吉永小百合が朗読する「人間をかえせ」
NHK TVで「吉永小百合 言葉で平和を紡ぎたい -思いを受け継ぐ子どもたちへ-」という番組をやっていた。(2007/8/9 PM10:00~10:50)
吉永小百合さんが、21年に亘って続けているという原爆詩の朗読会。その最初に必ず朗 読するのが、この峠三吉の詩だという。
この番組で、吉永さんのその朗読を聞きながら、ゾッとするほどの戦慄を覚えた。吉永さんの優しい人柄(顔)からは信じられないような「凄み」のある言葉・声だ。特に後半の英語での朗読を、米国を思い浮かべながら聞くと、そこには『二度と許さない』という吉永さんの固い信念が滲み出ているような・・・・
すこし聞いてみよう。07年8月9日PM10時からNHKで放送されたものの一部である。
「にんげんをかえせ」 峠三吉
『序』
ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせわたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせにんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせGive me back my father
Give me back my mother
Give me back my grandparents
Give me back my childrenGive me back myself
Give me back my peopleAs long as men live in this world
Immutable peace
Bring back peace
そして、ナレーターを聞くと、吉永さんの原爆、戦争への祈りが良く分かる。(写真はクリックで拡大)
「吉永さんはこれまで公民館や学校の体育館など、どんな小さな集まりでも足を運び、原爆詩の朗読で平和の尊さを訴えてきました。次の世代を担う子供達へ、その想いを伝えたいと、語り続けてきました。かつて吉永さんの朗読を聞いた子供達は大人になり、それぞれの道を歩み始めています。そして吉永さんの想いを、また次の世代へ語り継ごうとしています。原爆の恐ろしさを体験した人から話を聞こうとする若者は、平和の願いを伝えることを誓いました。・・・・
言葉で平和を紡ぎたい。この想いを受け継ぐ子供達へ未来を託し、朗読に賭ける吉永小百合さんの姿を描きます。
・・・・・・・
吉永さんが朗読会で必ず最初に読むのは、広島で被爆した詩人 峠三吉の代表作『序』。わずか8行の詩に、怒りや強く生きる意志が込められています。外国人にも分かって欲しいという思いで、英語でも朗読することにしました」
この番組のキーワードは「戦争の恐ろしさを、子供達に受け継ぐ」という事。
先日見た映画「ひめゆり」でも、戦後62年を経て80歳を超えようとしている「ひめゆり学徒隊」の生存者の人達が、自分たちの体験を後世に伝えねば・・・、という重たい思いから、悲惨な過去を語り伝えていた。
この番組を見て、今更ながら「後世に伝える」「子供達に未来を託す」という事が、何よりも大切だという事を認識した。
終戦の8月15日も近い。我々は今一度、二度と戦争という過ちを起こさない為に、自分達の行動を再確認してみる必要があるかも知れない。
(我々団塊の世代は戦争を知らない。だから子供達にも、必ずしも戦争を語っては来なかった。そして今から語ろうにも、既に三十路近い我が息子どもは当然聞く耳を持たないだろうし・・・。我が教育は欠陥だったかも・・・・?)
(関係記事)
「峠三吉「人間をかえせ」のレコードを聴いた」
「沖縄戦の映画「ひめゆり」を見た」
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