« 「小鳩くるみ」が歌う童謡 | トップページ | 大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(2) »

2007年9月15日 (土)

大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(1)

大峰千日回峰行を満行された、仙台の慈眼寺住職 塩沼亮潤氏の「心をこめて生きること」という講演を聞いた。場所は新宿のヒルトン東京。2時間弱の講演だった。

8月2日朝のNHK「こころの時代~『修験の行』 慈眼寺住職…塩沼亮潤」という番組を見て、塩沼亮潤氏の事を知った。そしてネットで今日、講演会が開かれることを知って行ってみた。異質の世界を知り、色々と考えてしまった。

氏は、小学校5年生の時、NHKの比叡山酒井雄哉阿闍梨の回峰行の番組を見て感激し、自分も目指したという。そして東北高校を卒業して、1年間バイトで資金を貯めてから金峰山寺(きんぷせんじ)の門を叩いた。
回峰行は比叡山が有名だが、この奈良・吉野山・金峰山寺の千日回峰行は1300年間で二人目という。なぜ金峰山を選んだかというと、金峰山の方が距離も長く、厳しく、標高差もある。よって、楽だと思う方を選んだら一生後悔すると思ったので迷わず金峰山寺を選んだという。しかし、その修行の厳しさには言葉を失う。

<大峰千日回峰行~その1>
吉野蔵王堂(標高364m)から24K先の大峰山寺(同1719m)の往復。標高差1355m、往復48K。1年で120日間。それを9年間掛けて千日を満行する。歩く期間は5月3日から9月22日まで。この4ヶ月を行で過ごし、年末までの4ヶ月で衰弱した体を元に戻し、、年明け後の4ヶ月で体力づくりをする。
千日の前に百日回峰行というのがあって、最初の50日は片道。1日目は大峰山頂まで行って、そこの宿坊に一泊して次の日に帰ってくる。そして後半の50日は本番と同じ一晩で往復し、千日回峰に算入される。百日回峰行で試される。
毎日、滝で身を清めてから午前0時半に出発。(スタート時点で気温は3℃位。そして山頂は吹雪の時も。また奈良は5月中旬には30℃の時も。よって5~6時間の間で、30℃の温度差と、千メートル以上の標高差を体験する)
そこから真っ暗な山道を提灯ひとつで登っていく。午前8時半頃に山頂に到着。そして早い昼食。山頂で食べるのは、胃が弱っているのでお握り二つと水だけ。それから下りて、午後3時半頃に蔵王堂に帰ってくる。1日の睡眠時間は4~5時間。
ピンチは何度もあり、490日目からの10日間は下痢が止まらず、熱が39℃に上がり、何を食べても2時間位で出てしまう。それで水だけを飲んだ。それでも行く・・・。10日間で11K痩せた・・・・。(終わらないので、追って続きを書きます

今日の話は、内容的には前のNHKの番組と同様だが、何せ『生の声(講演)を聞きに行った』というのは、実は自分にとって初めの体験?であり、画期的な出来事なのである・・・・。
そして『なぜ行をするのか・・・。誰からも頼まれないのに、何のために・・・』を、もう少し知りたくなって、講演の終わった後に、場外で即売していた「大峯千日回峰行―修験道の荒行」という本を買ってしまった。(帰りの電車の中から読んでいるが、何か魅せられて来た・・・?)

最後の質疑応答での下記のようなお話が、印象に残った。
今後、仏教界にどの様な一石を投じるのですか?という質問があったが、そんなつもりは全く無く、自分の道を淡々と歩むだけだと答えた。しかし最近夢が出来た。年を取って死んで、あの世に行った時に、あの世のたくさんの魂の皆さんに、心を込めて何か良いお話が出来ると良いな・・・・と

(関連記事)
大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(2)

大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(3)

|

« 「小鳩くるみ」が歌う童謡 | トップページ | 大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(2) »

コメント

テレビで聞いたこの人の話は迫力がありました。続編を期待します。

投稿: 志村建世 | 2007年9月16日 (日) 15:01

志村さん

しかし凡人には、誰からも頼まれないのにこれだけの苦行をする気持が、なかなか理解できません。

投稿: エムズの片割れ | 2007年9月17日 (月) 11:39

初めまして。
今朝、竹村健一さんの「世相ホットライン」(文化放送)で塩沼さんのお話を聴いてネットで検索してこちらに来ました。
千日回峰はまだ二人しか成し遂げた人がいない、ということを聴いて、たしか前にも千日回峰の話を読んだことがある、と思いましたが、それはこちらにも書いてあった酒井師のことでした。いろいろな峰で行なわれている修行なのですね。
塩沼さんは23歳から行を始められた、ということでしたが、正直言って若すぎるのでは、と思いました。これは相当に修行をして最後の最後にやるべきものではないでしょうか。
それにしても常人には出来ない、すごいことであるのは確かだと思います。

投稿: 剛力 | 2008年7月27日 (日) 12:03

剛力 さん

コメントありがとうございます。
先日、NHKラジオ深夜便で酒井雄哉大阿闍梨のお話がありましたが、二回の千日回峰行を成し遂げて、「何か変わったか?」と聞かれるが、いつも「何も変わらない」と答えていると、言っていました。
この言葉をどう捉えたら良いのでしょうね・・?

投稿: エムズの片割れ | 2008年7月27日 (日) 23:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(1):

« 「小鳩くるみ」が歌う童謡 | トップページ | 大峰千日回峰行の塩沼亮潤氏の講演を聞いた(2) »