地球温暖化を考える(2)~その基礎知識
今日(07/8/16)、埼玉(熊谷)、岐阜(多治見)で最高気温40.9℃を記録し、1933年7月に山形で記録した40.8℃の過去最高記録を、74年ぶりに更新したという。
先日、「不都合な真実」という映画を見て、少し地球温暖化について考えたが、実は自分は地球温暖化について、新聞の断片情報以外、殆ど何も知らないのだ。
今日、部屋の掃除をしていたら、日経ビジネスの付録の「特別版 ポスト京都議定書の行方(2007/7/30号)」を見つけた。ここに、地球温暖化についての基礎知識の記事があり、自分も「なるほど」と頷いたので、参考に一部を引用してみる。
Q1)温暖化問題が始まったのはいつ?
・CO2が温室効果を持つこと自体は19世紀から知られており、1896年にスウェーデンの物理・化学者アレニウスが、CO2の濃度が倍増(2倍)すると地球の平均気温が5~6℃上がると試算した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書では、この数字を「2~4.5℃である可能性が高い」としており、最新の知見と比べてもそう離れていない。
・気候変動の事実が観測されたのは、1960年米国の気象学者キーリングが南極点をハワイのマウナロア山のCO2濃度を分析し、大気中のCO2濃度が上がっている事を明らかにした。
・その後、コンピュータ能力が上がった事もあり、日本の気象学者の真鍋淑郎らが、CO2が倍増すると約3.5℃気温が上がると試算した。
Q2)温室効果の仕組みは?
・地球が温暖な気候に保たれているのは、大気中に「温室効果ガス(温暖化ガス)」が含まれているからだ。現在の地球の平均気温は約15℃。ところが、温室効果ガスがなかったとすると、-18℃程度の極寒の星になることが分かっている。
・地表面は太陽光で温められているが、同時に宇宙に向けて熱(赤外線)を逃がしている。温室効果ガスはこの赤外線を吸収し、その一部を下向きに放出するため、地表や大気に熱がたまる。
・分子が赤外線のエネルギーを吸収したり放出したりするには、分子を構成する原子同士が一定の法則で揺れ動いている必要がある。そのためには、3つ以上の原子、もしくは異なる2種類以上の原子が結び付いた構造でなければならない。ところが、大気中に多量に存在する窒素(N2、大気の78%)や酸素(O2、同21%)は2つの同じ原子で出来ているため、温室効果を持たない。
・実は、最大の温室効果をもたらしている気体は水蒸気(H2O)である。ただし、水蒸気は人間の活動によって直接増えることはないので、気候変動の原因とは考えられていない。
・IPCCの第4次報告書によれば、人為起源の物質による温室効果のうち、6割程度がCO2、2割程度がメタン(CH4)、残りが一酸化二窒素(N2O)や代替フロンなどとなっている。
・温室効果の強さ(100年間)では、CO2に比べて、メタンは25倍、N2Oは298倍、これらと同様に京都議定書の削減対象になっている六フッ化硫黄(SF6)に至っては、2万2800倍もある。ただし、排出量はCO2が圧倒的に多いため、温暖化対策上はCO2の削減が重視されている。
Q3)温暖化で異常気象は増えている?
・「20世紀後半に、ほとんどの陸地で暑い日の頻度が増え、気温が上昇した」可能性がかなり高く(90%超)、それが人間活動によって引き起こされた可能性が高く(66%超)、21世紀を通じてこの傾向が続くことはほぼ確実(99%超)-IPCCの第4次評価報告書はそう結論付けた。
・確かに、日本でも20世紀を通じて異常高温を観測する頻度が増えている(気象庁では「ある場所で30年に1回程度発生する現象」を異常気象と定義している)。日本では、最近30年間(1975~2004年)の異常高温の出現数は、20世紀初頭の30年間(1901~30年)の5.8倍に上る。逆に、異常低温は0.29倍に減少している。
・温暖化が進むと、日本付近では大雨の頻度が増えることが分かっている。実際、全国で大雨警報が発表される日降水量200ミリ以上の日数は約1.5倍に増えている(国内51地点での調査)。
Q4)地球の平均気温の計り方は?
・IPCC第4次評価報告書は、地球の平均気温が100年当たり0.56~0.92℃上昇していると結論付けた。
・陸上には世界でおよそ7000の気温の観測地点がある。まず地球を緯度5度、経度5度のマス目に区切る。それぞれのマスについて、その中にあるすべての観測地点の気温や海面温度の平年差(国際的には1961~90年の平均値との差)を平均して、そのマスの平年差を出す。さらに、すべてのマスの平均差を平均する。ただし、マスの面積は赤道から北(南)極点に向かうほど小さくなるので、平均する際には面積によって重み付けをする。
・こうして得た「地球全体の平均差」を時系列で比較すれば、地球の平均気温の変化が分かる。観測地点によって標高や周囲の地形などの特殊要因があるので、計測した気温の値自体は意味を持たない。知りたいのは気温の変化なので、平年差を使う。
Q5)CO2の濃度はどのように測る?
・CO2の大気中の濃度は、過去約65万年の間、180~300ppm(ppmは100万分の1)の範囲で増減を繰り返してきた。ところがIPCCの第4次評価報告書は、産業革命以前の約280ppmから2005年には379ppmに達し、「自然変動の範囲をはるかに上回っている」と結論付けた。
・現在、世界中の観測施設で測定した温室効果ガスのデータは、日本の気象庁に設置された温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)に集約され、全世界に発信されている。観測施設は67ヶ国の約340ヶ所、うち154ヶ所でCO2の濃度を測っている。日本では、与那国島や南鳥島など12ヶ所で測定している。
・測定にはCO2の温室効果を利用する。パイプに屋外で採取した空気を満たし、一方から赤外線を照射する。CO2は赤外線を吸収するので、筒の反対側で赤外線がどれだけ弱まったかを測る。
・大気の観測が始まる以前のCO2濃度は、南極などにある厚さ3Kmにも達する氷床をボーリングして調べる。氷の中に閉じ込められた空気を調べることで、過去のCO2濃度が分かる。
「地球温暖化」「京都議定書」・・・。実は言葉だけしか知らない・・・・
これを機に、少し地球温暖化について調べてみることにしたい。
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