中村元訳「ブッダ最後の旅」を読んだ
NHK「五木寛之 21世紀・仏教への旅~ブッダ最期の旅 インド」の番組の影響で、中村元訳の「ブッダ最後の旅~大パリニッバーナ経」を読んだ。
“経”というので、普通のお経かと思ったら、まさに物語。確かに詩のような繰り返し文句が多く、暗唱に便利な「お経」なのだが、題名の通り、ブッダの入滅までの旅の物語である。
これを読んで「なーんだ。今まで色々な本で読んだブッダの最後の場面は、ここからの引用だったのだ・・・・」が感想。
しかし“原典はさすがに迫力が違う”と思った。まるで三蔵法師や鳩魔羅什(くまらじゅう)のように、原典のパーリ語から直接日本語に訳した本書は、その辺に転がっている本とはやはり違う。
また、元来自分は、“岩波文庫”は何か古くさくて嫌いであり、今回初めて岩波文庫を買ったわけだが、やはり重みが違う。
1980年の第1刷から数えて、今回自分が買った2006/7月の版でも、既に第37刷とある。これはすごい。この本は、やはり日本でのこの手の研究の“原点”なのだろう。
また“本の半分が注釈”というのも初体験。
今回は初めて読んだので、文節毎に注釈を対比しては読まなかったが、2度目に読むときは、文節毎に注釈を併せて読んでいこう。
まあこれ位で、NHKハイビジョン特集「五木寛之 21世紀・仏教への旅」も、そろそろ第1回「ブッダ最期の旅 インド」を卒業して第2回に移ろう・・・。
しかし、これほどじっくりと番組を見たのも久しぶりである。
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