NHK「こころの時代~難病ALSと闘う日々」を聞く
昨日と今日(07/11/9)の2回に亘って、NHKの深夜放送である「ラジオ深夜便 こころの時代」で、「難病ALSと闘う日々」を聞いた。
これは今から20年前、47才の時に、治療法が無い難病である「ALS=筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)」にかかった、日本ALS協会島根県支部長 松浦弥生さん(68才)と、国語教師を辞めて介助をしている夫である松浦和敏氏(74才)の話である。
この病気は、段々と筋肉がきかなくなる不治の病気で、米大リーグのゲーリックが掛かった事で、米国ではゲーリック病というそうだ。そして発病後30年という英国の宇宙物理学者ホーキング博士も有名。島根で70人、全国で7千人居るという。
そして、自分の意志は、唯一動かせる目の瞬きでしか伝えられないため、島根大学障害児教育専攻のボランティアの娘さん達が通訳として交代で通ってきてくれるとの事で、もう延べ40人にもなるという。
しかし松浦さんの場合は、口から食べ物を呑み込める非常にラッキーな例だそうで、普通食に近い食べ物を、細かく切って食べているという。これが長寿の源泉かも・・・・
先ず昨日の放送の冒頭が、この病気の状態を良く表現しているので少し聞いてみよう。
<「NHKラジオ深夜便 こころの時代」~「難病ALSと闘う日々(1)」~07/11/08)>
そして、今日の放送は先ず人工呼吸器を付けた時の話から始まった。これらの言葉をどの様に捉えようか・・・・・
<「NHKラジオ深夜便 こころの時代」~「難病ALSと闘う日々(2)」~07/11/09)>
「人口呼吸器を付ける時に、大変勇気が必要だったと聞きました。その時はどういうお気持ちで付ける気になったのでしょうか?」
「私は、こんな姿で、いつまでも、延命したくないと拒み続けましたが、主人に『僕が一生面倒をみるので、任せなさい』と言われ、幸いにも、専門の先生にも恵まれたので、全てをお任せしようと決心いたしました。・・・・・」
・・・・・
「人工呼吸器を付けるか付けないかは、この病気の患者さんにとっては大きな分かれ目なんだそうですね」
「この病気の大きな関門でして、付ける事によって、多く人の手がかかるということや、意志表示が困難になるということや、自分自身も苦しいこと等、色々考えると、呼吸器を付ける事よりも、付けないで自然のままで死にたいという人の方が、一般的には多いように思います。ですから呼吸器を付けて生きながらえるということは、大変に勇気が必要なことです。20年位前は、付けないで亡くなる人の方が多かったのですが、最近は生きて頑張ろうという気持ちを持って下さる人の方が、多くなってきたように思います。・・・」
この問題は、まさに人の尊厳死に繋がる重大な問題で結論は簡単には出ない・・・。
また20年にも亘る介護をどう捉えるか・・・・・・。夫婦の愛情だけで、それは可能なのであろうか?
少なくても、もし自分だったら迷うことなく自然死を望むであろう。(うちのカミさんは尊厳死協会に入っているが、自分も入ったつもりで居る・・・・)
そしてこの番組は、H11年のALS島根県支部を立ち上げたときの苦労話に続く。ここで「自動ドアでも、前に立たないと開かない」という例え話が面白かった。行政に働きかけるときに「何もしないと、何も生まれない」と思って、動いたそうだ。
これは何にでも通じる言葉だな・・・。
そして番組は、
「目が見え、耳が聞こえ、ものが言え、手足が動くという事を、多くの人が当たり前と思っているが、それは当たり前ではない。生まれながらにして目が見えない人もいる。今日まで健康なのを有り難いと認識し、これからも健康を大切に」
という同氏のメッセージで終わった。
しかし、色々と考えさせられた番組であった。
当分この「こころの時代」という番組は、毎日聞いてみる事にしよう。昨夜も書いたが、そこには「色々な人生」があるので・・・・
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