中村元「仏典をよむ」を読んだ
中村元の「仏典をよむ(4)~大乗の教え(下)」を読み終えた。26回のNHKの放送(85/4~9月)とその内容をまとめた4冊である。
読み終えて、自分として色々と“悟りの境地”に達した事が分かった。
1)まず、耳から入った情報は頭に残らずに、全て抜けるということ。
この放送は、2~3回、MP3で通勤の時に聞いたはずだが、今回本を読みながら聞いてみて、何と新鮮だったことか。
つまり、何度聞いても頭には全く残らなかった、という事が分かった。
(どおりで、歌を聞いても歌詞が頭に残らないはずだ~本BLOG 6/5付け参照)
2)次に、中村元という先生の偉大さが分かった。
東大の教授を長くやっていたというが、無限にある仏典をサンスクリット原典で研究、訳している。鳩摩羅什や玄奘三蔵が数多くの仏典を、サンスクリット語から漢訳したが、それと同じくサンスクリットを日本語に訳すというのも大変な偉業のはず。それにインドの遺跡にも数多く行ったというし、その活動の範囲はすごい。
人間、一生掛ければ、このような足跡を残すことも出来るのだ。
(それに比べて自分の人生では、何かを残したか?)
3)お経(仏典)の言わんとする事が少しは分かってきた?
仕組みだけは分かってきたぞ。原文はサンスクリット語で、それを中国で漢訳し、日本ではそれをそのまま使っている。理由は、日本語に訳すと、お経の有り難みが消えるから・・・?らしい。お経には色々なしきたりがあって、まず「如是我聞(かくのごとくわれ聞けり」という決まり文句から始まるとか、単位が非常にオーバー(十万億仏土とか、千億仏とか・・・)とか、・・・・。
しかしお経は千数百年経っても何も変わらない。前に国立博物館で鎌倉時代?の阿弥陀経?だったかを見たが、達筆で同じ文字がそのまま書かれているのは、何か不思議な気がしたものである。
ともあれ、いままで色々と乱読してきたが、この本のお陰でバラバラだったものが少しずつ頭の中で体系化してくるような気がしたのは進歩かも?
まあしばらくは色々と読んでみよう。それと中村元先生の本も少し読んでみようか・・・?
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コメント
中村氏の本は参考になりますね。
投稿: たかはし | 2011年11月 5日 (土) 12:26