青春時代に聴いた歌です。実家のある厳寒の貧しい北国の海辺の町に残した母を想う情景が浮かび、何故か親子のどうしようもなく、切ない絆を感じます。今回の震災の被害にあわれた方の多くは、皆何かにすがって生きているのではないかと想い、この歌を聴いたり口ずさんだりして心の痛手を少しでも拭って欲しいなと思います。
【エムズの片割れより】
先日、NHKのFMで、同じ曲を北原ミレイが歌っていました。こちらも味があって良いもの・・・。心に響く歌、というものはあるものですね。もちろん人によって曲は違うが・・
投稿: ユウト | 2011年9月20日 (火) 05:45
山口百恵なんか何ぼのもんじゃ、彼女の歌を聞いて心動いたことない。だけどこの歌は違う、何で涙が出るのだろう、当時働いていた、近くの用宗海岸が目に浮かびます。静岡市にあります
【エムズの片割れより】
歌で、その光景を浮かばせられるとは・・・
森田由美恵は大歌手だったのかも・・・ね。
投稿: 深澤吾朗 | 2012年9月20日 (木) 19:56
お久しぶりです エムズの片割れ様 お元気でしたか? 2009年5月に 初めてここに 書き込みし、8年経ちました。森田由美恵さんの 「潮風の吹く街」は 2017年2月発売のシングル「月光桜」のカップリング曲として、ユニバーサルミュージックより発売されました 勿論 森田さんの声で アレンジは変えられてますが 名曲です 勿論 即 購入しました。
【エムズの片割れより】
貴重な情報をありがとうございます。
自分も早速、注文しました。あまり声が変わっていないので、CDが着くのが楽しみです。
投稿: ひこわん | 2017年3月 9日 (木) 21:07
歴史調査のため鹿嶋神宮に来ました。参道の手前のところで、ご年配の方が、歌っていらした歌、どこかで聞いたいい歌、この歌でした。口ずさみながら、東北大震災のことなど、思い出しています。
【エムズの片割れより】
同じ時刻頃、我々は谷保天満宮に居ました。
気温が下がっていたので、それほど暑くもなく、快適でした。
鹿島神宮は一度だけ行ったことがあります。近くの香取神宮にも何度か・・・・
投稿: 横手逸男 | 2018年8月18日 (土) 13:11
エムズの片割れさん
ある日なぜかこの「潮風の吹く街」
を思い出しました。
あの頃はよく深夜になると今でいう
MVが流れていました。
この曲の出る2年前には野路由紀子
が、「私が生まれて育ったところ」で
港街出身の女性の人生を歌いましたが
やはり夜中に連日MVを流していました。
その曲が大ヒットとなりました。
しかし「潮風の」はヒットした記憶
もなく、覚えている人も少ないので
はないですか。
でもとてもいい曲で、森田由美恵
さんの幼さがなんともいい感じでし
た。その頃は就職活動でいろいろつ
らい頃でこういう曲を聴くと滅入り
ましたがだからこそよく覚えていた
んだと思います。
後年、作詞作曲の聖川さんとお話を
する機会がありましたがこの曲を
生んだ人とは知らず残念です。
音楽ファンの中にはヒット曲を
出して成功した歌手より、魅力がある
のにヒットせずひっそりと芸能界から
去った歌手のことをずっと覚えて
いるって人多いですよね。
私もそうです。だから森田由美恵
さんがまた活動していると知って
とても嬉しかったです。
このブログに書き込む人はみんな
同じような世代で、真面目な人のよ
うなので読んでてさわやかです。
これまでのエムズの片割れさんの
記事をさかのぼってじっくり読ませて
いただきます。よろしくお願いします。
投稿: ドジー | 2019年4月 7日 (日) 19:22