土屋賢二氏のウィットに感服
会社の帰り道、フト思い立って東京駅の本屋に寄って“土屋賢二”の本を探してみたら、あった。文春文庫に十冊くらいが列んでいる。 「われ笑う、ゆえにわれあり」という本を買ってみた。97年11月 第1刷で、06年8月 第16刷とあるので大分売れているらしい。
駅から家までのバスの中で、少しだけ読んでみようとめくってみた。最初の「今日からタバコをやめられる・・・」を読み始め、そして唸った。曰く・・・・
・・・禁煙の方法にはいろいろあるが、・・・あまり意識しすぎるな、ということである。・・・これはちょうど何かを忘れようとしすぎるあまり、いつも「忘れなくちゃいけないのは何だっけ」と確認する結果、記憶に深く刻まれてしまう場合に似ている。・・・・
・・・・ほかに負担のかからない禁煙法として、タバコを軽い銘柄のものに替えていき、しまいには人の吸った煙、煙突の煙、スモッグ、亜硫酸ガスなど、有害なものであれば何でも・・・
・・・・本数を減らしていく禁煙法もあるが、・・・・1日10本にしようと決めた場合、・・・「明日の分を5本にすればいい」と考えて今日15本吸ってしまう、という前借り方式を採用することになり、・・・・次第に今吸っているのが何百年先の分か覚えておくのが困難になる・・・
・・もう一つおすすめできない方法として、食後の一服に限るというのがある。・・・この方法だと食事の回数が1日20回にも増えてしまい、かえって身体に良くない。・・・
きわめて効果的だが非現実的な禁煙法もある。それはタバコよりももっと習慣性の強いもの、覚醒剤、麻薬、かっぱエビセンなどに切り替える方法である。・・・・・
・・・動物実験をするまでもなく、タバコが動物に有害であることは予想できることである。その証拠に、タバコを好んで吸う動物は一匹もいないのである。それどころか、身体の構造がそもそもタバコに適していない・・・・・口の構造がタバコをくわえにくくなっているもの(ワニ、ツル・・)、そもそも口があると言えないもの(ミミズ、アメーバ、貝など)、棲息する場所が喫煙に不向きなもの(魚、イソギンチャク、大腸菌など)・・・・
くだらないというか、バカバカしいというか・・・
バスの中で、一人ニタニタしている自分に気が付き、ハッと回りを見回した。誰も見ていないので安心して、また続きを読んでいたら、何と何年も一度たりとも乗り過ごしたことのないバス停を危うく行き過ぎそうになって、あわてて降りた。
本というモノは、読むと何かが自分に残るものである。しかし、まだ最初の1節しか読んでいないが、この本は何も残らない予感がする。それと同時に、東京駅の本屋に列んでいた“土屋賢二”の本をみんな買ってしまう予感もする・・・・・。
こんなくだらないことに時間を使いたくはないが・・・・。これも麻薬の一種だろうか・・・・?
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