朝日俊彦の「笑って死ぬために」(1)~死生観が変わった
自分の死生観に、これほど影響を与えるものは今まで無かったかも・・・・。
NHK教育で、2007年8月26日の朝5時に放送された「こころの時代~大往生のすすめ 死は終わりではない 医師…朝日俊彦」(初放送2007年2月4日~音声のみ下記)を見て、大変なショックを受けた。まさに自分の死生観が変わるほど・・・?
<「大往生のすすめ 死は終わりではない 医師…朝日俊彦>
朝日氏の指摘通り、実は、自分は今まで「死」の事を考えるのを避けていた。逃げていた。 何故か? 怖いから・・・。
死は自分にとっては他人事。自分だけは「永遠に生きる」前提で毎日を暮らしている・・・。
しかし、この番組を見て何かが変わりそうだ・・・。死と向き合う勇気が出るかも・・!?
「朝日俊彦」をキーワードにネットで調べてみると色々と本も出している。早速会社の帰りに丸の内のOAZOに寄って「笑って死ぬために~スピリチュアルケアとは」(これ)という本を買ってきてしまった。
また同じ「笑って死ぬために」というサイトがあり、ここにその朝日俊彦の著書「笑って死ぬために」の最初の44ページ分(総論)がそのまま載っている。(下記にリンク~ぜひ読んで欲しい)
「笑って死ぬために」朝日俊彦著(ここ)
死ぬということについて学んでみませんか(ここ)
死期が迫っているあなたへ(ここ)
死を間近にした人を看護しているあなたへ(ここ)
スピリチュアルケア(霊的ケア)について(ここ)
このうち、「死ぬということについて学んでみませんか」に書いてあることを要約してみると・・・
・長生きすることが幸せと錯覚しているところから不幸が始まる。
・人生の目的は「幸せに生きる」こと。つまり「穏やかな心境で日々を送れる」こと。
・それには「心が揺れない」事が必要であり、それは「知る」事で実現できる。
・人は誰でも死ぬ。死について予習(知る)しておく事で、自分にその順番が巡ってきても慌てないで(ショックを受けないで)済む。
・自分にとって本当に大事なものは何かを考える。そして、死ぬまでに(残された時間に)何をするか?
・大事なことから片付けるようにする習慣が身に付けば、いつ死んでも構わないという心境に一歩近付き、そこから生き甲斐を発見することができる。
・肉体は借り物。やがて肉体を捨てる時期が来ると、あの世へ持っていけるのは「心」だけ。
・健康は人生にとって手段であって目的ではない。人生の目的として「世のため人のためにお役に立つ」ということを実行することで、幸せはふくらみ、生き甲斐も出てくる。
・大病を患うと近い将来に死ぬことが予測され、ほとんどの人は奇跡が起きないかと期待するが、そのようなことはないと考えたほうが現実的だ。よってあらかじめ予想日を設定して、そこへ向けて進む。死んでから先をどうするかも視野に入れて考える。
・これまでの人生で、私たちは諦める練習を積んできた。そして最後に“もう少し生きたかったのにお迎えが来た”ということで諦めの仕上げをする。
・家族に向かって「それでは先に逝かせてもらうよ。長い間お世話になったね、皆も仲良くいい人生を送ってくださいね」このようなお別れがお勧め。キチッとお礼が言えると良い。
・そして奥さんは「あなたいつまでも愛しています。後からついて行きますから、いい場所があったら、取っておいてください」と言えれば最高。
・病院での延命処置は必要無い。自然の成り行きに任せると、よい臨終が迎えられる。
・今回はこれまでという諦めも肝心。いつかは死ぬのです。それを少し先延ばしにしたところで、苦しみが増えるだけ。
・死は大問題だが、死を避けるのではなく、死ぬ準備をすることで問題は解決する方向へと進む。
・残り少ない時間で何を捨てるかを真剣に考える。他人に何か与えるものがないかをさがす。そうすることで、死の恐怖が和らいでくる。きちんと準備をしておくことで安心して旅立つことができる。
・「あの世」はある。
何度も繰り返すが、自分がなるべく考えないようにしていた最大のウィークポイント、つまり「死」という課題に対して、この朝日医師の考え方を取り入れる事で、自分も少しは向き合う事が出来るかも知れないな・・・
(朝日医師は、07年3月まで香川県立中央病院 泌尿器科主任部長だったが、退職後、高松市で「あさひクリニック」(ここ)をやっている)
話が変わるが、さっきカミさんに「今までは、“もし自分がガンになっても(怖いので)自分には知らせるな”と言っていたが、やはり知らせてもらおうかな・・」と言ったら、「今の医者は、何も考えずに本人に言うよ。重いものを抱えたくないので・・」と言いやがる。全く、世の中ドライだ・・・
それに、カミさんが入っている尊厳死協会に、自分も入ろうかな・・・?
でも自分が先なら、カミさんが“延命治療はしない”と医者に掛け合えば良い訳で、まあそれはやってくれるだろう・・・。
ともあれ、この話は色々と書いて置きたいことが多い。
長くなるので、続きは明日・・・
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コメント
ご無沙汰しています。
昨日と今朝のこころの時代で朝日先生のお話が聴けました。(聴かれましたでしょうか?先生自身がガンになられたそうです)
それで、ここの記事を思い出して読み返して見ました。。ご病気をされる前からここまで突き詰めて考えていらっしゃったなんて凄いですね・・患者さんを支えるにはこれ位の覚悟が必要なのかもと思いました・・
参考になりました。ありがとうございました。
一日目をメモする前に録音を消してしまった・・けれどこれは、アンコール放送があると読んでいます(笑。
投稿: 明石のロバ | 2009年3月20日 (金) 21:47
明石のロバさん
そうですか。あわてて第一回だけ、今聞きました。
毎週、前週の録音を日曜日に携帯プレヤーにコピーして、一週間遅れで通勤途中に聞くパターンですので、この番組はまだ聴いていませんでした。
いやはやショックです。ご本人がまだ若いのにガンとは・・・。
投稿: エムズの片割れ | 2009年3月21日 (土) 00:26
郷土自慢の先生なので、ほんと長生きしてほしいです
香川には朝日先生と双璧の芳村剛先生がいらっしゃいました
岡山大学では同期で、5年前に対談されたこともありました
芳村先生は、癌を治す医者でしたので
朝日先生が通って直してもらうのが良かったのでしょうが
芳村先生のほうが先に亡くなってしまっていました
どちらにせよ、生きているうちに会っておかないと
人の巡り合わせははかないものです
縁のあるうちに
投稿: さぬきのはた | 2009年3月21日 (土) 01:58
さぬきのはたさん
コメントありがとうございます。
芳村剛先生は「あきらめるな!末期ガン」という本を書かれているのですね。まだお若いのに残念ですね・・・
朝日先生は、声を聞く限りまだまだお元気です。先生の“胃がんクン”も先生の言う事を聞いて、必ず退散してくれるでしょうが、機会があれば先生の元気と勇気を分けてもらったら如何でしょう?
投稿: エムズの片割れ | 2009年3月22日 (日) 17:00
私は浄土真宗本願寺派の僧侶です。
先生の著書「あなたは笑って大往生できますか」を愛読し感銘しています。
僧侶の仕事とビハーラ活動をしながら書籍の内容を勝ってに活用さていただいています。
先生は多分僧侶の資格(得度)をお持ちだとおもいます。その書籍を知人に機会あるごとに紹介しています。ますますのご活躍を念じ申し上げます。
合掌
投稿: 徹照 | 2010年4月 9日 (金) 16:42
徹照さん
コメントありがとうございます。
朝日先生は、本当にもっともっと活躍して欲しかったですね。もう亡くなられてから4ヶ月・・・・
「ビハーラ活動」という言葉を初めて知りました。自分もそれについて勉強してみます。
投稿: エムズの片割れ | 2010年4月10日 (土) 21:59
エズムの片割れ さん
お元気でいらっしゃいますか?
終末期医療、緩和ケア、ホスピス、スピリチュアリズムなどに 20代の後半から関心があった者です。
今から約20年ほど前 香川県に嫁に来て間も無くの事でした。
私の関心の向く方向に朝日先生がいらっしゃいましたので 講演会、勉強会などで自然と朝日先生と顔を合わせる機会が多くなりました。
先生は、とても気さくなお人柄で 次第に直接 様々なお話を伺ったり、私の話を聴いて頂いたり という交流を持たせて頂く事が出来ました。
『あさひクリニック』開業当時、朝日先生から お声を掛けて頂いて
開業から約1年の間『あさひクリニック』で勤めさせて頂きました。
朝日先生が、旅立たれて もうじき約6年半になります。
朝日先生は いつまでたっても色褪せる事なく
心の中に 生き続けていてくれるような気がしています。
そして、生き方に悩む時 いつも優しく光の方向を指し示してくれているような気がします。
朝日先生は、物欲が無いと言うか、極端に薄いというか なんと言うか
本当に素朴で、真摯で、とにかく 目に見えない事を大事にされる先生でした。
常に 人の 心の奥底を観ようとされていたように思います。
私が いつの日か、あの世に行った時には
朝日先生に「よく頑張ったね」と
あの笑顔で言ってもらえるように
頑張って 生きていかなきゃな… と想っています。
本当に 本当に 素晴らしい先生でした。
ふと 朝日先生が 懐かしくなって こちらに立ち寄りました。
先生を褒めてくださって 有り難うございます。
先生の言葉に感動してくださった方々 有り難うございます。
これからも『和顔愛語』で
生きていこうと想います。
有り難うございました。 感謝。
【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。朝日先生の関係者からコメント頂けるとは、感激です。
もう6年半ですね。「あさひクリニック」のサイトを覗いたら、順調に診療されているようですね。
それにしても63才での他界は残念・・・!
投稿: 澄江 | 2016年5月10日 (火) 16:08