塩野雅子の童謡「花かげ」
童謡で「花かげ」という歌がある。1931年(昭和6年)に発表されというこの歌は、有名なので色々な歌手が歌っているが、やはり塩野雅子の歌が好きだ。(なお塩野雅子さんは本名で、勝生真沙子さん(かつき まさこ1958年10月15日生)の名で活躍しているという。(ここ))
<塩野雅子「花かげ」>
「花かげ」
作詞 大村主計
作曲 豊田義一
歌 塩野雅子十五夜お月さま ひとりぼち
桜吹雪の 花かげに
花嫁すがたの おねえさま
くるまにゆられて ゆきました十五夜お月さま 見てたでしょう
桜吹雪の 花かげに
花嫁すがたの ねえさまと
お別れおしんで 泣きました十五夜お月さま ひとりぼち
桜吹雪の 花かげに
遠いお里の おねえさま
わたしはひとりに なりました
ところで、ここで言う「花かげ」とは何だ? 花の陰? 『桜吹雪の下で・・』という意味かな?
しかしこの歌は集めに集めたり、自分は9種類持っている。
(ザ・ピーナッツ、塩野雅子、加藤登紀子、芹洋子、鮫島有美子、石川さゆり、島田祐子、伴久美子、由紀さおり)その中でも、やはり塩野雅子の歌が一番良い。
(追)前に塩野雅子の「花かげ」をNHK FMで聞いて以来、そのCDを散々探したが廃盤で手に入らなかった。それがさっきネットで見たらCDが色々と出ている!(これ) 直ぐに買ってしまった・・・
欲しい時には入手できず、その後、またFMやったので今度はちゃんと録音できた・・・と思ったら、今度はCDが出る・・・。
なんとも、『いつもの世の中の動き』と同じだな~と思った。
つまり思い通りには行かないという事。~これこそ仏教でいうところの「苦」だ。(童謡の話が何で仏教に行く・・・?)
(2009/1/16追記)
こんな記事を見つけた。(ここ)
「大村主計(おおむらかずえ:1904~1980)の菩提寺は山梨県塩山の向岳寺で桜の名所です。「絵日傘」も「花かげ」も向岳寺の桜吹雪を詠ったもので、向岳寺には「花かげ」の詩碑が建立されています。末っ子だった主計は、幼い時に、向岳寺の桜吹雪の下を人力車にゆられて隣村に嫁いでゆく姉の花嫁姿を見送っており、その思い出を詠んだのが。この「花かげ」です。」とあった。
(2009/4/5追記)
桜が見ごろだという情報を得て、山梨県塩山の向嶽寺に行ってきた。境内の詩碑の説明にこうあった。これが作詞の背景のようだ。(写真はクリックで拡大~桜真っ盛りの今日、撮った写真を幾つかアップ)
「友情の石ふみ
童謡「花かげ」の詩は、郷土の詩人大村主計が二十歳の時、一夜で書き上げたという。
それは彼が少年のころ、姉はるえが嫁ぐ日、向嶽寺境内の桜並木をとおって旧大藤村へ嫁入りする後姿を涙ながらに見送った切ない想い出が脳裏に刻み込まれていたからだと言われている。
この詩は、戦前から歌われていたが、戦後、松田トシ、川田三姉妹が愛唱して全国的に知られるようになった。
昭和三十二年、この詩を顕彰して詩碑が建立され、その除幕式には、徳富蘇峰、サトウハチロー、堀内敬三等多数の文化人が参列した。・・・・」
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コメント
「花かげ」の曲にひかれて、このページに出会いました。
塩野さんのすばらしい歌声に惹かれました。
ありがとうございます。
今日、友人から有山麻衣子さんの幻のコンサートのCDを紹介され試聴してみました。
塩野さんの「花かげ」と優劣つけがたい、いずれも清らかな、心を洗われるような名唱ですね。
音声付きのブログは、もっともっと広まって良いのではと思いました。
益々のご発展を祈ります。
投稿: あいちゃん | 2007年8月29日 (水) 22:11
あいちゃん さん
貴重な情報をありがとうございます。
塩野雅子と同じような歌声とは・・・無視できません。
さっそくHMVで有山麻衣子さんのCDを見つけて注文してしまいました!!(amazonには無かった・・・)
聞くのが楽しみです・・・・
これからも教えて下さい。
投稿: エムズの片割れ | 2007年8月29日 (水) 22:52
私も「花かげ」は、大好きな姉がお嫁に行った時を想い出させる美しい曲で好きです。
塩野さんも素敵ですが、土居裕子さんの歌はその上を行く素晴らしいものではないかと期待しています。
「期待している」というのは、未だ聴いていないからです。 廃盤になっていた土居裕子さんの「叙情歌BEST」CDをようやく探し当て、まもなく手に入ります。
土居さんを知ったのは、2年ほど前のお正月にNHKが放映した叙情歌番組で、「美しき天然」を歌っているのを見たときです。
土居さんの日本語の美しい発声と、素直に美声で歌い上げる歌唱に感動し、本当にしびれました。きっと素晴らしい「花かげ」を聴けると確信しています。
投稿: タカちゃん | 2008年10月 8日 (水) 12:28
土居祐子さんのCD到着しました。
2枚組36曲の叙情歌アルバムです。
真っ先に「花かげ」を聴きました。
うむー! これは塩野さんと優劣つけがたい素晴らしい歌唱!!
塩野さんのやや甘みのある優しい声・歌唱に対し、土居さんはほんの少しの硬質感と素晴らしく透明感のある声・歌唱、といったところでしょうか。
この歌に関する限り、両者互角で優劣つけがたし、と思いました。
勿論、他の歌手から見れば日本語の発声が際立って美しい品を備えた歌唱のお二人だと思います。
投稿: タカちゃん | 2008年10月 8日 (水) 14:23
タカちゃん さん
コメントありがとうございます。しかしうらやましい・・・。
土居裕子さんの歌声は自分も大好きですが、「花かげ」は聞いたことがありません。自分が持っているのは「ゆりかご」「ローレライ」「月見草の花」「十五夜お月さん」「旅愁」だけ。
確かに「花かげ」は土居裕子さんの歌声にピッタリなのでしょうね。自分もそのうちにぜひ聞いてみたいものです。
それに、確かにNetで探してもCDが見つかりません。1992年のキング盤なのでしょうか?
投稿: エムズの片割れ | 2008年10月 8日 (水) 20:56
音源削除で残念です 聴きたいです
投稿: 乙丸朝子 | 2008年11月27日 (木) 08:48
乙丸朝子さん
ちょうどアップしました。聞いてみてください。
投稿: エムズの片割れ | 2008年11月27日 (木) 22:44
あ~、この歌ですね、聞いたことありました。いい歌ですね。初めの一小節があまりにも耳慣れてしまって、二小節目の二拍目で下に行くまで気持ちが落ち着きませんでした(*´ェ`*)
エムズさんのブログには歌の宝物が沢山詰まっていそうなので少しずつ探検させていただきます。有難うございマシタッ!!!
投稿: 乙丸朝子 | 2008年11月29日 (土) 09:50
一度で済まずに今一度、スミマセン。
荒川静香が金メダルを取ったときの曲、題名など御存知のことと思います。私は何度か聞いても覚えていません。ヤマハで調べたところ英語歌詞の楽譜しか出版されていません。これが日本語で歌われているのをお聞きになったことはございますか?
投稿: 乙丸朝子 | 2008年11月29日 (土) 10:09
乙丸さん
難しい宿題で、何とも分かりません。スミマセン。
投稿: エムズの片割れ | 2008年11月30日 (日) 21:02
はじめまして
音源が再開されて喜んでいます。
「花かげ」は、訊かれてみると難しい言葉ですね。影には姿という意味があるようです。人影、山影、影武者などの影です。月影、星影の場合は、ひかりと解釈することもできますが。
はなかげは、花陰でしょうか花影でしょうか。
荒川静香が金メダルを取ったときの曲は、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」のアリア“誰も寝てはならぬ”ではないかと思います。
投稿: 周坊 | 2008年11月30日 (日) 21:56
そうでしたね、金メダルのときは「誰も寝てはならぬ」でした。間違えました。荒川静香がいっ時よくこの曲で滑っていました、中盤「ダニーボーイ」に似た盛り上がりの曲です。日本語約が無いものかと探した時期があったものですからひょっとして御存知かと思いコメントしてみました。お騒がせ致しました。そしてご解答ありがとうございました
m(__)m
投稿: 乙丸朝子 | 2008年12月 1日 (月) 16:41
周坊 さん
コメントありがとうございます。
自分で言って何ですが、考えてみると「詩」は解釈する事自体、あまり意味が無くて、そのまま味わえば良いのかも・・・、と思ってきました。
投稿: エムズの片割れ | 2008年12月 2日 (火) 22:46
仰せのとおりだと思います。
懐かしい歌声のかずかず、楽しく聴かせて頂いております。
投稿: 周坊 | 2008年12月 3日 (水) 21:06
6月8日のNHK-FM 「にっぽんのうた 世界の歌」で塩野雅子さんの歌声が聴けるのを楽しみにしています。
投稿: 夏野 道 | 2009年6月 7日 (日) 00:07
NHKラジオ日曜散歩道のファンの一人です。
今朝山梨からの中継の一番にかけられた曲が童謡“花かげ”でした。
お姉さんに毎晩布団の中で歌ってもらった思い出をもつ妹さんの手紙が披露されました。
この曲を聴き、”来年にはお嫁に行きたい”と言いながら
ガンで逝ってしまった妹の姿が思い出され、梅雨空の雲に笑顔が映し出されているようでもありました。
世の中にかなわぬことがいくつかあります。
私には妹の花嫁姿もその一つです。
【エムズの片割れより】
歌は、聞くと色々なことが思い出されるもの。しかし楽しい思い出よりも悲しい思い出の方が、なぜ多いのでしょう?
投稿: Shinji | 2010年6月20日 (日) 12:10
この歌を、初めてレコーディングしたのは、永岡志津子です。昭和6年、ポリドールレコードから「絵日傘、こちらがA面」とともに、発売されました。
【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。そうなんですね。「親子で読んで楽しむ日本の童謡」という本で、初めて知りました。当欄にもアップしたいと思っています。ほとんど知られていない事実ですので・・。
投稿: こうちゃん | 2010年8月12日 (木) 21:06
「エムズの片割れ」様。
レコードの情報に反応があるとは! ありがとうございます。
私は、オリジナルの歌(レコード)を追究しています。 明治・大正・昭和の歌を研究しています。また、いずれのときにか、コメントします。
投稿: こうちゃん | 2010年8月14日 (土) 21:17
私の「花かげ」です。
幼い頃、2才か3才の頃、叔母さんが同居していました。
やさしい叔母さんなのでしょう、叔母さんがお嫁に行くとき、私は「行かないで」と泣いて困らせたそうです。
5年ほど前に叔母さん自身から聞きましたが、全く憶えていません。
今もその優しさは変わりません。いつまでもお元気で。(私のブログから)
「花かげ」、私の二胡演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=rS3tWiqrllw&feature=channel
小鳩くるみさんも叙情歌を歌わせたら素晴らしい。
こちらに「花かげ」ほか視聴版があります。
http://www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=VICG-5386
投稿: ひでお | 2010年9月 2日 (木) 08:15
こちらにもお邪魔します。「花かげ」のレコード、CDは色々な歌手で沢山録音されております。この曲は旋律、詩、歌手の三拍子が揃ってそれぞれに素晴らしいものになっております。そして聴く人の好みによって受け入れ方が違うと思います。私事ですみません。
安田章子のキング盤
樽谷啓子のソニー盤
が大好きで特に安田章子とひばり児童合唱団のこの曲は聴く毎に涙が出てきます。彼女が由紀さおりになる前の録音でyoutubeにも出ており、ご存知の方もいらっしゃると思います。40年以上も愛聴しております。
【エムズの片割れより】
安田章子の音源は自分も持っています。今聞いたのですが、確かに素晴らしい・・・。声が由紀さおりに近いですね。
樽谷啓子さんの歌は知りません。
投稿: 酒屋 | 2010年9月25日 (土) 20:12
はじめまして
塩野雅子さんの「花かげ」、聞かせていただきました。すばらしいです。私には、別れの寂しさの中にも春のあたたかさが感じられる名唱(編曲もすばらしい)だと思います。
ありがとうございました。
さて、花かげのことですが、よく「物陰からのぞく」とかいいますが、これと同じ表現、物を花に置き換えた、と私は解釈しています。主人公がいて、桜の木があり、月が出ている。中間にある桜の散る花びらの向こう(かげ)から見ていたでしょう、十五夜お月さま、と歌っているのだと思って聞いています。
【エムズの片割れより】
「花かげ」の解釈。なるほど・・・。情景が目に浮かびますね。
何せ自分は情緒がないもので・・・。ありがとうございます。
投稿: じじじゃり | 2012年6月29日 (金) 20:25
故・市川森一脚本のNHKスペシャルドラマ「もどり橋」の劇中で,主演の若き樋口可南子と同じく根津甚八が,花かげをデュエットしています。YouTubeで「もどり橋10-6」で検索してください。この中の6:00頃に,25年前の若き二人の歌声が(短いですが)あります。二人とも歌手ではありませんが,歌声はなかなか良いですよ。
【エムズの片割れより】
ありがとうございます。イヤホンで聴いていたら、お二人の「花かげ」もそうですが、ステレオのバック音楽(三枝成章)の素晴らしさに、90分の全編を見てしまいました。
1988年のドラマとか・・・。25年も前のドラマですが、ファンタジーで見応えがありました。
ありがとうございました
投稿: くまのプー | 2014年7月20日 (日) 15:06
1月18日に向嶽寺のお山にこの歌に歌われた桜並木復活のためのボランティアに行ってきました。2月8日に桜の苗木を植えます。
お昼に有志の方がspレコードと蓄音機を持ってきて河田さんの歌を聞かせてくれました。
塩山に小さな畑を作り、調布から毎週通っていますが、こんな縁は知りませんでした。netでたくさん歌を見つけ楽しんでいます。
10年後には桜並木が復活します。皆さんお元気で待ちましょう。その間の手入れのボランティアもにもどうぞご参加ください。
【エムズの片割れより】
向嶽寺ですか・・・。懐かしい・・・
行ってから、もう6年になります。
投稿: 塩山週末農夫 | 2015年1月21日 (水) 13:45
「花かげ」昔より大好きな童謡でした なんといっても一番は「山崎ハコ」ですね 一度聞いてみてください
【エムズの片割れより】
Youtubeで聞いてみました。なるほど・・・
投稿: 花かげ好代 | 2015年11月 6日 (金) 01:49
「花かげ」の歌詞を確認したくてこのサイトに辿り着きました。
大人になるまでこの歌を知りませんでした。
初めて聴いたのがなぜかマレーシア歌手のアイシャ(Aishah)が歌った「Hanakage」でした。
童謡とはほど遠くマレー歌謡独特のこぶしが効いていましたが、一度聴いただけでこの歌が大好きになりました。
【エムズの片割れより】
Aishahさんの「Hanakage」をNetで聞きました。
海外の人が、日本の童謡を、しかも日本語で歌っていることにビックリしました。
こんなことがあるんですね~
ご紹介、ありがとうございました。
投稿: ロビン | 2023年7月 9日 (日) 20:56