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2007年8月26日 (日)

プロ歌手とアマ歌手との境目(& Amazing Grace)

今日は、Amazing Graceと、それを歌う歌手についてのお話である。
まず3人の歌手の歌っている「Amazing Grace」を聞いて欲しい。

(A)関口泰子(仮) ~ナゾの新人歌手。これからデビューするかも知れない(いや多分しないだろう)アマチュア界の大御所??

(B)鮎川麻弥 ~シンガーソングライター。アニメ『重戦機エルガイム』を歌ってアニソン歌手として有名になった後、コーラスグループJIVEに参加。(「Amazing Grace」より)

(C)白鳥英美子 言うまでもない元トワエ・モアの大ベテラン。「Amazing Grace」より)

さて、世の中には自称プロも含めて幾多の“プロ歌手”が存在するが、プロ歌手とアマ歌手との『境目』は何なのだろう・・・?

先日、ひょんな事から非常に綺麗な透き通った声を聞いた。(A)関口泰子の声である。
この歌を聞いたとき、これは良いと思った。録音も良い。(また、この音を“和室で録った”というのを聞いて二度ビックリ・・・。この録音担当の友人もプロ並だな~)
白鳥英美子は別格として、自分には、どうしても(B)鮎川麻弥より(A)関口泰子の方が上手に聞こえる・・・。
そこで考えてしまった・・・。プロ歌手とアマ歌手との違いは何なのだろう・・・と。
特に女性歌手の場合は、スタイルが良いとかいう別の視点も関係して来るのかも知れない。
しかし上記のような(実力が出てしまう)ア・カペラの歌を聞くと、少なくても歌(&声)そのものでは、プロもアマもそれほど違わないのではないかと思ってきた。
それでは、何がその境を隔てるのか・・? 「歌」との巡り会いか? シンガーソングライターだと、『その時代』とのマッチングか?(そう言えば、井上揚水は今でも良く見るが、昔良く聞いた五輪真弓は、最近見なくなったな~・・・)

その答は「オーラ」かも知れない。つまり、世の中に歌の上手な人はたくさん居るのだろう。しかし、自分の努力や人的な操作では如何ともし難い天性の『何か』を持っている人だけしか、プロ歌手として生き残らない・・・??
(確かに山口百恵にはオーラがあったな。最初の頃は、歌は下手だったが「オーラ」が・・・)

話が脱線して申し訳ないが、昨日(07/8/2)の朝日新聞の付録(e1ページ)に、シューベルトの恋の記事が載っていた。それによると、シューベルトは、父親が音楽家になることに強く反対した為、師範学校に行って、一旦は言われた通りの教員になったが、3年で教員を辞めて作曲家になったという。その時に恋していたテレーゼは、親がシューベルトとの結婚を許さず、結局パン屋の親方に嫁いだという。親は、当時作曲家は定職とは認められておらず、経済的に不安定な所に、娘を嫁がせる訳にはいかなかったのだろう・・・。と書いてあった。

つまり、作曲家・音楽家は、後世にどの様に評価されようが、生きている当時は、経済的に不安定なため、とかく不遇になる。
現代の音楽家(ミュージシャン)も、真に生活の事を考えると、なかなかプロとしてやっていくのは大変らしい。音楽だけでなく、芸術の世界は全てそうだ、文学の世界も・・・
つまり「努力以外の何か」が関係する世界は大変だと言うことだ。そしてそれは(他人が評価する)「オーラ」。(仏教で言ういわゆる「苦(自分の思うがままにならない)」だな・・・。その点、サラリーマンは努力がある程度戻ってくるから楽だ・・・)

この「プロっぽいアマ歌手」が、自分の持っている「歌」を、自分の人生でどう活かして行くか分からないが、実に羨ましい・・・。“人に無い何か”を持っているというだけで・・・。

まったく視点を変えると、自分も(周囲が迷惑なので)歌わなくなってから久しいが、もしこんな声の持ち主が娘に居たら、今頃一緒にカラオケなんかに行っていたかもね・・・・!
(ウチは昔、カミさんが「娘を産む」と言って、間違って(!)息子を産んでしまったので関係ないけど・・・)

(付録1)
今朝、カミさんとAmazing Graceについて雑談していたら、「Amazing Grace」という名前も、「ア・カペラ」という言葉も知っているという。(実は自分は、旋律は知っていたが、この曲名は知らなかったのだ・・・)
しかも、前に、知人が教会での母親の葬儀の時に、教会の歌手が「Amazing Grace」を歌ってくれて心に滲みた・・・という話をしていた。そう言えばだいぶん前に「私もクリスチャンになろうか・・・」ナンテいう話をしていたな・・・。(音楽については自分の方が数段上、と思っていたが、ガックリ・・)

(付録2)
Amazing Graceとは「驚くべき恵み/素晴らしい恩寵」という意味で、この歌の曲と歌詞は別々に出来たという。歌詞は18世紀のイギリスの牧師ジョン・ニュートンの作。1779年に出版された「オールニー賛美歌集」という本に収められた詩のひとつが、後に「アメイジング・グレイス」の歌詞になった。
メロディーの由来ははっきりしていないが、アイルランド等からアメリカに移民した人が歌っていた民謡だったらしい。1831年に賛美歌集「ヴァージニア・ハーモニー」に「ニュー・ブリテン」というタイトルで登場したのが最古。このメロディーに、いつしかニュートンの歌詞があてられた。やがてこの歌は、アメリカ南部の農場で奴隷として働かされていた人たちへ伝わり、名高いスピリチュアル(アメリカの宗教的民衆歌)として愛唱されるようになった。(
CD「Amazing Grace」のパンフより)


Amazing Grace
(驚くべき恵み/素晴らしい恩寵)

アメイジング・グレース その素晴らしき響き
私の様な者にまで 救いの手を差し伸べる
罪深きさまよい子だった私は 今はおそばに
盲いていた目は 今や見える様に

大いなる愛が 畏れ敬う事を悟し
また無益な恐れから解き放ってくれた
信じる事を始めたその瞬間に
尊い愛は私を包み込んでくれた

数多くの危難や苦しみ 誘惑から
この愛が私をここまで導き
そうしてその愛の力で
私を家へと帰り着かせ給う

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コメント

Bの鮎川さんの方が上手です。
Aの関口さんはファルセットで歌ってらっしゃるので上手に聞こえますが、女性で歌をやってらっしゃる方ならなら分かる戸思いますが、鮎川さんのように地声で上手に聞こえさせる方がはるかに難しいです。
鮎川さんの方はまだ全然声域に余裕がありますからkeyを上げて同じようにファルセットで歌えばおそらくずっと上手です。
逆に関口さんのkeyを下げて地声の出る範囲に制限したら、鮎川さんほど上手に歌えないと思いますよ。
古い投稿にコメントしてすいません。ちょっと自称プロ歌手を調べていたらたまたまヒットしたので。

投稿: せみ | 2010年3月 7日 (日) 03:53

せみ さん

いやいや古い記事にありがとうございます。
そうですか。裏声でしたか・・・。あまり研究もせずに、単に聞いた印象で書きましたが、その道の人が聞くと、色々分かるものですね。勉強になりました。

投稿: エムズの片割れ | 2010年3月 7日 (日) 20:59

プロの歌手とアマの歌手との違いですか?プロはお金をとって歌を聴かせる人。アマは歌を聴かせるためにお金を払う人。これは冗談ですけれど、阿川弘之「米内光政」にこんなお話が出ています。「玄人芸と素人芸の知っているかね?これは上手下手の違いじゃないんだよ。玄人芸というものは、安く仕入れて高く売る。素人芸は高く仕入れてタダで売る。いや、景品つきで売る。今から私が変な声を聞かせるけど、その代り今夜の酒も御馳走も芸者の玉代もみんな私持ちだ」(米内内閣の商工大臣藤原銀次郎の話)。言い得て妙ではありませんか!アマとプロの違いというといつもこの話を思い出します。ところで、Amazing Graceは昔からたくさんの歌手が歌っている曲ですが、この曲が「白い巨塔」(2003-4年の唐沢寿明主演のフジテレビドラマ)のクロージング曲として使われてから、この曲を聴くと白い巨塔をどうしても思い出してしまいます。この中でこの曲を歌っていたのはヘイリー・ウェステラです(↓)
http://www.youtube.com/watch?v=c-LuchVEuvE
野心を抱きながら、志半ばで倒れた男への鎮魂歌として歌われているのでしょうね!

【エムズの片割れより】
なるほど・・・。確かにごもっとも・・・
しかしア・カペラは難しいですね。誤魔化しようがない・・・。

投稿: KeiichiKoda | 2013年6月 5日 (水) 10:19

上のコメントへの追記です。昨日の日経の夕刊にヘイリー・ウェステンラの記事が出ていましたね。彼女はニュージランドのクライストチャーチの出身で、「クライストチャーチの(2011年の地震の)の追悼式典ではウィリアム(英)王子が見守る中で「アメイジング・グレイス」を歌って国民を勇気づけた」とあります。2011年のニュージランドを襲った大地震ではクライストチャーチにいたたくさんの日本人語学研修生が犠牲になったことは記憶に新しいところです。なお、ウィリアム王子の名前が出ているのは、王子の第1子誕生にささげた新曲で、ヘイリーが話題になっているからです。

【エムズの片割れより】
そうですか・・・

投稿: KeiichiKoda | 2013年8月20日 (火) 07:38

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