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2019年3月21日 (木)

ピエール瀧の作品の自粛に思う

ピエール瀧の出演する作品の扱いについて、色々な対応が出ている。
関連作自粛の流れに一石 瀧容疑者出演の映画、公開へ
 コカイン使用の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者(51)が出演する映画「麻雀(マージャン)放浪記2020」が予定通り4月5日に公開されることになった。配給元の東映が20日、発表した。瀧容疑者の出演シーンも差し替えないという。関連作品の公開を自粛する動きが続く中、評価する声も上がる。
190321taki 白石和彌(かずや)監督は同日、会見で「個人の罪はあるが、作品には罪はないという気持ちで東映と話してきた。公開することになり、ほっとしている」と述べた。
 映画は、戦争で五輪が中止になった2020年の東京を描く作品。瀧容疑者は脇役だが、五輪組織委員会の元会長という重要な役どころで出演する。
 東映の多田憲之社長は会見で、製作委員会への参加社との協議は中止や延期なども含めて「議論百出」だったと明かした。
 いまも意見はまとまっていないが、「劇場での上映は有料であり、鑑賞の意思を持ったお客さまが来場するというクローズドのメディアであり、テレビ放映やCMなどとは性質が異なる」ため、配給会社として判断し、公開を決めたと説明した。
 190321pieru一方、NHKは大河ドラマ「いだてん」で瀧容疑者が登場しないように編集したり、放送済み作品のネット配信を取りやめたりしている。木田幸紀放送総局長は20日の定例会見で「犯罪行為を是認するような取り扱いはしない」などと定めた「国内番組基準」に沿って判断したと説明。「容疑の内容や本人の認否、視聴者に与える影響等々を総合的に判断した」という。「公共放送としては、反社会的な行為を容認する立場は、当然ながら取ることはできない」とも述べた。
 レコード会社「ソニー・ミュージックレーベルズ」は、瀧容疑者が所属するテクノユニット「電気グルーヴ」のCD出荷やデジタル配信を取りやめた。担当者は取材に「逮捕という事態を厳粛に受け止め、コンプライアンスを順守する立場から決定した」と答えた。
 芸能人の権利を守るため弁護士らで作る「日本エンターテイナーライツ協会」は「具体的に吟味することなく、過度に反応し、全てを自粛・削除する傾向が強まっている」として「冷静かつ慎重な対応」を求める声明を18日に出している。
 共同代表理事の佐藤大和弁護士は、「作品を過剰に削除する流れに一石を投じた」と東映の判断を評価する。「自粛は損害を生む。犯罪や不祥事を起こした本人が金銭的な責任を抱えると、更生の機会を奪うおそれがある」とも指摘。「業界は出演者が不祥事や犯罪を起こした場合のガイドラインを作り、犯罪の程度や作品への関与の度合いによって判断するべきではないか」と話す。(小峰健二、真野啓太)」(2019/03/21付「朝日新聞」p38より)
拒否反応の話は多いが、こんな見方もある。
舛添要一氏 ピエール瀧作品の規制に反対「なぜ過剰なまでに自粛するのか」
 舛添要一前東京都知事(70)が19日、ツイッターを更新し、麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)に言及した。
 映画やドラマなど俳優として幅広く活動していた瀧容疑者。衝撃的な逮捕を受け、テレビ局や映画配給会社は対応に追われている。
 舛添氏は過剰な規制には反対の姿勢を表明。
「犯罪行為は法の裁きを受けるべきだが、ピエール瀧の逮捕で、イベント、作品など、なぜ過剰なまでに自粛するのか。そうさせる日本の『空気』とは何か。宗教や道徳が支配する国家に芸術や文化は花開かない。ヒトラーは『退廃芸術』を壊滅させた。品行方正な芸人を権力は好む」とナチス政権を引き合いに、声を上げた。」(2019/03/19付「東スポ」ここより)
何かスキャンダルを見付けると、正義を盾に、メチャクチャに叩き潰す。これは何だろう?
昔、井上陽水が若いとき、同じくクスリをやって、「もうアーティスト生命は絶たれた。二度と復活する事は無いだろう」と言われました。
しかし、そんな話はとっくに忘れ去られて、あの活躍。本当にあの才能が潰されたと想像すると、ゾッとします。
この良く分からないこの正義感は、電車で女の子が「チカンです!」と叫んだときに、指さされた男を取り押さえる男たちと似ている。
真実かどうかも見極めないで・・・
話は飛ぶが、日本の幸福度は、世界で58位だったという。
「幸福度」、日本は世界58位 過去最低
 国連の関連団体は20日、世界の156カ国・地域を対象にした今年の幸せランキング「世界幸福度報告」を公表した。日本は58位で過去最低となった。昨年より四つ順位を下げており、4年連続となる50位台だった。
190321koufukudo この報告は2012年に始まり、14年を除いて毎年公表されており、今回が7回目。1~3位は昨年に続いて、フィンランド、デンマーク、ノルウェーの北欧3カ国が独占した。欧州諸国がトップ10の大部分を占め、米国は19位、韓国は54位、中国は93位だった。
 各国・地域の各3千人程度が16~18年に、生活の満足度を「0~10」で点数化。その数値で順位をつけ、国連の関連団体が1人当たりの国内総生産(GDP)や健康寿命などの6項目について分析した。
 日本は健康寿命で2位、1人当たりGDPで24位となったものの、人生の選択の自由度(64位)、寛容さ(92位)が足を引っ張った。
 報告の編集者のジョン・ヘリウェル氏によると、東南アジア諸国では、幸福度を中央値付近の「5」と答える割合が高く、このことが、日本の点数が低い原因にもつながった可能性があるという。(藤原学思)」(2019/03/21付「朝日新聞」P13より)
この話題について、さっき(2019/03/21)の夜7時のNHKニュースで、「健康寿命」は2位、「1人あたりのGDP」は24位、「腐敗の無さ」が39位、「社会的支援」が50位、そして「社会の自由度」が64位、「他者への寛大さ」が92位だったという。
移民が暮らしにくい国、ニッポン。閉塞的な国民性? ムラ社会の日本?
芸術は、通常の感覚からは生まれない。他人に迷惑を掛けているわけではない。という観点から、少なくても過去の作品まで、葬り去るのはどうなのだろう。
その作品には、当該者以外の、多くの人たちの汗も入っている。それを十把一絡げに!?
多くの人の汗の結集としての作品と、違法行為を犯した個人の社会的責任とは別物だと考えたいが、どうだろう?
彼の有名なベルリオーズの「幻想交響曲」も、ベルリオーズがアヘンを吸った状態で作曲したと言われている。
品行方正の人からは芸術は生まれない。
先の新井浩文の自粛もまったく同じ。
両者とも、実に味のある演技をしていた。それが袋叩きで退場させられるのを、残念に思う。


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