障害者自立支援法を考える(2)~その問題点と顛末
悪法と名高い「障害者自立支援法」。素直に勉強する意味で、Googleで「自立支援法 問題点」と入れて検索してみた。検索結果は124万件。上から順に見て行き、その問題点を自分なりに整理してみた。
<障害者自立支援法と、その問題点>
1)障害者自立支援法は、これまでの育成医療・更生医療・精神障害者通院公費の三つの公費負担医療制度に替わる新たな制度である。
2)立法化の最大の狙いは、「財源不足を補う」こと。
3)その為に従来の「応能負担(所得状況に応じた費用徴収方式)」から「応益負担(医療費の1割の定率負担)」に変更。入院時の食費も自己負担に。その結果、施設利用者の大幅な負担増。
4)その結果、知的障害者が通う作業所の利用料も発生し(月1~3万円の負担:給食代含む)、作業所で働いて貰うお金よりも利用料の方が高くなり、“お金を払って仕事をする”という逆転現象も発生。その結果、働く意欲を無くし、利用料負担に耐えられず施設の利用を断念するケース(家への“引きこもり”に逆戻り)が続出。
5)また施設の報酬単価の切り下げにより、施設の収入は1~2割減(4.6割減という例もあり)。経営難から施設存続の危機。~職員の賃金カット、利用者へのサービスの低下。
6)利用者、施設からの悲鳴を背景に、政府は07年3月に「障害者自立支援法円滑施行特別対策」としてH20年度までに1200億円を予算計上。内容は「利用者負担の更なる軽減:H19/20年度で240億円」「事業者に対する激変緩和措置:H18年度補正予算300億円」「新法への移行等のための緊急的な経過措置H18年度補正予算660億円」。
7)3年後の見直し(H21年)に向けて、引き続き検討継続。
簡単に言うと、どうもこういう事らしい・・・(自分の勝手な解釈だが・・・)
自分が思うに、この法律で一番欠けていたのが「障害者をも、一般の競争世界に投げ込んだ」ということ。つまり、“受益者負担”という考え方を、社会的弱者の障害者に対しても、健常者と同じように一方的に押し付けたという事。
前に自分のblogでも書いた通り、“97人のラッキーな健常者が3人の障害者の面倒を見る”という考え方に立てば、この様な法律は作らなかったはずだ。(ほとんど審議されないで採決されたとも聞くので、与党自民党というより事務方である厚生労働省の良識を疑う・・・)
そもそも“障害者が受益を受ける・・・”という感覚ではなく、社会(国)全体が障害者を扶養する義務があるのだ。
従って、このように人間として、してはいけない法律を作ったから、施行後1年も経たないうちに修正が必要になったのだろう。
政府の経費削減策は結構だが、本当に削減しなければいけないものと、逆に削減してはいけないものをキチンと区別して、メリハリのある政治をして欲しいものである。
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