映画「ホテル・ルワンダ」の重たいテーマ
ひょんな事から映画「ホテル・ルワンダ」を見た。しかし重いテ-マなので考えさせられた。
「シンドラーのリスト」と同じく、一般の人が機転によって多くの人を戦禍から救うという物語。と言うより、事実の再現映画である。100日間で100万人が虐殺されたという内戦・・・
この映画は、(自分は知らなかったが)カミさんに言わせると、『日本で公開の予定が無かったのを署名運動で公開されることになった、話題の多い映画だった』とか・・・。この経緯は公式HPにも載っている。
主人公ポール(実在の人物)は4つ星ホテルの支配人として、自分の家族を助けたいという一念から家族をホテルに匿ったが、やがて自分達だけで逃げてはいけないと気付き、ホテルに逃げてきた1200人以上の人達を、一緒にホテル内にかくまい、虐殺から救った・・・。
この映画の詳細は公式HPに譲るが、まず悲惨なのは、このHPのHISTORYにある、
「第1次世界大戦後、国際連盟はルワンダを戦利品としてベルギーに与えた。国家としてまとまっていたルワンダを分裂させるためにベルギーが利用したのはフツ族とツチ族の容姿の差。・・・・ほとんどのフツ族とツチ族はそれでもまだ良好な関係を保っていたが、小学生にまで人種差別の思想がたたきこまれていくうちに、かつて統一されていた国家は急激に崩壊していった。」
という記述だ。まさに「先進国の罪の深さ・・・・」。
それと、一貫して流れるのが「家族の愛」というか、「家族の団結」というか、「家族が全て」というスタンスだ。これは、(自分が平和ボケしているせいか)少し違和感を持った。
これは映画の最後で、主人公が沢山の孤児の中から姪を探すシーンがあったが、そこでも同じ感じを持った。
しかしこれは、昔の関東大震災の時に、『家族と巡り会う事しか考えなかった』という祖母の話も聞いていたので、(我々も目の前にそのような異常事態が無いのでノホホンとしているだけで)その様な異常事態に直面すると同じように動くのだろうと思う。
そしてこの映画が強く訴えているのが、「先進国(国際世論)が自分達を見捨てて、何もしてくれなかった」という事実。
映画の中でも、“撲殺しているニュース映像を流しても『可哀想ね』で終わってしまって、また食事が続いて行く・・”という場面があったが、世界の人々にとっては、自分に影響の無い世界の出来事は、所詮他人事。(仲の良かった民族をわざわざ敵対させるようにし向け、内戦に追い込んだのは先進国(ベルギー)であるのに・・・)
しかしこれには自分もドキッとした。自分も同じではないかと・・・・。(白状すると、実はルワンダという国があることも知らなかった・・・)
でもまあこれを機に、自分とは全く関係のない(そもそも、この記述がいけない!)遠い国の出来事も、「もし自分だったら・・」と、少しでも共感できる感性を持ちたいものである。
それには先ず「関心」を持つこと。これに尽きる。これはまさに、『国境なき医師団』の貫戸朋子さんが言っていた言葉と同じである。
少しでも世界の出来事(悲劇)に関心を持てば、そこから少しずつ世界が変わって行くかも知れないので・・・・。
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