藤山一郎・松田トシの「白鳥の歌」を聞いた
先日、デジタルラジオで藤山一郎の「白鳥の歌」が放送された。自分としては、この歌を、まさに50年ぶりで聞いたのである。
藤山一郎と松田トシの昭和22年(1947年)5月発売の、何と60年前のオリジナル音源である。
<藤山一郎/松田トシ「白鳥の歌」>
「白鳥の歌」
作詞 若山牧水
作曲 古関裕而
歌 藤山一郎
松田トシ白鳥は悲しからずや
空の青 海の青にも
染まず ただよういざゆかむ 行きてまだ見ぬ
山を見む このさびしさに
君は耐うるや幾山河 越えさりゆかば
さびしさの はてなむ国ぞ
きょうも旅ゆく
前に聞いたのが中学1年の時だった。英語の勉強に使うと親をだまして買って貰った松下の9980円のテープレコーダ(4.74cm/S)。
これにラジオから録音して聞いて以来、50年弱が経ってしまった。
藤山一郎のこの歌はその後ステレオでも録音されており、当然自分も持っているが、松田トシと歌ったオリジナル版はなかなか聞けなかった。(唯一CDが出てるのは分かっていたが・・・)
それがやっと放送され、手に入った・・・・。伴奏が始まると(昔録音して散々聞いた)「藤山一郎さんと松田トシさんで白鳥の歌・・・」という女声アナウンサーの声が“頭の中で”聞こえる・・・。
松田トシは、いわゆる「歌のおばさん」で有名で、子供の時は、ラジオから聞こえてくる童謡の美しい歌声に聞き惚れたものである。
しかし、この年になると、色々なことが美化されて来るようで、大嫌いだった(亡くなった)親父についても「まあ昭和35年当時の1万円は大変な金。一度だけだったが一番欲しかったテープレコーダを買ってくれたのだから、まあ許してやるか・・・」ナンテ・・・・(どっちが許すのか分からないのに・・・・)
50年弱前の、中学校の時の甘酸っぱい想い出が蘇る「白鳥の歌」ではある。
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コメント
珍しい歌声を聞かせていただきました。資料によると昭和22年ごろ東宝映画「音楽五人男」の主題歌として作曲されたとありますから、映画と同時にレコードになったのでしょう。幾山河を「いくやまかわ」として最後に歌っているのも納得できます。
この歌は「君の名は」か「鐘の鳴る丘」か、当時のラジオドラマでも、よく聞いた覚えがあります。
投稿: 志村建世 | 2007年5月29日 (火) 15:12
懐かしい音色がなんともいえませんね。
私は昭和18年生まれなんですが、白鳥の歌を聞いたのは、このサイトで初めてです
レコードのすれる音、いいですね。
ありがとうございました。
このサイトお友達にも、教えようと思います。
投稿: よっぴー | 2008年6月13日 (金) 22:50
よっぴー さん
コメントありがとうございます。
この歌を聞いてくれるのは、やはり年配者だけ・・・?
まあそれでも良いのですが、こんな歌は、今の若い人の心には入って行かないのでしょうか・・?(私は昭和22年生まれです)
投稿: エムズの片割れ | 2008年6月13日 (金) 23:02
すごいですね。よくこういうものが残ってい
ましたね。
投稿: カズ | 2009年3月12日 (木) 21:09
松田トシさんの女声、素晴らしいね!しっかり唄って藤山一郎に伍して負けてない。ブラボー!
彼女は、いわゆる「歌のおばさん」で有名だけど、声には艶もある。おばさんだなんて失礼しちゃうよね。「そりゃ、あんまりじゃわいな~!」と云われそう。・・・いま、テレビで勘三郎の金毘羅歌舞伎をやってるので、つい台詞が歌舞伎調になってしまいました。
投稿: assi | 2009年6月 6日 (土) 23:06
assi さん
松田トシさんはまさに「歌のおばさん」でしたが、何か「しっかり」の印象がありました。ふと現代のオトナの歌手は?と考えてみると、菅原洋一なんかオトナで似ていない??
投稿: エムズの片割れ | 2009年6月10日 (水) 21:44
「白鳥の歌」の楽譜もリコーダー用に作っています。古関裕而の曲は著作権があるので、無料の楽譜はネットには出ていません。曲を聴いて自分で作るしかありません。facebookで調べると幾山河をイクサンガと歌っているものも多くて違和感を覚えます。ネットではこの点でいろいろ議論があるみたいですが、藤山一郎はちゃんとイクヤマカワと歌っているので聴いていて落ち着きます。ただ、歌詞のふり方や歌い方は歌い手によってちょっと違うので歌を聴いて楽譜を作るのは手間のかかる仕事です。
【エムズの片割れより】
この歌の楽譜も下記に・・・
http://bunbun.boo.jp/okera/saso/siratori_uta.htm
この歌は、藤山一郎と松田トシ以外は、自分には合いません。オリジナルが一番!
投稿: 河南勝 | 2016年12月25日 (日) 20:49
この曲は、私の小学時代の宝物でした。4年生の時に結核が発症し、授業は午前中のみで帰宅して安静にしいる毎日でした。そんな私にはこの曲は救いだったのです。『白鳥は悲しからずや』・・・・。白鳥は悲しくて、悲しくてしかたがないのだけれども、ほんとうは、海と空の青に染まりたいのだ。と私は思っていました。
でも、私にはできないのだ。その気持ちは、どうしたわけか、今でも変わらないのですよ。
今は、もう慣れてしまいました。
【エムズの片割れより】
改めて10年前のこの記事を読むと、それまで聞いたことが無かったようで・・・
その後、この音源は、CDにもたくさん収録されていることが分かりました。
この音源は自分にとっても、大切な一曲です。
牧水の歌(歌詞)は、一つひとつ心に沁みますね。
投稿: 中野勝 | 2018年9月26日 (水) 19:14