ある市議の市井の声を聞く姿勢に感動
我が家の、先日の心が明るくなったエピソードである。市議会議員にも、こんな人も居るのだ・・・という話。
先日の昼前、ドアホンがピンポーンと鳴った。カミさんが出ると「市議会議員の玉正ですが、この辺を回っていて、市政に対するご要望とかご意見があったら伺いたいのですが」と言う。
普通は訪問営業が多いので、直ぐに切るのだが、市会議員の本人と聞くと出ないわけにはいかない。カミさんが出て行って、家の前の歩道の落ち葉掃除の苦労話をしていた。
毎年秋になると11月中旬から1月中旬までの2ヶ月間、家の前の道路の向こう側にある小山の木々から降ってくる落ち葉と、歩道の街路樹からの落ち葉の掃除が大変なのである。 歩道を落ち葉が覆うので、歩行者が滑るかも知れない。よって、どの家も、自宅の前の歩道の落ち葉の掃除をする。隣の家がキレイにすると、自分の家だけ放っておく訳にもいかず、結局老骨むち打って清掃してしまう。しかし、ここに引っ越してきてから37年近く。どの家の住人も70代から80代。
もう皆、トシを取っているので、毎日の落ち葉掃除が大変な重労働なのである。
普通は朝一番にするのだが、隣の80代のおばあさんは、毎晩夜に街頭を頼りに落ち葉集めをしていた。
ある日、落ち葉掃除をしていて顔を会わせた時、「もうトシを取って皆大変なので、歩道の清掃は止めたいですね。皆が一緒に止めれば目立たないよね」と話したが、結局、やはり隣がきれいになっているのに、自分の家の前だけ落ち葉だらけでは目立つので、結局掃除してしまう。
何せ、前の小山の繁っていた木々の葉が全て落ちて、空がスケスケに見えるまで全部散るので、その量は膨大。
そんな話を市議さんに話していたら、明日市役所に行くので担当者に聞いてみて、状況は電話で報告します。と言う。
そして次に日にちゃんと市議さんから電話があって、市の担当者に聞いた状況を説明してくれた。詳細は省略するが、直ぐに現地に見に行ってくれるとのこと。
そして、その調査結果をまた電話で報告してくれた。
相手が落ち葉なので、市としての対応には限度がある。それでも、今出来ることと、季節ごとに対策できることがあるので、引き続き見守ってくれるとのこと。
そして数日前、木の収集車を伴って業者が前に山の枯れた木の伐採と下草の清掃をしてくれた。
さて、ここからが本題。
我が家で、市会議員の訪問を受けたのは初めて。まず、選挙が近いのかと思ったが、次の選挙は2年後であり、選挙目当てでは無い。
素直に受け取ると、そもそも議員は国や市民の代表者である。つまりは、選挙区の民の声を行政につなぐのが仕事であるはず。
そんな当たり前の動きを、我々は忘れていた。議員は「家業」。議員は出身利益団体のためだけに動く存在。よって、一般の民には関係の無い存在。そんな風に思っていたが、今回の「事件」によって目からウロコ。
何よりも、議員本人が一軒一軒を回って、「何かありますか?」と聞いて回る努力と姿勢に敬服。
そもそも今回の我が家からの苦情は、林近くの道路に面している家では、たぶんどの家も経験している事象であり、道路管理者にとってもオワリの無い「仕方が無い」事なのだが、それでも市役所の担当者にアクションを起こし、行政としてやれることを探して行動してくれる。
そしてその動きをちゃんと市民に報告し、フォローしてくれる。これは議員が自分でわざと自分を忙しくする行動に他ならない。何もしなければ楽なのに・・・
そんな事で、今回の市議の動きについて、我が家としては感動した。
Netで、もらった名刺から活動の背景を覗いてみた。
「玉正さやか」と検索するとHPがあった(ここ)。
冒頭に
「「小さな声に丁寧に耳を傾ける」
これを出発点に市民に寄り添った政策をすすめていきます!」
とある。なるほど、このスタンスの一環だったか・・・
名刺と一緒のチラシにもこうあった。 「こんにちは。
本日は市政へのご意見をお伺いし、生活者ネットワークの活動をご紹介したく、資料を置かせていただきました。
生活者ネットワークは市民の声を税金の使い方に反映させるため、はつらつレポートや、はつらつタイム (ミニ集会)を通じて情報を届け、ご意見をいただきながら活動しております。
レポートをお読み頂き、ご意見やご感想をお寄せ頂ければ幸いです。
八王子・生活者ネットワーク 市議会議員 玉正さやか」
そしてこの議員は「八王子・生活者ネットワーク」(ここ)という団体に属しているらしい。
そのHPにあったこの団体の姿勢にビックリ。
<八王子・生活者ネットワーク3つのルール>
ルール1:議員は原則2期8年でローテーション
交代制で議員を職業化・特権化せず、世代交代を進めることで参加の層を広げます。
任期を終えた議員は、市民政治を広げるための活動や地域活動などに、その経験を活かします。
ルール2:議員報酬は市民の政治活動資金に
生活者ネットワークの活動はカンパで支えられています。議員も報酬に応じた寄付(カンパ)を行い、市民の政治活動資金に活かします。
お金の流れは公開し、政治資金の透明化をはかっています。
ルール3:選挙はカンパとボランティアで
選挙は、政治に参加する入口です。みんなでお金(カンパ)と、知恵や労力(ボランティア)を出し合い、選挙を行います。」(ここより)
つまり、議員は個人としての地位ではなく、あくまで同じ志を持つ団体の代表者、という位置付けらしい。
議員報酬も個人では受け取らない・・・。
参った。こんな議員活動もあるのだ。
今まで、単に政党の名前だけで投票していたが、今後は、このような実際の活動をみて投票しようと強く思った。(議員の実名を挙げるかどうか迷ったが、選挙の時期でも無いので記載した)
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