右耳が壊れて(突発性難聴)から8年になる。でも通勤では毎日MP3で音楽を楽しんでいる・・・・。不思議な脳のメカニズムの話である。
8年前(1998/7/31)に、北海道に旅行したときに右耳の耳鳴りがひどくなり、ホテルの部屋のTVで実験したら、何と右耳が聞こえない。ちょうどスピーカユニットを箱をつけないで鳴らした音。いや壊れたラジオの音?。低音が聞こえない。旅行の前に近所の耳鼻咽喉科に行って聴力検査もしたが、大変だ!という話は無く、薬(ステロイドの飲み薬だった)を貰っただけだった。急に悪化したのか・・・・
旅行から帰って、メニエール病の友人の薦めで信濃町のK大病院に行った(8/4)。聴力検査をやった途端「立派な突発性難聴」と言われた。125Hzで75dB、1Kで40dB。即ステロイド点滴を2週間。最初は多く、段々と減らして行く。これが効いた。医者は「これは戻るぞ・・・」と言う。薬はメニエール病用の薬が主。
「突発性難聴は発症後2週間経つと固定してしまって治らない。それ以前に治療の開始が必要。また低音性難聴は高音性よりも治りが良い」と言われたが、最初の1カ月間は色々な症状(音がビリつく。音に影がある。等々)が出たものの、1カ月経つと125,250Hzで20dB、500Hzで5dBと完全に復帰した(9/4)。しかしそれで話は終わらない。
それから2ヶ月後(11/13)に再発。125~1Kまで55dB、2KHzで20dB。今度は飲み薬でのステロイド。2週間飲んだが効き目無し。副作用でフラフラ(気持が悪い)になり、医師に言ったら即投薬中止。医師が「それだけ聞こえれば、日常生活に支障無いでしょ?気にしない事」ナンテ言われてギブアップ宣言された(12/5)。
ところがその二日後に勝手に良くなった。250Hzで25dB、500Hzで10dBまで復帰。もう正常そのもの。しかしそれで話は終わらない。
3年経った頃に高音の耳鳴り。しかし「突発性難聴は再発しない」「突発性難聴は片耳だけ」という原則にあぐらをかいて病院に行かなかった。結果、人間ドックでの聴力検査で今度は立派な「高音性難聴」。低音は良いが、4KHzで30dB、8KHzで55dB。それから半年以上、同じK大病院で薬を貰ったが、時すでに遅しで何の効果も無かった。ここで打ち止め。
(その後、耳鳴りを気にしなくするため、K大病院の自律神経訓練をやったが効果無し。また相当長期間に亘って精神安定剤(ワイパックス)を飲んだ。~色々な安定剤を貰ったが、ワイパックスが一番効いた)
この経験で分かったこと。
1)発症の原因はストレス。上司との人間関係でのストレス。今となっては何(誰)がストレスだったかが明確に分かっている。普通は即刻入院させて、外部からの情報を遮断する。(ストレスで発症する病気は、その時に体で一番弱いところに現象が出てくるという。自分の場合は耳だった。医師に「子供の時に中耳炎とかやらなかった?」と聞かれたが、確かに記憶にある・・・)
2)耳鳴りは、耳のAGC(Automatic Gain Control=自動音量調整)が効いているため。つまり自分の場合は右耳の高音の感度が落ちているため、脳が勝手にその帯域のゲイン(感度)を上げるため、耳鳴りになる。
3)左耳は正常だが、右耳が変な周波数特性のため、ステレオ音楽を聞くとものすごい違和感。よってスピーカからの音楽はダメ。しかしイヤホンはあまり違和感が無い。よってそれからはイヤホンで音楽を聞いている。
4)右耳だけで聞くと、音が少し高い方にズレて聞こえる。(半音くらい高く聞こえる) しかし両耳で聞くと脳が制御し、左の音を元に右耳の音程を修正するため、あまり違和感が無い。また右耳も低音は聞こえるため歌手の音像はちゃんと中央に聞こえる。もちろん高音は左しか聞こえないが、もともとそのような録音もあるわけで、問題はない。
5)しかし、“右耳だけ”の実力はかなり弱い。右側から話をされても、音の解像度が悪いため聞き取れない。AGC(自動音量調整)が効いて耳鳴りは相変わらず・・・。どうしても右サイドから話しかけられると、体をひねって左耳で聞くようにしている。
良い点?
1)昔のモノラル録音時代、モノラル音源を疑似ステレオにするためにBPF(バンドパスフィルター)を通して、左チャンネルを高音、右チャンネルを低音にしたものがあったが、今の自分は全ての音がそれ。MP3で昔のモノラル録音を聞くことがあるが、みんなステレオ(左チャンネルから高音、右チャンネルから低音・・・)に聞こえる。これはメリットだ。(トホホ・・・・)
子供の時からラジオ作りが好きで、音楽が好きだった。よって、電気メーカに入ってオーディオの仕事がしたかった。それに耳には絶対の自信があって、聴力検査が楽しみだった。それだけに、耳が壊れたときのショックは大変だった。(両耳だったら・・と思うと、ぞっ!とする)
しかし、MP3では192Kサンプリングと160Kサンプリングの音は聞き分けられないが、CS放送のミュージックバード(PCMリニア)からMP3化した音と、スターデジオ(MPEG4)の圧縮した音源からMP3化した音の違いは分かる。もう執念だ・・・
しかし何?ベートーヴェンが耳が壊れた(両耳)後で第九を作曲したって??それは何かの間違い。出来る訳がない。原理的にあり得ない。幾ら天才でも、それは100%無理。(耳が壊れてみて、それが良く分かる。聞こえないのに、和音が認識できる訳がない)
よって今後の研究で「ベートーヴェンの(耳が壊れた後に作曲されたという)第九等の作品は、実は聞こえていた時に作曲されており、ベートーヴェンが“出し惜しみ”をしていた事が、最近の研究で分かった」という発表があるのではないかと思う。
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(2011/06/28追)
この自分の思い込みは間違いだった。2011年6月28日付けの作曲家“ヨシオ”さんのコメントを参照下さい。
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(補足-070605)~先輩からのアドバイス=このページへのアクセスが多いので追記。
・耳鳴りが気になったら、まず自分で下記のチェックを! ⇒ 突発性難聴は必ず片耳で発症するため、耳孔を片方ずつ指で塞いでTVの音を聞いてみると良い。同じように聞こえるかどうか? またTVの音量を下げて、良い方の片耳で聞けるギリギリの音量にして、耳鳴りのする方の耳が同様に聞こえるかどうか? (耳鳴りは、聴力が落ちているために耳鳴りという現象になる為)
・上記チェックでヤバイと思ったら、必ず大学病院に行くこと。あえて近くの大病院とは書かない。普通の大病院では(死ぬことがないため)町の耳鼻科と同じで、はなはだ心もとなく、時間を失して取り返しがつかなくなる。大学病院では、紹介状が無い場合5千円取られるが、金の問題ではない。とにかく駆け込むこと。(自分は、紹介状が無いと大学病院は見てくれないのでは・・?と躊躇したのが痛かった。5千円で飛び込み初診OK~K大の例)
・しかも急ぐ! 発症後2週間経ったら症状が固定化し、何をしても戻らない。発見と同時に治療開始が絶対に必要!(火事と同じで、初期の対応間違いが一生に影響する)
・ストレスが原因のため、出来れば2週間の入院が望ましい。目的は情報遮断によるストレスからの解放。(大学病院ではとても入院させてくれないが・・・)
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