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2007年11月15日 (木)

囲碁棋士「小川誠子さん」

最近、NHK「ラジオ深夜便」をMP3にして通勤電車の中で聞き出したが、なかなか面白い話が聞ける。先日(07/11/13~14)聞いたのが、「忘れえぬ言葉 日本棋院女流棋士 小川誠子(ともこ)さん」だった。

小川さんは、親の「これからの女性は手に職を持つべき。何か特殊なことをさせたい」という願いから、囲碁のセミプロだった銀行員の父親から囲碁の手ほどきをされ、14歳で全日本女流アマチュア囲碁選手権大会に優勝して木谷實九段に見出され、木谷道場の内弟子として入門。
木谷道場では、女性ゆえに料理の手伝いなどもしながら囲碁に励んだという。そして、囲碁の世界は、男性18歳、女性23歳がプロへの年齢制限だが、小川さんは18歳でプロ(入段)。

ここで語られた色々なエピソードが面白い。
囲碁の歴史は非常に古く、聖武天皇が愛用した碁盤が現存するそうだ。また、紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」などにも囲碁が登場するそうで、もし紫式部と清少納言が打ったらどちらが強いか・・・、という論戦もあり、紫式部の方が強いだろうという事になっているとか。

また囲碁の世界は広く、世界でアマチュア大会がある国は、何と65カ国。ハンガリー、チェコ、スペインなどでも・・・・。そして、囲碁は言葉が通じなくても手でコミュニケーションが取れるため、囲碁は「コミュニケーションの“手談”」だという。この「手談」という言葉は中国から伝わったもので、単なる駄洒落ではないそうだ。

また最近は、コンピュータとの対局の話題もある。将棋では、コンピュータが1秒に1万局読めると言うが、それでも人間が勝つ不思議・・・・
しかし、囲碁は将棋と違って碁盤の目が19×19であり、その局面数は10の700乗とか360乗とか言われており、1枚の紙に一つの局面を書いて重ねると、銀河系を横断する厚さになるとか・・。つまり無限・・・。 よって囲碁の世界では、コンピュータと人間では大分力の差があるようだ。

そして囲碁は将棋と同じく、必ず勝ち負けが付いてまわり、勝敗を如何に忘れて気持を引きずらないかがポイントだという。
昔、井伏鱒二の近所に将棋の大山康晴名人の家があり、井伏鱒二は大山名人の帰りの足音で勝敗が分かったという。

しかし、小川さんの静かな語り口・・・・。とても闘争心溢れる棋士とは想像できない。
棋士には闘争心が必要。しかし女性・母親には優しさが必要。ちょうど最初の女の子が生まれた時に、タイトル戦の最中だった為、頭の切り替えが難しかったという。

そして小川さんは、何と俳優の山本圭氏の奥さんだという。俳優と囲碁棋士の組み合わせ・・・。どのような出会いかというと、各界との囲碁の対戦会があって、そこで知り合ったそうだ。
これを、帰ってカミさんに話すと、山本圭の奥さんが囲碁棋士であることは、結婚するときから知っていたという。「そんな昔から・・・?」とこれにもビックリ。
なぜ知っていたかと問うと、昔「若者たち」という映画があり(これは自分も良く知っている)それに出ていた山本圭が好きだったので、その結婚の相手が棋士という事も、当時から良く知っていたのだという。

という事で、おまけに歌を一曲・・・・「若者たち」だ。

<ザ・ブロードサイド・フォー「若者たち」>

「若者たち」
 作詞:藤田敏雄
 作曲:佐藤勝

君の行く道は 果てしなく遠い
だのになぜ 歯をくいしばり
君は行くのか
そんなにしてまで

君のあの人は 今はもういない
だのになぜ なにを探して
君は行くのか
あてもないのに

君の行く道は 希望へと続く
空にまた 陽がのぼるとき
若者はまた
歩きはじめる

自分も何か特異な才能があったら「各界の人」と知り合いになって、別の人生があったかも?? まあもう手遅れだが・・・・(でも勝負師なんて、ストレスが多くてゴメンだな・・・。平々凡々が一番・・・・)

(2019/12/23追)
<NHKラジオ深夜便「忘れえぬ言葉 日本棋院女流棋士 小川誠子さん(1/2)」(2007/11/13放送)>


<NHKラジオ深夜便「忘れえぬ言葉 日本棋院女流棋士 小川誠子さん(2/2)」(2007/11/14放送)>

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コメント

ちょっと話がずれますが
木谷實さんの扇子を持っています。
囲碁の道には入りませんでしたが
街づくりの活動を通して知った方に
木谷實さんの三男だったかな
木谷正道さんと知り合うことができました。

今年、都庁を退職され平塚で色んな活動をされています。


木谷さんのホームページ
http://kokorono-uta.net/kokorono-uta/index.html

投稿: 鈴木亨 | 2007年11月30日 (金) 05:46

いま、CATV(日本映画専門チャンネル)で、1966年に放送されたドラマ「若者たち」の全34話が10月にはいって再放映され、私も見ています。なお、エムズの片割れさんが言及されている映画「若者たち」(三部作)はこの放送が終わってから映画化された、いまでいうところの「劇場版若者たち」で、内容は少し違っています。また、最近(本年6-9月にかけて)フジテレビ50周年記念番組として放送された「若者たち」は1966年ドラマを平成の現代に設定し直したリメイク・バージョンで、区別するために「若者たち2014」と呼ばれています。
主人公は両親を若くして亡くした佐藤家の5人の兄弟たちで、山本圭は、この家族の中では最もインテリで、理屈ぽい、大学3年(?)の、三男の三郎を演じています。このドラマは兄弟たちと社会とのかかわり合いの中で起きてくるいろいろの問題を取り上げる社会派のホームドラマといってよい内容になっていて、現在のTVドラマでは決して見られない、「硬派」のドラマです。当時の若い世代からは圧倒的支持を受けたドラマだったらしいことが頷けます(当時早稲田の学生だった俳優の佐藤B作さんはこのドラマを見て演劇を志したといつかの日経新聞のコラムで書いていますす)。ドラマ第17話の最後の場面で、三郎の大学の友人の小川(江守徹)が家業の中小企業が倒産し、大学を中退せざるを得なくなったとき、三郎たち放送部員に託した詩があるので、紹介しましょう。放送部員の三郎は学内放送でこの詩を読み上げます。当時の大学の雰囲気がわかる気がしませんか?

言うまでもなく素晴らしい黒い瞳の俺の友達よ
太陽に向かって旗を押したて足音をたてて歩いてゆく幾十万の俺の友達
君たちの旗を遠い遊星に立てろ
新しい世界の真ん中に立てろ
健康を誇る若者よ
幸福を運ぶ若者よ
形がないのに君たちには見える
音がないのに君たちには聞こえる
あの希望という確かな星を謙虚に勇敢に追い求めてゆけ
移ろいやすい疑惑でその旅を汚すな
悔恨の吐息でその旅を終わるな
険しい戦いの時が毎日蟷螂の斧を押し砕き、みるまに押し流していっても
ときのまの敗北が君たちのある日を暗闇にしても
いま音をたてて地球が回っていることを忘れるな
僕たちは僕たちの錯乱を信じよう
ざまもない失敗を堂々と誇ろう
未来は真っ白の手帳のようだ
新しく始まる音楽のようだ
風や雲や陽炎のように軽く
海や嵐や大きな川のように力強く
僕たちは僕たちの車を押してゆく
もっと緑濃い森の中へ
もっと伸びやかな人間の世界に
言うまでもなく素晴らしい真っ黒い瞳の友達よ
懐かしい友達よ
見知らない兄弟よ

【エムズの片割れより】
昔のドラマを、今でも見ることが出来るのですね。

投稿: KeiichiKoda | 2014年10月19日 (日) 09:20

はい、そうです。以下をご覧下さい。
http://www.nihon-eiga.com/program/detail/nh10005748.html
「若者たち2014」はこちら、森山直太朗が主題歌を歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=WkHkHNp06Yw

投稿: KeiichiKoda | 2014年10月22日 (水) 05:36

2014/10/19の私のコメントへの追記です。この詩が朗読される「若者たち」17話が最近YouTubeにアップされましたので興味ある方は以下のリンク(↓)をクリックしてみてください。三郎による上の詩は一番最後のところに出てきます。

https://www.youtube.com/watch?v=klKweGChnLU

投稿: KeiichiKoda | 2014年12月26日 (金) 07:31

上の投稿で、「若者たち」17話のYouTubeの紹介をしてから1ヶ月がぐらいが経ちましたが、このYouTubeへのアクセスは、当初200件ぐらいのアクセス数だったのが、700件以上のアクセス数に増えています。私のコメントを見た人のアクセスも多少はあるのかもしれません。このTVドラマの放送は1966年ですから、このときすでに戦後20年以上が経っているのですが、このドラマを見ると戦争の影が底流として流れていることがよくわかります。三郎(山本圭)たちの両親は、満州からの引揚者で、たぶんそのときの苦労があって、若くして亡くなっている。三郎の友人の小川(江守徹)は、この場面で、小川家の実の子供ではなく、戦争浮浪児だったところを町工場の経営者だった(亡くなった)義父に拾われて実の子同様に育てられたということを、三郎に告白します。小川の「家族というのは、血ではないんだよな!」という言葉には、最近見た映画「そして父になる」のテーマにも通じる問題提起を含んでいると思いますが、どうでしょうか?

投稿: KeiichiKoda | 2015年1月18日 (日) 07:58

俳優の田中邦衛さんが亡くなって、真っ先に思い浮かべたのがこの「若者たち」の長男役を演じた田中さんだった。本日の日経新聞のコラム「春秋」の担当記者も同じ思いだったらしく、次のように書いています。「白黒テレビの画面に映っていたドラマ「若者たち」は、子供心にも重く響く番組だった。両親を亡くした5人きょうだいが、世の中の矛盾と格闘しながら生きていく。・・・近年になって、全34話をあらためて鑑賞してみた。1966年の放送だが、話はちっとも古びていない。家族とは何か、学びの意味、格差と差別、愛情と打算・・・。こういう真正面からのテーマを背負って熱演したのが、太郎役の田中邦衛さんだった。物語には高度成長期の光と影が交錯し、いまに伝わる名作となった」、と。5人兄弟を演じた俳優の中で健在なのは3男を演じた山本圭と長女オリエを演じた佐藤オリエだけになってしまった。

【エムズの片割れより】
そうでしたね。長男役でした。
しかし、自分的にはやはり「北の国から」が一番。
VHSのレンタルを借りて、全編見たのが、いつだったかな・・・

投稿: KeiichiKoda | 2021年4月 4日 (日) 15:49

小川誠子さんは囲碁ファンの皆から愛された棋士でした。とにかく人柄が良かった方です。女流のタイトルをいくつも取る一流棋士でありながら、1984年から出産休暇をはさんで10年間NHKテレビ囲碁トーナメントの聞き手を担当するなど多くの方面で活躍しました。吉永小百合さんと親しかったとのことですが、吉永さんと山本圭さんはテレビや映画で共演してたようで、その関係で知り合ったのかもしれません。
私も囲碁の大ファンで、退職後は仲間と打ちに行ったり、家でパソコンの囲碁ソフト相手に打っています。3年前には前には、朝日新聞社のアマチュア名人戦で県13位になりました。
ただ、エムズの片割れさんがこの文章を書かれた後のAIの発達は恐ろしばかりで、今では日本、中国、韓国のトップ棋士もハンディをもらわないと勝てなくなっています。プロ棋士達がAIに教えてもらっている状況です。

【エムズの片割れより】
我が家は将棋が好きらしく、亡くなった親父が大好きでした。それが兄貴にも伝わり、自分はからきしダメですが、隔世遺伝でしょうか、孫である自分の次男につながり、10年ほど前、全日本アマチュア将棋名人戦で佐賀県代表になりました。この頃はやっていないようですが・・・
囲碁はもっぱら兄貴が碁会所通いをしていました。結局、兄貴は将棋よりも囲碁の方が夢中でした。
AIの時代がこうなるとは、亡くなった親父が聞いたら・・・!?

投稿: 山下仁平 | 2021年4月10日 (土) 21:20

多くの方々に惜しまれながら、小川誠子さんは2019年に癌のため68歳でなくなりました。

投稿: 山下仁平 | 2021年4月10日 (土) 21:52

日経新聞の土曜版のNIKKEIプラス1という紙面には「なんでもランキング」という記事があり、本日2021/6/5のランキングは「家族ドラマプレーバック」ということで、家族ドラマの名作ランキングを特集しました。1位が「岸辺アルバム」(1977年放送)、2位「北の国から」(1981年放送)、以下3位「寺内貫太郎一家」(1974年放送)、4位「義母と娘のブルース」(2018年放送)、5位「あまちゃん」(2013年放送)とあげられていく。私だったら、トップには「若者たち」(1966年放送)、あるいは「3人家族」(1968年放送)を選びたい。「若者たち」については、上の、私の2014/10/13の投稿をご覧いただきたい。ここで、三郎(山本圭)の友人の小川(江守徹)が大学を去るにあたって三郎たち放送部員に託した詩を紹介しましたが、その詩の13行目に「険しい戦いの時が毎日蟷螂の斧を押し砕き、見る間に押し流していっても・・・」という1節があるのをお確かめください。自分でこの詩を紹介しておきながら、実は「蟷螂の斧(とうろうのおの)」というのがよくわかりませんでした。ところが、本日の日経新聞朝刊の「春秋」というコラムの冒頭につぎのような文章があるのを見つけました。「いにしえの中国。車に乗る王が道で一匹のカマキリを見つけた。今にも大きな車輪にうちかかろうとしている。「この虫は進むことしか知りません」と従者。虫の漢名をとり「蟷螂の斧」なる成語が生まれた。自らの非力をかえりみず、敵に向かおうとすることをいう」、とある。なるほど、ドラマの中の話とはいえ、こんな成語を使いこなせるなんて昔の学生の漢文の素養にはあらためて感心させられました。うがった見方をすると、この「春秋」の担当記者は田中邦衛さんが今年4月になくなったとき、ドラマ「若者たち」を思い出したという記者と同一の人ではないだろうか(上の2021/4/4の私の投稿を参照されたい)。そうだとすると、ドラマ「若者たち」全34話を最近あらためて鑑賞したというこの記者も小川が三郎に託した詩の中の「蟷螂の斧」に出会っていたにちがいない。この成語の意味についてもひそかに調べたのではないだろうか(笑)。

投稿: KeiichiKoda | 2021年6月 6日 (日) 00:41

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