遠藤郁子の弾く「月光」
先日(07/11/18~19)のNHKラジオ深夜便「こころの時代」で、「音楽の深みは病を越える」ピアニスト…遠藤郁子 という番組を放送していた。壮絶な人生に、つい聞き入ってしまった。
昭和19年生まれの遠藤さんは、芸大時代(20才)に第7回ショパン国際コンクールで特別銀賞を受賞。ピアニストとしてのスタートは、順風満帆・・・。
しかし29才で、いわば同情から38才年上の人と結婚。しかし16年間の結婚生活は、最終的には非常に過酷なものになったという。というのは、夫が心筋梗塞を患い、他人の世話を嫌うため、一人で介護。そして、1時間おきの心筋梗塞の発作。寝るヒマもなく看護する日々・・・。それは結果としてピアニストとして致命的な乳癌を引き起こす・・・。それは48才の時だったという。そして自殺をも考えたあげくの離婚・・・。
乳癌の手術は「何としてもピアノが弾けるように・・・」と頼み、乳房を残す乳房温存療法を実施。しかしリンパ節は取ったので違和感が残る・・・・。
そして今は、鬱病気味の90才の実母の介護にあたっているという、過酷な人生ではある・・・。
また、松本サリン事件で意識不明の人が、遠藤さんのピアノを聴いて「痛い」「怖い」と反応したというのを機に、遠藤さんは「奇跡のピアニスト」「癒しのピアニスト」と呼ばれるようになり、遠藤さんも「音魂」という言葉を使うようになる。
番組の中で遠藤郁子さんの「月光」が流れたが、これには自分が「反応」・・・!?
前にモラヴェッツの「月光」のことを書いたが、同じように、この演奏も心に響く演奏ではないか・・・・。
あまりにも有名な「月光」・・・・。
世の中には様々な演奏がある。しかしその中で、心に滲みる演奏というのはあまりない。でもその中で、モラヴェッツも良いが、この演奏も良い・・・。
新たな自分のテーマとして、「月光」の“琴線に触れる演奏探し”というのも良いかも?
(関連記事)
ベートーヴェン「月光の曲」の聞き比べ12種
| 0
コメント