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2007年10月19日 (金)

「地図で読む世界情勢」を読んだ(1)

地図で読む世界情勢~第1部 なぜ現在の世界はこうなったか」という本を読んだ。
本屋の店頭に積んであった本を、フト手にして買ったのだが、これほど精読した本も珍しい・・・・・。
「フランスでベストセラーを記録した世界の見方が変わる地図」と謳う。
この本は、フランスの衛星放送テレビ「アルテ」(日本で言うNHK教育の衛星版)で、1990年から毎週水曜日に10間放送された番組「のうち、15年間700回分から50テーマを選んで本にしたものだという。初版本は2005年9月、普及版は2006年4月発売で計25万部のベストセラーだという。

この本は、非常に醒めた目線で世界の紛争・情勢を、地図を示して淡々と語る。客観的に見ているのは良いのだが、あまりに簡単過ぎて(または、理解するにはページが足りないのかも知れない)、良くは分からない。が、雰囲気だけは分かる。
中に、新聞やTVで良く聞く国々や、聞いたことのある言葉・人名が次々に登場する。そして、言葉だけでは頭を素通りしてしまう事柄を、地図を使ってしっかりと繋ぎ止める。
特に印象に残ったのがパキスタンの部分。

<地図で読む世界情勢~パキスタン(P132)から>
「パキスタンは、1947年の建国当初から、隣国インドと3度の戦争を経験し、いずれも負けている。・・・1971年の第3次印パ戦争では東パキスタンが分離し、インドの支援を受けて新しい国家バングラデシュが誕生した。・・・
1979年のソ連によるアフガン侵攻の際に、パキスタンは200~300万人のアフガン難民を西の国境沿いに受け入れた。・・・・冷戦時代のパキスタンは、アメリカの古くからの同盟国であり、アフガンの反体制勢力に後方基地を提供していた。
1989年にソ連軍が撤退し、過激派同士の戦争が終わると、パキスタン政府はアフガニスタンに「友好政権」を設立するのに腐心する。それが・・・急進派イスラム主義者で形成された、タリバン~「聖典の学生」という意味~と呼ばれる政権である。パキスタン側の計算としては、アフガニスタンと同盟を結ぶことによって、敵対するインドと戦争になった場合に戦略的な奥行きを持つことだった。
こうしてパキスタンは、アフガン抵抗勢力でも最大の急進派を支援してしまった。1980年代にはビンラディンが軍事的な知識を身に付けるのを許し~皮肉にもCIAの援助で~、タリバン政権を「形成した」ことになる。そして、パキスタンは現在もカシミール地方のテロリスト支援を続けているのである。また1998年には第1回目の核実験を実施して、核保有核国の仲間入りを果たし、この技術を北朝鮮やイランに輸出したと言われている。
ところが、2001年9月11日に同時多発テロが起きると、パキスタンはわずか48時間でアメリカと同盟を組み、アフガニスタンやカシミールでアルカーイダを追跡した。パキスタンの軍事政権がアメリカ支援を選択したのである。じつに矛盾した選択だが、矛盾しているのは、アメリカもおなじではないだろうか。アルカーイダが隠れ家にしているタリバンの最後の保護者はパキスタンであり、イラクと違って、この国は大量破壊兵器の実験を行っていたのだから。」

タリバンとかビンラディンとかは良く聞く。しかし「タリバンって何?」と聞かれても、実は知らないのである。その知識の片鱗は教えてくれる。

また日本についての記述も面白い。曰く・・・
「『陽が昇る国』とも言われる日本だが、自然環境を見ると、台風が頻繁に上陸し、地震は多く、列島は分断されていて、むしろ過酷としか言いようがない。そんな国で、人々はどのように生活しているのだろうか?・・・」(P155)

自分の国を、フランス人の醒めた目で見ているのを読むのも、また面白い。
ミーハーの本でも、少しは世界情勢に近づくきっかけになるのであれば、それはそれで良いではないか・・・・

(関連記事)
「地図で読む世界情勢」を読んだ(2)

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