「ブータン」前国王の素晴らしい姿勢
今朝(07/12/15)の朝日新聞に「ブータン 手探り初選挙」(P6)という記事が載っていた。ヒマラヤ山脈の内陸国ブータンで、初の直接選挙による国政選挙が進んでおり、100年の歴史を持つ王国は来年前半、代表制民主主義国家に生まれ変わるという。
ブータンという国は、NHKハイビジョン特集 五木寛之 21世紀・仏教への旅(3)「幸福の王国をめざして ブータン(これ)」という番組を見て関心を持った。このblogにも書いた。
そのブータンが大きく変わろうとしているという。しかも前代未聞の、国王自らが権力放棄をするという指導によって・・・。曰く・・・
「ブータン 手探り初選挙~前国王主導 民主化完成へ」
「王制から民主国家への転換を決断したのは、第4代のジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王(52)だ。「国民からの要求もないのに、絶対君主が自ら権力を手放した世界史上稀有(けう)の例」(現地外交筋)との評価がある。
前国王は72年の即位後、「経済成長より国民の幸せを」と、GNH(国民総幸福)という概念を掲げて統治にあたり、教育や医療施設の普及などを通じて国民の絶対的な支持を得てきた。
自らが主導して徐々に民主化を進めた。国王の権限を大きく制限する憲法が05年にできると、前国王は全国20の県すべてを回り、民主化の意義を説いた。
泣きながら王制の存続を直訴する各地の国民に「悪い王の時にも国が存続できる仕組みが必要だ」と懸命に説得する前国王の姿が人々の心に焼き付いているという。
前国王は去年12月、突然退位し、息子のジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王に王位を譲った。民主化の完成は息子の手に委ね、国民の「後ろ盾」となる決意のようだ。
初の国政選挙がスタートしたいま、新聞のトップ記事はほとんどが選挙がらみだ。ただ年配層を中心に王制への未練は断ちがたいようにみえる。
英字紙ブータン・タイムズのテンジン・リグデン編集局長は、「私を含め国民の9割以上は王制に満足している。しかし民主化は不可避であり、政治・経済・社会が安定しているいまが最良のタイミングだ」と話す。」
一方では、ロシアのプーチン大統領は、2008年の任期満了で退任した後も、首相に降格してなお事実上の最高権力者として影響力を行使するという。
アメリカでは1年間の選挙合戦中だし、国内では仕事そっちのけで政党が足の引っ張り合い・・・・
国の最高権力者の、この姿勢の違い・・・・
世の中、星の数ほど首長は居るが、真に国民を思うブータン前国王をぜひ見習って欲しいもの。
でも、サラリーマンの世界も同じだな・・・。
会社の各長が、部下のためにどれだけ腐心しているか・・・。社員・部下のためと言いながら、本当は自分のため・・・が多いのでは?
自分も還暦を過ぎて大分肩の力が抜けてきた気がするが、ほんの“勘違い”であろうか?
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