2022年1月24日 (月)

保阪正康氏が語る「半藤一利」~「声でつづる昭和人物史~半藤一利」

NHKラジオ第2で(月)夜に放送されている「カルチャーラジオ NHKラジオアーカイブス「声でつづる昭和人物史」(ここ)を毎週愛聴している。
220124hosaka1 「2022年1月の放送は、1年前に亡くなったノンフィクション作家・半藤一利を5回にわたって紹介します。」とのこと。
ひとりを5回に亘って放送するのは、たぶんこの番組で初めてではないだろうか?
それほど、保阪正康さんにとって、半藤一利さんは重要な人なのだ。と思いつつ聞いた。
220124hosaka2 この5回のシリーズは、ぜひ残しておきたく(後々も聞きたく)、下記したい。
NHKのサイトには、それぞれこう解説がある。(ここより)

声でつづる昭和人物史~半藤一利」1(2022/01/10放送)
マイあさラジオ「米寿から10代へ」平成30年8月11日R1 聞き手:村島章惠アナ、ラジオ深夜便・オトナの生き方 平成25年10月27日R1聞き手:柴田祐規子アナ

半藤一利は令和3年1月12日に90歳で亡くなり、令和4年1月は一周忌です。代表作に「日本のいちばん長い日」や「昭和史」などがあり、多くの日本人が近現代史に目を向けるきっかけを作った作家です。亡くなる3年前の8月放送「マイあさラジオ」では、昭和史研究の原点となった東京大空襲体験を、また平成25年10月の「ラジオ深夜便・オトナの生き方」では、戦後ボートに明け暮れた青春や就職について語っています。」

<「声でつづる昭和人物史~半藤一利」1>

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声でつづる昭和人物史~半藤一利」2(2022/01/10放送)
ラジオ深夜便・オトナの生き方「昭和の語り部に聞く わが青春(後半)」 平成25年10月27日放送 ラジオ第1 聞き手:柴田祐規子アナウンサー

半藤一利は東京大学のボート部で青春を謳(おう)歌した後、文芸春秋社に入社し、雑誌の編集に携わりました。平成25年10月放送のラジオ深夜便・オトナの生き方「昭和の語り部に聞く わが青春(後半)」では、作家・坂口安吾の原稿を取りに行き、安吾から歴史の面白さを教えられたこと、その後、戦時中の軍人や政治家など28人の大座談会を企画し、「日本のいちばん長い日」と題して雑誌に掲載したことなどを語っています。」

<「声でつづる昭和人物史~半藤一利」2>

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声でつづる昭和人物史~半藤一利」3(2022/01/17放送)
ラジオ深夜便・新春インタビュー「戦後60年の日本人によせて 第1部」平成17年1月1日放送 ラジオ第1 聞き手:村田昭アナウンサー

半藤一利は35歳の時に「日本のいちばん長い日」を出版しました。その後70代で昭和の歴史をふかんした「昭和史 1926~1945」などを執筆します。平成17年1月にラジオ第1で放送された「ラジオ深夜便・新春インタビュー」では、通史としての昭和史を書くきっかけや、戦前の日本社会の精神主義について分析しています。その後、太平洋戦争に突き進んで行った原因について、日本人の特徴を5つあげて語っています。

<「声でつづる昭和人物史~半藤一利」3>

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声でつづる昭和人物史~半藤一利」4(2022/01/24放送)
ラジオ深夜便・新春インタビュー「戦後60年の日本人によせて 第2部」平成17年1月1日放送 ラジオ第1 聞き手:村田昭アナウンサー

半藤一利は76歳の時に、「昭和史1945~1989」を出版し、戦後日本の歩みを分析しました。その前年の平成17年1月にラジオ第1で放送された「ラジオ深夜便・新春インタビュー」では、近代日本の歩みが40年ごとに区切られる「40年周期説」を語っています。そして、自分の関心事以外に無関心な若い人たちに向けて、広い視野で日本のあるべき姿を考え、大きな理想を掲げて21世紀を切り開いていって欲しいと話します。」

<「声でつづる昭和人物史~半藤一利」4>

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声でつづる昭和人物史~半藤一利」5(2022/01/31放送)
ラジオ深夜便「母を語る」平成27年10月20日 聞き手:遠藤ふき子アナウンサー、ラジオ深夜便「わが心の人」令和3年8月31日 聞き手:迎康子アナウンサー

半藤一利は令和3年1月に90歳で永眠しました。さまざまな人との関わりで彩られた生涯で、母と妻からも大きな影響を受けました。平成27年10月に放送されたラジオ深夜便「母を語る」では幼い頃を振り返りながら、聡明で行動力のあった母親のことを語っています。また半藤が亡くなった後、妻で随筆家の半藤末利子は令和3年8月のラジオ深夜便「わが心の人」で、半藤が中国の思想家・墨子のことを遺言のように語ったと話します。

<「声でつづる昭和人物史~半藤一利」5>~未放送につき後日アップします。


当サイトでも、上のNHKラジオ深夜便「【わが心の人 半藤一利】随筆家 半藤末利子」(2021/08/30放送)は(ここ)。NHKラジオ深夜便「【母を語る】作家 半藤一利」(2015/10/20放送)は(ここ)にアップしている。

220124handou 話は変わるが、先日(2022/01/14)の朝日新聞に半藤さんの新刊の広告が載っていた。そこに「没後一年を機に、生前のNHKラジオ番組での「語り」をもとに再構成して書籍化」とあるのにビックリ。
氏が執筆したものではなく、ラジオで語った言葉を拾って本にしたという。そして、解説が保阪正康さん。
それほど、半藤さんの言葉は重い。つまりひと言ひとことを、世に残しておく必要がある・・・ということ。

Amazonでこの本の解説を読んでみた。曰く、
日本人の宿題:歴史探偵、平和を謳う (NHK出版新書 668) 新書 – 2022/1/11
半藤 一利(著)、保阪 正康(解説)

「昭和史の語り部」が遺した、戦争を起こさないための5か条!

ベストセラー「昭和史」シリーズをはじめ、「昭和史の語り部」としてたくさんの戦争関連書を遺した半藤一利さん。「戦争というものは、本当に人間がやってはならない一番最大の悪です」。本書は、半藤さんが現代日本人に伝えようとした「大切なこと」を、没後一年を機に、生前のNHKラジオ番組での「語り」をもとに再構成して書籍化するものです。戦時中の少年期から戦後の青年期、文藝春秋の編集者時代、そして作家時代と、激動期を生きた半藤さんの一代記に、盟友・保阪正康氏の解説が加わることで、一人の日本人の私史が日本人全体の昭和史へと昇華していきます。

一、勝ったという経験は、人間を反省させないし、利口にもしません
二、教育によって国というのは立つんです。経済によっては立たない
三、大きく変革するときに、人間というものは正体を現すんですよ
四、残しておけば、あとの人が、真実に近づくことができます
五、歴史を自分で学んでいくことを積極的にやってください

半藤さん、そして保坂さんの著書は山のようにある。自分も、じっくりと腰を据えて読んでみようか・・・
毎日、チャンバラ小説にうつつを抜かす!?自分が、少々恥ずかしくなった。

(付録)~当サイトが持っている音源から、半藤さん関係の番組を置いておきます。

<特集・100年インタビュー(1)戦争体験と昭和史研究 作家 半藤一利>(2009/08/27放送)


<特集・100年インタビュー(2)戦争体験と昭和史研究 作家 半藤一利>(2009/08/28放送)


<戦争とわたし(1)作家 半藤一利>(2010/08/12放送)


<戦争とわたし(2)作家 半藤一利>(2010/08/13放送)


<【オトナの生き方】昭和の語り部に聞くわが青春(1) 作家 半藤一利>(2013/10/27放送)


<【オトナの生き方】昭和の語り部に聞くわが青春(2) 作家 半藤一利>(2013/10/27放送)


<【母を語る】作家 半藤一利>(2015/10/20放送)


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<【母を語る】エッセイスト 半藤末利子>(2010/11/16放送)


<生誕150年 孫娘が語る漱石一家 エッセイスト 半藤末利子>(2017/01/05放送)


<【わが心の人 半藤一利】随筆家 半藤末利子>(2021/08/31放送)

 

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2022年1月19日 (水)

映画「コーラス」より「亡き人への想い(In Memoriam)」

先日、何とも不思議な、そしてなぜか心に残る音楽を聞いた。
映画「コーラス」のサントラより「亡き人への想い(In Memoriam)」という歌。サン・マルク少年少女合唱団が歌っている。
何が不思議かというと、通常の滑らかな旋律では無く、行進曲のような伴奏の合唱。自分は、こんな音楽をあまり聞いたことがない。

<映画「コーラス」より「亡き人への想い」>

Netでググってみると、映画「コーラス」とは、
「ママに会いたい…。たった一つの願いを歌に込めた子供たちがフランス中のハートをつかみました。
それは、聴くだけで涙があふれる不思議な歌声でした。
映画「コーラス」は、2004年フランス映画動員記録1位。フランスの歴代1位の、「アメリ」に迫るロングランの超大ヒットを記録!本年度セザール賞(フランス版アカデミー賞)の大本命であり、先日発表された、アメリカのゴールデン・グローブ賞でも、"最優秀外国語映画賞"にノミネート!そして早くも、アカデミー賞:”最優秀外国語映画賞”の呼び声も高い作品です!」ここより)とのこと。
かなり有名な映画らしい。配信で見てみようかと思ったが、U-NEXT以外では見られないようだ。

でもYoutubeにこの合唱の動画があった。


同様に、自分が「不思議な音楽」と認識した曲が、昔あった。
今ではメジャーな音楽だが、小椋佳がロンドン/パリで録音したアルバム「Debut」の「山河」という歌。
編曲者が外人のせいか、実にユニークな編曲。この歌は当サイトでも10年以上前に取り上げているが(ここ)、もう一度聞いてみよう。

<小椋佳の「山河」>


上の曲を“発見”したことで、最近またFM放送で“発掘する”意欲が出て来たこの頃である。

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2022年1月13日 (木)

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」~フリーズ演出にビックリ!

さて、今年の大河は見続けられるだろうか?
というのは、いつも挫折するから・・・
wikiで歴代の大河ドラマのリストを見ると、見た記憶があるのは2008年の「篤姫」までさかのぼってしまう。2016年の「真田丸」も断片的には見た記憶があるが、全編見たかは不明。
さて先日始まった今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。脚本が三谷幸喜だというので見る気になった。

BS4Kで見たのだが、さすがNHK。金がかかっている。まず、映像のフリーズにビックリ。開始4分40秒、政子の登場場面で、一瞬画面がフリーズした。
220113nhktaiga マラソン中継などでよくある映像のフリーズ。この場合は、カメラからの映像信号が途絶えたとき、フレームシンクロナイザーなどの働きにより、その前に画面でいったん止め、次の正常な映像信号が入ってきたらそれに切り替える。映像が真っ黒にならないための技法だ。まさにこの現象と同じ。天下のNHKもやらかしたか!と思った。
地上波やBSでは直っているかと思って見たら、まったく同じ。これは解せない。しかも、このフリーズの現象は、他の場面でも度々出た。

これはおかしい!とNetでググってみた。すると「鎌倉殿の13人 フリーズ」や「鎌倉殿の13人 放送事故」の検索用語。ツイッターにも色々と出ている。しかし、NHKのサイトには「お詫び」の文字は無い。
そしてツイッターなどを見ていると「演出」という文字・・・。
結論、これらは何とNHKの演出だったのだ。放送事故と間違えてしまうような、ドラマで映像をフリーズさせる手法は初めて見た。
自分的には、これは疑問。もし出演者の人物紹介が必要なら、長めにテロップを出しておけば良いはず。ツイッターでも、「テレビかレコーダーが壊れたのかと思った」という人が続出。肯定的なコメントは皆無だった。

さて、相変わらず出演者が多い。この頃、自分はドラマは字幕を付けて見ることが多いが、1回目だけあって出演者のオンパレード。

220113kamakuradono 昨日、デパートの本屋に立ち寄ったとき、ガイドブックがあったの、つい買ってしまった。さすがに分かり易い。人物相関図や筋書きを読み、改めて復習の意味で、もういちど見てしまった。さすがに2度見ると良く分かった。

今日(2022/01/13)の「朝日新聞」夕刊に「三谷幸喜のありふれた生活」が載っており、このドラマについて書いていた。

(三谷幸喜のありふれた生活:1069)「平家をぶっ潰すぜ!」
 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が始まった。限りなくどす黒い時代を努めて明るく描く、かなり難易度の高い台本に挑んでいます。
     *
 当然の如(ごと)く、いつものように賛否両論。大河らしくない現代語の会話に違和感を持たれる方もいらっしゃるようだが、こればかりは慣れて下さいとしか言いようがない。
 重々しい会話を求める皆さんの気持ちも分かる。そういう大河があってもいい。でも一見、時代考証に基づいて当時を再現したような重厚なやりとりも、実際は雰囲気でしかない。人は、かつて観(み)た別の時代劇の空気をそこに求めているに過ぎない。なぜなら、実際の鎌倉時代の会話など誰も聞いたことがないのだから。幻想のリアリティーを重んじ、それっぽい会話で作品を埋め尽くすことに、意味があるのか。だったら、役者が感情を乗せやすく、視聴者も理解しやすい現代の言葉を僕は選びたい。まあ匙(さじ)加減にもよるのだけれど。
 ちなみに同時代を描いた四十三年前の大河「草燃える」も、かなり現代語を使っていることで話題になった。政子が「まあ、失礼しちゃうわね」みたいなことを言っていて、当時は僕も驚いた。ただし改めて観ると、現代語は北条家のシーンに集中しており、やはり脚本の中島丈博先生も塩梅(あんばい)を計算されているのが分かる。
210113mitani      *
 かた苦しい言葉を多用すれば、批判もされにくいだろう。しかし現代語だとキャラクターがはっきりするのは間違いない。第一回に出てきた北条宗時の「平家をぶっ潰すぜ!」という台詞(せりふ)。さすがに僕でも「平家を討ち果たしてみせようぞ」くらいは思いつく。でもそれでは彼の持つ根拠のない度を越したポジティブ感が出ない。時間制限のあるテレビドラマでは、短い言葉で登場人物の個性を表現することが重要。描かなければならないことは他にも山ほどあるのだ。やはりここは「ぶっ潰すぜ!」だ。
 僕が半ば勢いで書いた初稿を基に、時代考証の先生たちとプロデューサーが会議を行う。僕は立ち合わない。史実無視の荒唐無稽なホンを書く脚本家に思われがちだが、決してそんなことはない。可能な限り史実には沿いたいと思っている。たとえ面白いアイデアが浮かんだとしも、その時間、その場所に、その人物がいることが歴史的に不可能であれば、断念する。僕がやるべき仕事は、脚本家の視点から史実を見つめ直し、歴史学者の皆さんに「こんな解釈は可能ですか」とプレゼンすることだと思っている。
 考証の先生方は、とてもドラマ作りに好意的だ。史実重視で作品の面白さが損なわれないように留意しながら、折り合いの付けどころを探って下さる。もちろん譲れないところもあるだろう。最終ジャッジをするのはプロデューサー。しかし僕は自分の思いを通すために史実を捻(ね)じ曲げたことはない。そういう時はすぐに折れる。そして先生たちが納得するもっといい設定を考える。こうして考証チームと脚本家の間で何度か行ったり来たりを繰り返しながら、台本は練り上げられていく。
     *
 その上で残った「ぶっ潰すぜ!」なのである。」(2022/01/13付「朝日新聞」夕刊p4より)

とにかく今回は三谷幸喜に期待だ。例のごとく、長丁場なので途中で放って見るのを止めてしまう可能性も充分あるが、それは自分の老化も原因のひとつかも知れない。

このところ、2日に一冊のペースで、佐伯泰英の「吉原裏同心」を読んでいる。全35冊。今日現在26冊目。つまりは、“チャンバラ小説の方が、テレビドラマよりよっぽど面白い(=出演者が少ないので分かり易い)”のが最近の自分の傾向だが、さてどうなるか?
久しぶりに長丁場のドラマを見る気になった今回の大河ではある。

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2022年1月10日 (月)

ヤングケアラーの苦悩

先日の朝日新聞にこんな記事があった。このところ、「ヤングケアラー」という言葉が頭から消えないため、挙げておきたい。

(いちからわかる!)ヤングケアラーってどんな人なの?
 ■家族の世話を担う子ども。勉強・進路をあきらめることも

 コブク郎 「ヤングケアラー」って、どんな人?

 A 病気や障害がある家族や、世話が必要なきょうだいのために、家事や介護など「ケア」を担う18歳未満の子どもたちのことだよ。国が中高生へ聞いた調査では、公立の中学2年、全日制高校2年のおよそ20人に1人が家族を世話しているとの結果が出たんだ。

  なぜ大人ではなく、子どもがケアをするの?

220110211231asahi  A 家族の中で、ケアを担える大人の手が足りないからだ。介護や世話が必要な祖父母や幼いきょうだいがいる、でも親は仕事が忙しくて手が回らない、という家庭は珍しくない。また、病気の親を子どもがケアしている家庭もあるよ。

  家事とかきょうだいの世話は「お手伝い」と思っていたけれど。

 A 手伝いを超えている場合もある。中高生への調査の際、家族を世話していると答えた中学2年の生徒たちは、平日1日あたり平均4時間を世話にあてていた。そのために、勉強や部活などやりたいことができなかったり、望む進路をあきらめたりするなど、学校や社会から孤立してしまうこともあるよ。

  それはつらいね。

 A 困っていても周りが気づかず、「言ってもわかってもらえない」と相談をあきらめる子もいる。家族の病気や障害を知られたくない子もいるし、家族を世話するのが「あたり前」で、手伝いの範囲を超えている自覚がない子もいる。一人ひとり状況は違うんだ。

  どうすればいい?

 A 周りの人や子どもに、ヤングケアラーへの理解が広がることが大事だ。子どもは話しやすくなるし、家族のケアを子ども一人でがんばらずに済むことにつながる。子どもが安心して相談できる仕組みや居場所作り、学習支援など子ども本人のサポート、ケアが必要な家族への介護や子育ての支援が、もっと進むといいね。(畑山敦子)」(2022/12/31付「朝日新聞」P2より)

これも大分前の放送だが、NHKラジオ深夜便の「人権インタビュー「“偉いね”と言わないで~ヤングケアラーの苦悩」きょうだいケア経験者…沖侑香里」(2021/12/08放送)も印象深く、挙げておきたい。

<ラジオ深夜便「ヤングケアラーの苦悩」沖侑香里>


もうひとつ、2021/12/27付の朝日新聞にこんな例の記事もあった。

(共生のSDGs コロナの先の2030)子が家族の世話「当たり前」?

 自分の生活や将来を犠牲にして、家族の世話をしたり、働きに出たりする子どもがいる。「家族だから」。そんな「当たり前」にとらわれ、子どもたちが孤立している。

 ■放課後は家事
 大阪府の大学生の女性(22)は小学校の頃、放課後に友達と遊んだ記憶がほとんどない。「ごはんを作らないといけない日が多かったから」

220110211227asahi1  両親は5歳の頃に離婚。小学校高学年になると、体調不良の母に代わって料理をするようになった。「お母さんだって1人でやってきた。家族だから手伝うのは『当たり前』と思っていた」と当時を振り返る。

 中学生の時、母親は仕事を辞め、統合失調症との診断を受けた。料理や洗濯、母親の悩みを受け止めること……。まだ幼い女性に多くのことが降りかかってきた。近くの祖母が同居し家計を支えてくれたが、経済的な余裕はなかった。

 ■「燃え尽きた」
 高校は自転車で通える公立高を選んだ。高校2年の秋、母の症状は改善したが、今度は女性が「燃え尽き症候群」のようになってしまった。朝起きられず、何とか通学しようと努力したものの出席日数が足りず、退学せざるを得なかった。

 苦しかったのは、気持ちをはき出す場所がなかったことだ。母を否定してしまうようで「『しんどい』って言えなかった」。

 通信制高校から大学に進学したものの、体調不良は改善せず再び退学した。

 しかし、単位取得のことで相談に乗ってくれた教員との出会いが、「当たり前」の孤立から抜け出すきっかけになった。

220110211227asahi2  女性が母親を支えてきたことを打ち明けると、教員は「あなたは『ヤングケアラー』だったんだと思う。家のことが大変だったら体調を崩してしまうことだってあるよね」と受け止めてくれた。

 女性は「私のやってきたことはただの手伝いじゃなかったんだ」と初めて気がついたという。

 今春、通信制大学に再入学した。社会福祉士資格をとって、支援が必要な人やその家族のために働くという目標を再び持つことができた。「私がケアをするのは『当たり前』じゃない。子どもが抱えなくていい、家族のケアは家族の中だけの問題ではないと気づく人が増えてほしい」

 ■6割相談せず
 国は今年4月に初めて、「ヤングケアラー」の実態調査の結果を公表した。公立の中学2年、全日制高校2年のうち、およそ20人に1人が該当した。そのうち6割は誰にも相談したことがなかった。「宿題をする時間や勉強する時間が取れない」が高2で13%おり、「学校に行きたくても行けない」も1%いた(複数回答)。

 日本でヤングケアラーが注目されるようになったのは数年前から。研究者らが一部の自治体で教職員などを対象に調査などをしてきた。

 介護や支援が必要な人が使える介護保険や障害福祉サービスなどはあっても、介護に疲れた家族らへの支援策は抜け落ち、見過ごされてきた。厚生労働省がヤングケアラーの実態把握を進めようと調査の補助事業を始めたのは、2018年度からだ。

 国が23年度に創設する「こども家庭庁」は、子どもの視点で子どもの権利を保障する社会を目指すとし、基本方針の中にヤングケアラーの支援を盛り込んでいる。(畑山敦子)」(2021/12/27付の朝日新聞p1より)

どんな家庭でも起こり得る介護。しかしそれが、小中高生に肩に掛かるとすると、それは大変だ。しかし、事が家庭内のことであるため、それを変だと思わない。そしてそれが日常的に・・・

DVなど、家庭内での出来事は、なかなか表には出ない。それはネガティブな話だけでは無い。
話が“ぶっ飛んで”恐縮だが、自分は大学に入るまで、みそ汁が夕食でも出ることを知らなかった。我が家(実家)では、みそ汁は朝だけだった。それが当たり前だった。それが、大学に入って初めて外のメシを食うようになって、それが当たり前では無かったことを知った。
ついでに、我が家では鶏肉料理は食べたことが無かった。それは親父が鶏肉が嫌いだったためだという。それが結婚したら、カミさんは、鳥は見るのも、飼うのも、食べるのも大好き。それでケンタッキーを思い出すまでも無く、今ではよく食べている。

おっと話を戻そう。
このところ、広い意味での日本の貧困は凄まじい。日本のGDPの頭打ちが全てを表しているような気がする。それは日本という国の実力か?
我々シニア世代は、いわゆる逃げ得世代。非正規雇用などという概念もなく、毎年給料が挙がるのは当たり前の時代だった。住宅ローンも行き詰まることなど考えもせず・・・。

それが今は、悪い意味での節約節約。生活保護の認定締め付けも、福祉の節約も・・・。そもそも政治が「自助!」とヌカす。
結果、上のヤングケアラーなどを生む。
何が原因で、こうなってしまったのか?
日本人が生み出す何かが減退したから・・・??
結論は出ないが、何ともやりきれない「ヤングケアラー」という言葉である。

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2022年1月 6日 (木)

在日米軍から「染み出した」コロナ第6波

先ほどのニュースで、「沖縄、山口、広島に「まん延防止等重点措置」を適用へ 政府方針」だという。
ここで抜けている文言がある。「“在日米軍から「染み出した」”沖縄、山口、広島に「まん延防止等重点措置」を適用へ」だろう!!

今朝(2022/01/06)の朝日新聞。

疑われるオミクロン「染み出し」 ずさんな米軍、後手に回った政府
 各地の在日米軍基地で新型コロナウイルスの大規模な感染が相次ぎ、その地元でも住民の感染が拡大している。米軍は変異株「オミクロン株」かどうかなどの詳しい感染状況を説明していないものの、ずさんな感染防止態勢が明るみに出て、基地から外への「染み出し」が強く疑われている。5日に住民ら623人の感染が確認された沖縄県などの地元首長らは対策の徹底を強く求めている。

220106beigun1  沖縄県では昨年12月中旬、米海兵隊基地キャンプ・ハンセン(金武(きん)町など)で、日本の検疫なしで入国した部隊で大規模クラスター(感染者集団)が発生。米軍関係の感染者は1月5日現在、9基地で計1001人に達した。県側はオミクロン株に感染しているかどうかを調べるゲノム解析の協力を申し出たが、「個人情報」を理由に拒まれたという。

 オミクロン株に感染したハンセンの日本人基地従業員や、市中感染とみられる住民が出たため、県は国立感染症研究所の協力を得てゲノム系統を分析。基地からオミクロン株が拡大した可能性が高いと判断した。

クリスマスごろの飲食店利用で拡大か
 米側は県の照会に対し、日々の感染者数は報告しているが、部隊の規模や人数、詳しい感染状況などは「運用に関わる」などとして回答を拒んでいる。

 日本政府や県が感染対策に加え、綱紀粛正を再三求めるなか、12月21~31日には、計4人の米兵が酒気帯び運転容疑で逮捕された。米国からの出国時に検査を行っていなかったことも分かり、米側の危機意識の低さが次々と露呈している。

 玉城デニー知事は「オミクロン株の感染拡大は米軍からの『染み出し』が大きな要因」と指摘。米軍関係者は日米地位協定に基づき、日本側の検疫対象外となっていることから、「日米両政府は、強い危機意識を持って頂きたい」と語り、協定の抜本的な見直しの必要性も訴える。

 山口県では5日までの2週間で住民ら計325人の感染が確認された。うち米軍岩国基地がある岩国市内が230人と約7割を占める。感染者の中には、市中心部の繁華街・麻里布、川下両地区の飲食店の従業員と客が含まれる。

 米軍岩国基地は、昨年12月21日から1月5日までに関係者計424人の感染を発表。県はクリスマスごろに米軍関係者が飲食店を利用した影響で、地元に感染が広がったとみている。

 岩国市の福田良彦市長は1月4日の会見で、オミクロン株に感染した日本人基地従業員と、飲食店の従業員のウイルスのゲノムが同じタイプだったと明らかにし、「基地内のオミクロン株が市中に漏れた可能性が高い」と述べた。さらに昨年9月以降、米軍関係者へのPCR検査が米国出国時に実施されていなかったことが判明したとして、「抜け道だった」と話した。市内では成人式を延期するなどの影響が出ている。村岡嗣政知事と福田市長は4日、基地外でのマスク着用やPCR検査の幅広い実施、オミクロン株を確認するゲノム検査の実施など5項目の対策強化を外務省と防衛省、米軍岩国基地に文書で要請した。

 米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)は昨年12月21日に関係者2人の感染が判明。同28日と1月5日、基地による1度の発表としては最多の16人の感染を発表した。12月下旬には基地で働く40代女性従業員と家族3人の感染が相次いで判明。基地従業員でつくる全駐留軍労働組合の長崎地区本部(佐世保市)は「沖縄や岩国に比べると佐世保の米軍関係者は町中でもマスク着用が徹底されている」としつつ、「クリスマス休暇で帰国した関係者が徐々に基地に戻ってきている。沖縄のような事態にならないよう注視したい」と話す。(木村司、川本裕司、高橋豪、原口晋也)

行動制限の期間、基地内の全施設に移動可能
 日本政府が、在日米軍によるずさんな水際対策の実態を知ったのは昨年12月21日。キャンプ・ハンセンで集団感染が発生したことを受け、外務省が米側に問い合わせたのがきっかけだ。

220106korona  政府はオミクロン株への対応のため、11月末から全世界からの外国人の新規入国停止などの水際措置を行っていたが、米軍関係者は日米地位協定に基づき、日本側の検疫の対象になっていない。政府は在日米軍と、日本の水際対策に近い「整合的」な措置を取ることを確認していた。しかし、実態は大きくかけ離れていた。

 米側は、入国後5日目以降にPCR検査を実施するのみで、出国前や入国直後の検査は行っていなかった。行動制限の期間中でも基地内のすべての施設に移動できた。基地で働く日本人従業員らとも接触できる状態だった。すべての在日米軍基地でも同じ状況だったことも分かった。

 米軍は以前は出国前の検査をしていたが、米国でワクチン接種が進み、感染状況が和らいだことから昨年9月に検査を免除した。入国直後の検査はそもそもしていなかった。

 これを知った林芳正外相は翌12月22日、在日米軍のラップ司令官に直接電話で強い遺憾の意を伝え、改善を要請。米側は、日本に行く在日米軍関係者全員について、出発72時間前の検査を同月26日から開始。30日からは入国後24時間以内の検査も始めた。また、基地区域外でのマスク着用を義務づけ、巡回パトロールも行ってルールの徹底を行っているという。

 外務省は、新型コロナに感染したキャンプ・ハンセン所属の米軍関係者のうち、約半数はオミクロン株の感染者と見なしている。しかし、沖縄県内の感染拡大との関係性については、松野博一官房長官は4日、記者団に「米軍のゲノム分析などの結果も出ていないので、コメントすることは差し控えたい」と述べるにとどめている。(野平悠一)」(2022/01/06付「朝日新聞」p29より)

日米地位協定については、当サイトでも前に(ここ)などで取り上げてきたが、まさに「アメリカ合衆国・日本州」の実体がコロナによって暴かれた様相である。
しかし、沖縄県知事たちが幾ら声高に指摘しても、国の面々は言質を避ける。
220106kansen よく言われるように、コロナから見れば、国境も何も関係無い。せっかく日本が島国のメリットを活かして国境封鎖をしても、国内にあるアメリカの飛び地である米軍基地からは、幾らでも染み出る。それを避けるためには、アメリカの飛び地(基地)でも国内と同様の処置をしないと、まったく効果が無くなってしまうことは子供でも分かる。

こんな当たり前の地位協定の矛盾があり、コロナがせっかく暴いてくれたのに!!、その見直しについて、何で国内で盛り上がらないのだろう。
上の朝日新聞や東京新聞ではキチンと指摘していても、NHKニュースなどは、沖縄・山口/広島の「まん延防止等重点措置」は伝えても、在日米軍基地との関連については、明確には言っていないように見える。

野党もおとなしい。こんな時こそ、地位協定の矛盾と見直しの必要性を世に問うチャンスだと思うのだが・・・

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2022年1月 1日 (土)

なかにし礼の反戦詩「平和の申し子たちへ!」

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、先日、カルチャーラジオ NHKラジオアーカイブス「声でつづる昭和人物史 なかにし礼」(2021/12/20放送)を聞いていたら、保阪22010120140710mainichi 正康さんが、なかにし礼さんと一緒に行った道新フォーラム「現代への視点2014~歴史から学び、伝えるもの」(2014/11/24開催ここ)で、なかにし礼さんが朗読した詩に感激した、と言っていた。
ググってみると、この詩は、2014年07月10日の毎日新聞の夕刊に発表したものだという。
集団的自衛権が閣議決定されてから、わずか9日後の発表である。それほど、安倍政権の憲法無視はひどく、なかにし礼さんのショックも大きかった。

下記に、対談と自身によるこの詩の朗読がある。

「平和の申し子たちへ!」
  泣きながら抵抗を始めよう
   詩:なかにし礼

二〇一四年七月一日火曜日
集団的自衛権が閣議決定された
この日 日本の誇るべき
たった一つの宝物
平和憲法は粉砕された
つまり君たち若者もまた
圧殺されたのである
こんな憲法違反にたいして
最高裁はなんの文句も言わない
かくして君たちの日本は
その長い歴史の中の
どんな時代よりも禍々(まがまが)しい
暗黒時代へともどっていく
そしてまたあの
醜悪と愚劣 残酷と恐怖の
戦争が始まるだろう
ああ、若き友たちよ!
巨大な歯車がひとたびぐらっと
回りはじめたら最後
君もその中に巻き込まれる
いやがおうでも巻き込まれる
しかし君に戦う理由などあるのか
国のため? 大義のため?
そんなもののために
君は銃で人を狙えるのか
君は銃剣で人を刺せるのか
君は人々の上に爆弾を落とせるのか
若き友たちよ!
君は戦場に行ってはならない
なぜなら君は戦争にむいてないからだ
世界史上類例のない
六十九年間も平和がつづいた
理想の国に生まれたんだもの
平和しか知らないんだ
平和の申し子なんだ
平和こそが君の故郷であり
生活であり存在理由なんだ
平和ぼけ? なんとでも言わしておけ
戦争なんか真っ平ごめんだ
人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない
たとえ国家といえども
俺の人生にかまわないでくれ
俺は臆病なんだ
俺は弱虫なんだ
卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない
しかし俺は平和が好きなんだ
それのどこが悪い?
弱くあることも
勇気のいることなんだぜ
そう言って胸をはれば
なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか
怖(おそ)れるものはなにもない
愛する平和の申し子たちよ
この世に生まれ出た時
君は命の歓喜の産声をあげた
君の命よりも大切なものはない
生き抜かなければならない
死んではならない
が 殺してもいけない
だから今こそ!
もっともか弱きものとして
産声をあげる赤児のように
泣きながら抵抗を始めよう
泣きながら抵抗をしつづけるのだ
泣くことを一生やめてはならない
平和のために!

なかにし礼の著書としては、「赤い月」や「兄弟」(ここ)を読んでいたので、氏の人一倍の反戦姿勢は知っていた。その氏が、安倍政権の戦争への驀進に、益々の危機感を抱いたのは想像に難くない。
そして、声を挙げた。
あれから7年半。ウソの安倍・菅政権が終焉を迎え、ホッとしていたら?何と、平和っぽい岸田政権が、憲法改定を進めるという。
ここ)を読むと、岸田政権は“脱安倍”をしているようにも見えるが、安倍元首相と同じく、自分のレガシー作りという危険な一面も・・・

「・・・首相は安倍氏を不快にさせる必要もないのに、「安倍離れ」を見せつけるような言動を続けている。先の臨時国会で「桜を見る会」の在り方に「大いに反省すべき点があった」とし、自分の内閣では「開催しない」と言い切ったばかりでもある。
 首相の心情と狙いについて、岸田派のベテラン議員は「内閣支持率が上がるからと、ドライにやっている」と解説する。「世論調査を基にしている。森友でも桜でも、ほとんどが安倍氏に批判的だ。首相はその反対をやっているだけ」なのだという。
 来夏の参院選を見据え、世論の声をよく聞いた上で「脱安倍」を実践しているというわけだ。政権浮揚と求心力アップのために「安倍氏の『負の遺産』を有効利用している」とも言える。首相は「意外と政局巧者」という評の通りだ。・・・」
「・・・安保、改憲、皇位継承の3分野では安倍氏に配慮し、その意向に沿っているとも言える。だが、この点についても視点を変えると、違う岸田像が見えてくる。永田町では「自身のレガシーにしようとしている」と見る向きがもっぱらなのだ。
 改憲は国の形を変え、皇室典範改正は天皇制の形を変えることになる。いずれも岸田政権で実現すれば、歴史に名を残すのは間違いない。・・・」

なかにし礼と同様に、半藤一利氏は自著の絵本「焼けあとのちかい」でこう書いている。
「そのとき以来、わたくしは二度と「絶対」という言葉はつかわない、
そう心にちかって今日まで生きてきました。
しかしいま、あえて「絶対」という言葉をつかって
どうしても伝えたいたったひとつの思いがあります。
『戦争だけは絶対にはじめてはいけない』」ここより)

戦争に突き進む日本を今後どうして行くかは、まさに若い人にかかっている。
「平和の申し子たち」が、今の政治の方向にどう動くのか?
新年を若い人の行動元年と期待したいものだが・・・

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2021年12月31日 (金)

令和落首考 2021年後半

さて今日は大晦日。
まあシルバー世代にとっては、どうって事無いのだが、まあ1年振り返ってみようか・・・

令和落首考 2021年後半 西木空人
「打ったかいまた打ったよとすれ違い」。最初の「打ったかい」はワクチン接種、「また打った」のは大谷翔平選手の本塁打。彼の活躍は今年下半期一、二のめっぽう明るい話題でした。
 今更ではありますが本欄の「落首」の意味を広辞苑でさらってみます。〈諷刺(ふうし)・嘲弄(ちょうろう)・批判の意をこめた匿名の戯歌(ざれうた)。封建時代には政道批判の手段としてしばしば行われた〉
 吉例によりこの半年を掲載句で振り返りましょう。
     × × ×
211231rakusyu  10月、ノーベル賞発表の季節。「この時期は国籍なくても日本人」。今年は米国籍の真鍋淑郎(しゅくろう)さんが物理学賞に輝きました。卒寿の真鍋さんは会見で「日本の人びとは常に、お互いの心をわずらわせまいと気にかけている。誰かの感情を傷つけたくないからです。アメリカでは、他人がどう感じているか、それほど気にしなくていい」「私は調和の中で生きることができない。それが、日本に帰りたくない理由の一つなんです」と語りました。
 鋭い日本人論です。核心を衝(つ)いて、首(こうべ)を垂れるしかない。真鍋さんは「私が面白いと感じたほとんどの研究は、好奇心から始まっている。日本の研究は、好奇心に根ざすものがどんどん少なくなっています」とも指摘しました。川柳欄に辛うじて一句。「好奇心大いにあるが低レベル」
     × × ×
 平和賞にはフィリピンのマリア・レッサさんらジャーナリスト2人が選ばれました。12月の授賞式でレッサさんは「残りの人生を牢獄で過ごすかもしれないと日々恐れています」と述べました。「サミットの国と戦う平和賞」。この句には注釈が要りますね。
 12月、バイデン米大統領の提唱で「民主主義サミット」がオンラインで開かれ、日本も含め世界111カ国・地域が参加しました。フィリピンもその一つですが、レッサさんが語ったようにこの国の現体制が民主主義と言えるかどうかには、大いなる疑問符が付きます。ほかの国・地域も果たして民主主義国・地域なのか。「専制にみんしゅとルビ振る国が増え」
 スウェーデンの調査機関V-Demによると、2019年現在、世界で民主主義の国・地域は87。一方、非民主主義の国・地域は92。「逆転」は18年ぶりのことといいます。人口で見ても20年現在、民主主義の国・地域で暮らす人は世界の46%。「民主主義」は、世界の少数派なのです。
     × × ×
 7月1日は中国共産党結党100周年記念日でした。「中国は慶事香港喪に服し」
 けれど翻って日本を見れば「わが政府一党独裁似たような」。菅義偉・前政権は、日本学術会議の任命拒否問題をはじめ、モリ・カケ・サクラなど一連の疑惑について、最後まで説明責任を果たそうとはしませんでした。
 10月、菅政権から岸田文雄政権へ。そして、総選挙。12月、公文書改竄(かいざん)を強いられて自死した財務省近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻が、国に損害賠償を求めた訴訟で、政権は請求を認め損害賠償に応じる「認諾」をした。支払額は1億700万円。税金を充てます。
 憤りの投句が殺到しました。「卑怯者(ひきょうもの)金と力はありにけり」「聞く耳にとどめおくべし『ふざけるな』」「『アベ』守る税金一億不正利用」
 岸田政権も一連の疑惑に対し説明責任を果たしていません。辛うじてアベノマスクの年度内廃棄を決めたが、認諾同様、これも臭いものに蓋(ふた)。「岸田さん聞かない力もすごかった」
 そうそう安倍晋三元首相にも。「責任者『ごめんね』くらい言いましょう」
     × × ×
 12月、大阪ビル放火。25人死亡。容疑者の行動をたどると、これは市民を標的にした「自爆テロ」の構図です。遡(さかのぼ)れば2019年の京都アニメーション放火殺人事件などに繋(つな)がる。今年は小田急線や京王線でも乗客を恐怖に陥れる事件が起きました。「人間の怖さ愚かさ ああ神よ」
 五輪やコロナ禍などにも触れるべきですが、紙幅がありません。パラ五輪で1句。「パラ見つついくたび泣いたことだろう」
     × × ×
 「アパートを逃げた子猫に総出の夜」「あかんかった それがどうした ちと休め」。みなさま、よいお年を。(「朝日川柳」選者)」(2021/12/26付「朝日新聞」P8より)

自分にはその才が無いだけに、これらのウィットにはいつも感心する。
振り返ると、明るい話題は大谷選手の活躍だけ。他はほとんど暗いニュースばかり。
それにしても、年末の大阪ビル放火事件は衝撃だった。その犯人が死亡したと、今日のニュース。26人もの犠牲者は、どう向き合ったら良いのか・・・

それにしても、今さらながら「いつ何が起こっても不思議では無い」と思わざるを得ない。

話は飛ぶが、先日NHKで「健康寿命が過去最長を更新」というニュースが流れていた。

「健康寿命」女性75.38歳 男性72.68歳 男女とも過去最長を更新
健康的に生活できる期間を示す「健康寿命」は、女性が75.38歳、男性は72.68歳で、いずれも過去最長を更新したことが分かりました。

「健康寿命」は、介護などを受けずに健康的に社会生活が送れる期間で、厚生労働省が、3年ごとに全国のおよそ20万世帯を抽出して調査し、推計値を公表しています。

それによりますと、健康寿命は、おととしの時点で、女性が75.38歳、男性が72.68歳で、前回3年前に比べて、女性が0.59歳、男性が0.54歳延びました。

推計を始めた2001年に比べると、女性が2.73歳、男性が3.28歳延びて、男女とも過去最長を更新し続けています。

都道府県別で健康寿命が最も長かったのは、女性が三重県で77.58歳、男性は大分県で73.72歳でした。

一方、最も短かったのは、女性が京都府で73.68歳、男性が岩手県で71.39歳です。

厚生労働省は「脳卒中などで介護が必要になる人が減っているうえ、高齢者の社会参加が増えていることも影響しているのではないか。今後、コロナ禍の影響が出ないか注視したい」と話しています。」(2021/12/29付NHKのここより)

改めて、カミさんと「オレはとっくに健康寿命の平均を超えているんだ~。何の病気を抱えていても不思議では無いんだ!!」と話したもの。

新しい年を迎え、そろそろ遺書でも書いておこうかな・・・

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2021年12月29日 (水)

金子由香利の「めぐり逢い(再会)」

先日、金子由香利の「めぐり逢い」という歌を聞いた。どこかで聞いたような旋律だと思ったら、「再会」であった。

<金子由香利の「めぐり逢い」>

「めぐり逢い(再会)」
  作詞:パトリシア・カルリPatricia Carli
  訳詞:荒木とよひさ
  作曲:エミル・ディミトロフEmil Dimitrov

あれは過ぎた日のことね
だけど 忘れてはいないわ
昔と変わらないあなた
そして この町
ふたり 暮らしていたことが
まるで 嘘のようだけど
手にとるように いま・・・
こころかけめぐるの
あれから あてない
旅に出たけど
想い出だけを
支えに いきていたの

今も憶えているかしら
町のちいさなお店
季節が通りすぎて
ふたりは他人同志
二度とやり直すことは
出来ない過去の夢だから
あなたにとって いま・・・
幸せなら いいの
ふたりの道は また違うけど
想い出つれて 私は旅にでる
想い出つれて 私は旅にでる

なぜ同じ旋律で、2つの歌詞があるのかをググってみた。すると、上の音源は、1974年発売のデビュー2作目の「めぐり逢い」というアルバムに収録されていた音源だと分かった。訳詞は荒木とよひさ。そしてこの時のレーベルはトリオレコード。
その後、1976年にビクターに、そして1980年にフィリップスに移ってからは「再会」として録音したようで、この時の訳詞は矢田部道一。この方がメジャーだ。
その音源は前に(ここ)に挙げた。

それとほとんど同じ編曲だが、別の音源があるので、それも聞いてみよう。こちらの音源はストリングスが加わっていない。

<金子由香利の「再会」別音源>

「再会」
  作詞:Patricia Carli
  訳詞:矢田部道一

  作曲:Emil Damitrov

あら!ボンジュール 久し振りね
その後 お変わりなくて
あれから どれくらいかしら
あなたは 元気そうね
私は 変わったでしょう?
あれから旅をしたわ
いろんな国を見て来たの
少しは 大人になったわ

私って おしゃべりね
引き止めて ごめんなさい
あんまり 懐かしくて声を掛けたのよ・・・

あの方 奥さんでしょう?
とても 素敵な人ね
私に少し 似ているわ
私をどう思うかしら
今の私達は 他人同士なのね
あなたは目には もう なにも
なんにも 残っていないわ

私って おしゃべりね
引き止めて ごめんなさい
あんまり 懐かしくてお話したかったの
今でも あなたを愛しているのよ・・・

ここ)によると、「「再会」の原曲は、ニコレッタNicolettaのJe n'pourrai jamais t'oublier(1969年。作詞:パトリシア・カルリPatricia Carli、作曲:エミル・ディミトロフEmil Dimitrov)です。」とのこと。
このサイトから、原詩の訳をコピペしてみると・・・

「私はあなたをけっして忘れられないわ」

あら、こんにちは、どう、ご機嫌いかが
ねえ、あなた私をまだ覚えてらして?
私、あなたのことを考えてしまうことがよくあるわ
まあそれはともかく、あなたお元気?

あなた、ほんとにあまりお変わりないわね
私は、ほら、たくさん旅をしたわ
ええ、つまりよその国々を見てきたの
であなたは、今何をしてらっしゃるの?

私しゃべりすぎね、お急ぎでしょう
あなたの邪魔をしたくはないのよ
私の口数が多いのは、それはあなたが
昔を思い出してくださるようになの


私と似てらっしゃるってほんと?
あの方も青い目なんですってね
あなたは今、以前よりも幸せだと感じてらっしゃるの?
私、私はあなたを愛してる、変わらずずっと愛しているわ

これが人生ね、何も変えられやしない
私たちは今ではもう他人同士
あなたの目に見てとれるわ
かつての愛はもう残っていないこと
あなたがもう遠くなってしまったことが

私しゃべりすぎね、お急ぎでしょ、きっと
もうこれ以上あなたを引き止めないわ
もう一言だけ言わせて、そしたら行くわ、ね
「私あなたをけっして忘れることはできないわ」
もう一言だけ言わせて、そしたら行くわ、ね
「私あなたをけっして忘れることはできないわ」

日本語訳と比較してみると、その訳の巧さが分かる。

金子由香利の歌では、「スカーフ」も自分の大好きな歌。
新しい音源を追加したので、良かったら聞いて下さい。

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