有山麻衣子の「幻のコンサート」のCD
有山麻衣子の「幻のコンサート」というCDを手に入れて聞いた。そして唸った・・。なるほど・・・と。
先日、本blogの“塩野雅子の童謡「花かげ」”という記事を読んで下さった“あいちゃん”さんから「有山麻衣子さんの歌も、塩野さんの「花かげ」と優劣つけがたい清らかな心を洗われるような名唱だ」というコメントを頂きました。まったく知らなかったのですが、NETで見ると良さそう・・・。早速HMVにこのCDを注文したら2日で着いて、今日その声を聞いた・・・・というワケ。なるほど・・・。
ちょっとサワリを聞いてみよう。
<有山麻衣子「幻のコンサート」より「花かげ」>
「花かげ」
作詞:大村主計
作曲:豊田義一十五夜お月さま ひとりぼち
桜吹雪の 花かげに
花嫁すがたの おねえさま
くるまにゆられて ゆきました十五夜お月さま 見てたでしょう
桜吹雪の 花かげに
花嫁すがたの ねえさまと
お別れおしんで 泣きました十五夜お月さま ひとりぼち
桜吹雪の 花かげに
遠いお里の おねえさま
わたしはひとりに なりました
この透き通った声を聞いて、まず思い出したのが、本blogの『八洲秀章の「毬藻の歌」』にアップしてある「プラハ少年少女合唱団」の歌声、そして『プロ歌手とアマ歌手との境目(& Amazing Grace)』にアップした「幻のアマ歌手(仮称:関口泰子)」の声である。(自サイトのPRでスミマセン)
有山さんは跡見学園女子大の合唱団で活躍し、今はOL。この合唱団の常任指揮者をつとめた宇野功芳氏(有名な音楽評論家・合唱指揮者)が発掘し、育てた人だという。
そして、本人は「プロにはなりたくない」との事。よってプロの発声訓練は受けていない。だから声がナチュラル。ビブラートも無い。しかし、まさに「天使の歌声」で、その透き通った声は素晴らしい・・・・
しかし、この様なCDは珍しい。CDに定価も書いていない。1年前の2006年7月5日発売らしいが、かなりマイナーなCDなのだろう。
そして、“このCDは録音が素晴らしい”との評価なので緊張して掛けたが、まずボーという低音ノイズにビックリ。まさに昔、アナログのレコード(LP)にピックアップを落とした時のノイズに似ている。そしてガタンといった雑音・・・
しかし、解説書を読んで納得した。この録音は2006年3月18日に、ムラマツ・リサイタルホール新大阪(定員250人)で、最も良い録音の為に聴衆を70人に絞って録音したものだという。そうか、ライブ録音だったのだ・・・。
そして、低音のノイズはビルの空調の音だそうで、会場の空調は切れてもビルの空調まではムリ・・・。だから、まさに全てが録音されている。しかもその低音ノイズをカットすることは簡単だが、演奏の細かいニュアンスを記録するためにそのままにしたという。
まさに録音のための一度だけの「幻のコンサート」をそのまま記録しているCDである。確かにメジャーなCDとしては位置付けることは難しいのかも知れない。
でもこれを機会に、鮫島有美子の「日本のうた」のように、有山さんにもぜひ色々な日本の懐かしい歌を「日本の文化を残す」という位置付けで歌って欲しいものである。
前に「プロ歌手とアマ歌手との境目(& Amazing Grace)」という記事を書いたが、このCDを聞いて、また「プロ歌手とアマ歌手の違い」を考えてしまった。
宇野氏も解説の中で言っているように「声の訓練を日常受けつづけるプロの歌手には、絶対こんな声は出ない」・・・・。(コンサートでは、独唱会にもかかわらず宇野功芳氏が指揮をしている)
だから“人の心を打つ”のは、プロもアマも無い・・・・。
前のblogで「Amazing Grace」を歌っているアマ歌手さんも、もしかするとそれなりの指導を受けると、世に評価されないとも限らないな・・・・。(もっともこのアマ歌手さんについては、自分は「声」しか知らないのだが・・・)
ともあれ、blogを通じて(知らない世界を教えて頂いて)世界が広がる事を実感した。
“あいちゃん”さん、ありがとう。
| 0
コメント
エムズの片割れさん、はじめまして。有山さんの歌をずっと聴いてきている者です。大学を卒業したばかりの頃は随分下手くそでとてもソロで歌うなど考えられなかったのですが、現在は上手くなったと思います。ただ、若い頃ならではの歌声でもあり、その魅力が今後失われはしないか心配しております。
他にもいい歌を沢山歌っておりまして、例えば十八番の「みかんの花咲く丘」を歌ったCDも出ておりますので、聴いて頂ければ幸いです。
投稿: trefoglinefan | 2007年9月 1日 (土) 20:25
trefoglinefan さん
そうですか。有川さんのCDは、NETで探す限り見つかりませんが、入手方法が分かったら教えて下さい。
しかし、アマ歌手ならではの魅力もありますよね。
投稿: エムズの片割れ | 2007年9月 2日 (日) 22:01
エムズの片割れさん、有山さんの「みかんの花咲く丘」は拙ブログ6月24日の記事をご覧下さい。また有山さんの所属する合唱団「アンサンブル・フィオレッティ」や跡見学園のCDは6月2日の記事をご覧下さい。合唱曲のなかで何曲か有山さんがソロでも歌っています。
投稿: trefoglinefan | 2007年9月 3日 (月) 23:22