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2007年11月11日 (日)

「地図で読む世界情勢」を読んだ(2)

地図で読む世界情勢 第2部 これから世界はどうなるか」を読んだ。自分のように、あまり世界情勢の知識のない者にとっては、なかなか考えさせられる(分かり易い)内容であった。

前に“「地図で読む世界情勢」を読んだ”という記事を書いた。これは第1部「なぜ現在の世界はこうなったか」という本を読んでの印象だった。
この第2部ではまた違う視点で、同じように地図を駆使して解説している。それがなかなか説得力があるのである。印象に残った地図を少し紹介してみる。

地図で読む世界情勢 第2部 戦争とその理由>

Scan103561 今、世界には20程の紛争があるという。この地図を見て、あまりに多くの地域で戦争(紛争)をしていることを改めて知り、愕然とした・・・・。(失礼)そしてその地域では、今なお日常的に市民が殺され、家や家族を失い、飢えに苦しんでいる・・・。前にも書いた「国境なき医師団」もこの様な危険な地域で活動しているのだろう。

地図で読む世界情勢 第2部 国家の豊かさと貧困>

・ドル換算による世界の豊かさ
Scan103571 これは、国民総生産によって国の大きさを表現するとこうなる・・・というもの。長方形が大きいほど国民総生産が高い。アフリカや南米・インドの「細さ」、そして中国と比べてみても、アメリカや日本、EUの「太さ」は際立っている。この3つの地域だけで世界の豊かさの70%を有しているという。

・ドル建ての購買力平価で見る世界の豊かさ
Scan103572 前に「日本がインドに抜かれた日」という記事でも紹介したが、別の視点で見ると結果は違ってくる。為替レートの変動による影響を防ぐために、国民総生産を購買力平価(PPP)で計算する事が出来る。これは二つの異なる国で、同じ財やサービスを購入するのに必要な総額を比較するもの。これだと中国の豊かさは、日本とほぼ同じになる。それでも日本は豊かだ・・・。

地図で読む世界情勢 第2部 北西航路>
Scan103581 気候温暖化についての弊害が議論されており、当blogでも「映画「不都合な真実」を見た~地球温暖化を考える(1)」という記事を書いた。しかし、逆にそれがもたらす経済的実益の視点で見ると、逆説的で面白い。それは北極の氷が溶けて、北極海の地下資源の開発だけでなく、北西航路が発展するという。しかし、この地図は衝撃的である。ヨーロッパへの飛行機の空路と同じようなルートで船も行き交う訳だ。
大阪-ロンドン間は、パナマ経由だと2万3300Km、スエズ運河経由だと2万1200Kmに対し、北西航路だと1万5700Kmだという。何とも皮肉な地図である。

ともあれ、この本は、前ににも書いたが、真実をひと目で分かるように苦労している。よって、一読に値する本だと思った。しかし、知ろうと思うと世界はあまりに広い・・・・・。「毎日が日曜日」恐怖症の自分には格好のテーマかも知れない。

(関係記事)
「地図で読む世界情勢」を読んだ(1)

「国境なき医師団」からのダイレクトメール

「国境なき医師団」の貫戸朋子のことば

日本がインドに抜かれた日

映画「不都合な真実」を見た~地球温暖化を考える(1)

地球温暖化を考える(2)~その基礎知識

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