知的障害者自立支援の「にじの会」
NHKラジオ深夜便「こころの時代」で、昨日(07/12/13)と今日は、「『にじの会』が目指すもの」~社会福祉法人にじの会 理事長 石崎優仁さんと理事 石崎茂子さんの話である。(公式HPもある)
知的障害の子供を持ち、その子の将来を案じて各種知的障害者自立支援の施設を作っている人達の歩みである。
この話を聞きながら、むかし見た映画「しいのみ学園」を思い出した。(このblogでも書いた)
しいのみ学園を作った人も、子供が小児麻痺に掛かり、それがきっかけとなって施設を作った。「にじの会」も同じようだ。今日は、その第1回を聞いた。
内容をかいつまんでみると・・・・
石崎優仁氏は今年還暦。東大経済学部を卒業して日立製作所に入り、3年半で辞めて公認会計士合格。監査法人トーマツに入社。5年前に退社して現在は「にじの会」の理事長の仕事に専念されている。
奥様の石崎茂子さんは、東京芸大ピアノ科を卒業し、石崎氏と結婚後、都立高校の音楽教師をしていたが、障害の子供の世話のため退職。現在は「にじの会」の理事。
お二人は従兄妹通しだという。奥様の父親のすぐ上の姉が、夫の母だという。奥様が芸大を出る頃に、久しぶりに会い、一目ぼれ・・・・・。
結婚に際しては、障害児が生まれる可能性が高いと聞き、色々調べたがまさか自分のことだとは思わなかった。赴任先のロンドンで新婚生活。
帰国後、4年ほど勤めた音楽教師の仕事も、子供が障害を持っている事が分かって退職。
自分の子供が障害を持っていることを、自分で認める事が出来るまでが大変だった。自分を責めて・・・。(聞き手のディレクターも長男が知的障害者だという。やはり自分が納得するまでが大変で、間違いではないか、産婦人科で間違えられたのではないかと・・・・。皆、認めるまでは同じ経路をたどるという・・・)
長男が知的障害を持っていると分かってからもう一人子供を作ったが、その女の子も同じように障害を持って生まれたという。
そしてその心労からか、子供が4才、2才の時に奥様が進行性の胃がんに罹り、胃の全摘。それまでは、子供をどうしようかと悩み続けていたが、手術でそれも全部取ってもらった。洗い流された。つまり、生きているという事は何も要らない。生きているだけでありがたい事・・・、と気持ちが大きく切り替わった。
この入院のときに子供をどうするか・・・、という事がきっかけで、親が倒れたら子供は行き場が無い、という事を実感。そして子供が大きくなるまでに、子供達の行き場を作らなければ、と思ったという。
その後、腸閉塞を起こして再入院したりで問題は切実になり、養護学校の先生達も自分の生徒達の行く先をどうしたら良いだろう・・・と考えており、先生や親御さんたちと20人で、1995年に「にじの会」をスタートした。
障害者は、自分が持たないと他人事。しかし持ってしまうと、人生は暗転する可能性・・・。何で自分達が・・・・と。
よって、それを皆(社会)で支え合うことは絶対に必要だが、ここまで具体的な活動に踏み切れる人が何人居るか・・・・
自分達の不幸(従兄妹での結婚が原因?)をきっかけに、目を広く見据えて(個人の問題から脱して)、ここまで広く活動されている「にじの会」は、素晴らしい活動だと思った。
(関係記事)
映画「しいのみ学園」の歌
●本日カウントが4万を越えました。皆様の“ご愛顧”に感謝します。
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