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2007年8月29日 (水)

朝日俊彦の「笑って死ぬために」(2)~朝日氏の語録

昨日の「朝日俊彦の「笑って死ぬために」(1)~死生観が変わった」(ここ)「の続きである。
今日は、色々なところから拾った朝日俊彦氏の語録である。

探すと、色々なHPに朝日氏の言葉(講演記録)が載っている。

「心のカウンセリング基金」朝日俊彦医師メッセージここ
日本尊厳死協会での講演記録ここ
全国難聴者の集い(琴平 2003年4月講演)ここ

そのうち、「全国難聴者の集い」での講演で、次のような事を言っている。この話は、氏の「笑って死ぬために」(これ)という本にも載っている(P136)。この本に載っている講演記録は1991年なので、これは氏の“いつもの話”らしい。でも病気を“おちょくって”いるようで、少し気になった。

「日本人の3大死因は癌、脳卒中、心臓病の3つで75%を占めます。皆さんはどの病気で死にたいですか?人気があるのは「心臓病」「脳卒中」「がん」の順になります。一方誰もが「家族に見守られて息を引き取りたい。」「家族に迷惑をかけずに死にたい。」「呆けずに死にたい。」を希望します。
がんで死ぬのも悪くない。「心臓病」はぽっくり逝く可能性が高いですが、家族と別れの挨拶もできませんので、家族の嘆きはひとしおです。「脳卒中」は一歩間違うと何年も半身不随や痴呆状態が続きますので、家族の負担は大変です。その点「がん」は必ず3か月で往生でき、家族の看病疲れが出始める時期になり、自分も身辺の整理をするのに丁度よい加減の期間です。
「がん」は恐ろしい病気、不幸な病気と思われていますが、手術や放射線治療で根治することもあり、駄目と分かっても、痛みや苦しみは麻薬など鎮痛剤で押さえることができるので、むしろ「がん」になれば喜ぶべきなのです。」

次に、昨日のblogで書いたが、自分が朝日氏を知るきっかけとなった、NHK教育で(07年)8月26日の朝5時に放送された「こころの時代~大往生のすすめ」(これ)という番組の中で、気になった所を文字にしてみた。(音声のZIPファイルは下記にあり)

・「家族の事とか考えないで自分の事ばかり考えている人は、体の具合が悪くなるにつれて悔やみ方が強い。逆に周りの人に気遣っている人というのは、自分の事はさておいて、という所があるので、弱って行ってもうろたえることなく(死を)受け入れている。」
・「人生を見直す。自分史を書くとどれだけ両親の愛を受けたかに気が付き、残りの時間で何かお返しが出来ないかという気持になる。そうすると残された時間を充実して送れる」
・「(余命1ヶ月の時でも)過去、現在、未来というふうに、未来があるのだという事に気が付いて貰うと、する事(宿題=生き甲斐)が出てくる。」
・「身辺整理が出来れば出来るほど落ち着いてくる。整理が出来ると次に何をしようか、過去の清算が済むと、次に何をしようかと建設的になる。無になると思うと何も出来ない。三途の川の向こう側に行ってから、(昔亡くなった)両親に会う訳なので、色々とその後の報告をしなければならない・・・とすると、色々とする事が出てくる。」
・「自分のお袋は膵臓癌で亡くなったが、自分で書いた会葬御礼ハガキの最後に『ああうれしい。両親にもうすぐ会えます』と書いていた。有終の美を飾ったと思っている」
・「亡くなるときに見事な最後を迎える方の心境は穏やかなのだろう。自分の人生に対しての満足感、周りの人に対する感謝の気持ちを持った穏やかな心境、心が揺れていたのでは難しい」
・「未亡人で一番安定していた方は、臨終の時にご主人がありがとうという感謝の言葉をキチンと言えて息を引き取られた方の奥さんは、その後の立ち直りも早く、非常に安定した生活が送れているようです」
・「感謝の気持ち。サンマを食べるときは、サンマの立場で“サンマ君ゴメンね。僕のお腹に入って血や肉になって、一緒に世のため人のためにお役に立とうやないか”と語りかけるとサンマは喜ぶと思う。しかし、焦げ目があるから発ガン性があるとか、文句ばかり言っているとサンマの立場がない。そうなると体の調子が良くなるのは難しい。全ては練習。自分の体にもご苦労さんという気持で行くと、体調が悪くなったときも、長い間ご苦労さんという気持になる。日常考えていないと、文句ばかり言うようになる。感謝の気持ちで生活したい」
・「因・縁・果を考えよう」
・「八正道の練習を積んでいると、相手の立場に立ってという事が出来ると、穏やかな人生が送れる。そうなると病気になっても病気の立場に立って考えることが出来るので、その病気が自分に何を教えようとしているのか、その病気から自分はどんなことが学び取れるのか、と考えると病気に対する見方も変わってくる」
・「自分にとって何が一番大事か、というのを見つけておく。残りの時間が限られてくると、短い時間の中で自分は何を集中してやらないといけないか、これだけはやらないと死んでも死にきれない、という事になる。しかし、それが出来るので満足感が出る。」
・「日野原先生とアメリカのホスピスに行ったとき、あと1週間持つか持たないか分からない痩せたご婦人が、僕たちにニコニコ笑顔をくれながら、“I am happy”と言われた。この言葉には感激した。日本でも多くの人が、この様な状況で皆さんとお別れが出来るのが理想なんだろうと思う。そういう方向に、どうすれば行けるかが僕の大きな課題だ 」

「笑って死ぬために」という本をそろそろ読み終わるので、朝日氏の他の本も見てみようと、今日会社の帰りに東京駅八重洲ブックセンターに久しぶりに行ってみた。本の検索端末が見当たらないので店員さんに聞くと、探してくれたが同じ本が1冊あっただけ。oazoの丸善と同じだ。朝日さんは、本の世界ではあまり有名ではないのかな?
仕方がないので、amazonで「笑って大往生」という本と、「あなたは笑って大往生できますか」という本を注文してしまった。

自分は昔、ある作者に凝るとその人の本を“ねこそぎ”読むクセがあった。高校の時は、漱石、武者小路実篤、山本有三、石川達三等を根こそぎ読んだ。
それと同じで、今回は朝日俊彦氏の本を読んでみるか・・・・。たぶん言っていることは一貫して同じだとは思うが・・・

でも少し心が軽くなった・・・?
もし将来、自分がガン告知をされた時は、朝日氏の本をまず読み返そう・・・

(でも自分は卒中のような気がするな~。80だった祖母は、東京に歌舞伎を見に行って、泊まっていた知人宅で、卒中でその日に亡くなったし、親父は同じ80才で麻雀をやりながら、脳出血で次の日に亡くなった・・・。しかし、自分の日頃の“心掛け”からすると、この様な人が羨む死に方が出来るとは到底思えない・・・。挽回はもう間に合わないだろうから、まあカミさんが逃げないように、ベッドの中からカミさんの“袖を引っ張って離さない”指の訓練!でもしておこうか・・・)

(関係記事)
朝日俊彦の「笑って死ぬために」(1)~死生観が変わった
「がんになって教えられたこと」~医師 朝日俊彦氏の話

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