ひろちさや氏の「般若心経」の読み方
「プレジデント フィフティ・プラス」(2007.12.12号別冊)の、「ひろちさや氏がすすめる「心経」の読み方~組織の枠を飛び出し、自分の物差しで生きろ」(P130)という記事に、『般若心経』のビジネスマン向けの分かり易い解釈が載っていた。
要旨を以下に抜粋・・・
・『般若心経』が言っていることは、-すべてが空だ-
・「空」とは、-すべてに物差しがついていない-ということ。
・『般若心経』の要点は、-自由自在に見る-
・-奴隷になるな! 自由人であれ-
・奴隷の根本原因は、-欲望-
・欲望には二種類ある -自然的欲望と奴隷的欲望-
・-自然的欲望-とは、食欲のように、それが充足されると自然になくなってしまう欲望。
・-奴隷的欲望-とは、金銭欲のように、いくら充足されてもなくならない欲望。これによって人間は“欲望の奴隷”になる。
・我々は、幸福=充足/欲望 を信じている。これでは幸福になれない。
・幸福になるためには、幸福=知足/少欲 つまり欲を少なくし、足るを知る心を持たねばならない。
・しかし『般若心経』が言っているのは、欲を少なくせよ、というより、-欲望の奴隷になるな!欲望を自由自在にコントロールできるようになれ!-。 現代的に言うと、-もっと主体性を確立せよ- つまり欲望の奴隷ではなく、欲望の主人になれ!
・日本のビジネスマンは、ややもすると会社の奴隷になってしまっている。自分自身の価値観を持たずに、会社が押し付けてくる価値観で生きている。会社が敷いた出世コースのレールを、なんの疑いもなく走っている人間。身の心も会社に捧げ尽くした会社人間。それは奴隷ですよね。
・しかしこれからの時代、企業は国際化の波の中で価値観の多様性を要求され、奴隷人間よりも主体的な判断力を持った自由人が求められる。
・よって、「奴隷になるな!自由人であれ!」と教えている『般若心経』は日本のビジネスマンにとっての必読経典だ。
・あなたが受け身であって、世間の物差しに従った欲望を持たされているのであれば、そんな物差しは捨ててしまいなさい、と言っている。そして、あなたは「私はこれで充分である」と主体的に判断しなさい。そういう自由人であれと、『般若心経』は教えている。
・そして真言の、≪羯諦。羯諦。/波羅羯諦。波羅僧羯諦菩。提薩婆訶≫は「自由だ!自由だ!自由になった!わたしはすっかり自由になった! ほとけさま、ありがとう」と訳すとか・・・
『般若心経』については、今まで色々な解釈を読んできたが、ビジネスマン向けの訳としては、この文章がなかなか面白い。
最近自分が思うのは、『般若心経』は「もっと肩の力を抜け」と教えているように感じるのだが、これは還暦のなせるワザなのだろうか・・・
(サラリーマンも(還暦を過ぎて)“延長戦”に入ると自然に肩の力が抜ける。有難い事ではないか・・・)
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17)「般若心経」勝手帖」
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