「仏像の事典」を読んだ
熊田由美子監修「仏像の事典―仏像の見方・楽しみ方がよくわかる」を読んだ。
本屋で何となく手にして買った本。これが意外と良かった。
仏像の見方について、如来・菩薩・明王・天部・羅漢等に分けて解説している。
それぞれの仏さま毎に、意味・像形・印相・構成・特徴が最初に記してあり、非常に分かり易い。
特に「姿」の解説が面白い。
如来は「服装は6年間の苦行の末に覚りを開いた釈尊の姿をもとにしている」といい、菩薩は「釈尊の出家前の姿である、インドの王族や貴族階級の服装をモデルにしている」のだそうだ。
だから如来はシンプルであり、菩薩はアクセサリーを付けているのか・・・・・。なるほど・・・・。
また菩薩について、
「菩薩の代表は観音菩薩だが、観音菩薩はさまざまに姿を変えて人々を救済する菩薩であったため、後にその多様な功徳を身体的に表現した変化(へんげ)観音が現れます。顔や目、手、足などが人間より多く表現され、千手観音、十一面観音、・・・・・などがこれにあたります。変化観音に対して、本来の観音を聖観音とよぶ場合があります」
この文章で、今まで自分の頭の中で混乱していたものが解けた。観音さまにも色々あるが、その意味がやっと分かった。(前に、「十一面観自在菩薩像というのがあるが、良く見るとこれは怪物だ・・・」ナンテ書いてしまった。何というバチ当たりめが・・・・)
また「天部とは、バラモン教やヒンズー教で信仰されていた神々が仏教に取り入れられたものの総称で、仏やその教えを護り、人々に現世利益をもたらす役目があります。」とか・・・・
天部には、毘沙門天や帝釈天、弁財天など、聞いたことがある名前が多いが、そうだったのだ・・・・。金剛力士も天部のひとつという。(目から鱗だな・・・)
ともあれこの本一冊で、これから自分が仏像を見る目も、だいぶん進化すると思う。
「本も“出会い”だな」とつくづく思った。
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