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2019年2月18日 (月)

安倍総理がトランプ大統領を『日本を代表し(ノーベル)平和賞に推薦』!?

最近のバッカみたいニュースの代表例がこれだ。
トランプ米大統領 「安倍首相がノーベル平和賞に推薦」「最も美しい手紙」
 【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は15日、北朝鮮との緊張緩和を理由に「安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦された」と明らかにした。
 トランプ氏は同日、ホワイトハウスでの記者会見で、政権発足前は「戦争突入目前だった」対北朝鮮関係が、「現在はミサイル発射や核実験もなくなった」と外交成果を強調。そのうえで、「安倍首相から、彼がノーベル賞委員会に送ったすばらしい書簡の写しを渡された。『日本を代表しあなたを平和賞に推薦する』とのことだった」と述べた。
 トランプ氏は、推薦理由を「日本上空をロケットやミサイルが飛ばなくなり、警報も鳴らなくなったからだ。日本国民は安心を感じている。私のおかげだ」と説明。「自分が受賞することはないだろう」と予想する一方、安倍首相による推薦状は「最も美しい5ページの手紙だ」と上機嫌で語った。
 またトランプ氏は今月27、28日にハノイで予定される2回目の米朝首脳会談に関し、「多くの成果を上げた初回と同様の幸運を期待している」と非核化の進展に楽観的な姿勢をみせた。」(
2019/02/16付「毎日新聞」ここより)

これに対して「ワシントンポストは、「トランプはノーベル賞に推薦されたと言うが、本当に日本の安倍が?韓国の文ではなくて?」とタイトルに疑問符を2つ並べ、「トランプ大統領の言葉に、その場にいた大勢が驚いた」と報じた。」(ここより)とも、「記者会見で唐突に飛び出したこの発言に、各国で驚きの声が広がった。「信じられない」といった反応もあれば、安倍氏の「交渉の巧みさ」を評価する声も。一方、単にトランプ氏が「勘違い」をした可能性も指摘されている。」(ここより)とも報道されている。

世界が「驚いた」のはなぜか?それは、日本人はそんな常識外れなことをする国民では無い。という信頼感からでは?
しかし、「森羅万象全てを担当している」安倍首相は、自分の考え方、自分の言動の全てが「日本を代表」すると勘違いしているらしい。まさに独裁国家「日本国の王」とでも思っているようだ。

そして、それはやはり事実だった。今朝の天声人語では・・・
「(天声人語)ノーベル賞級のお追従
 「私は何があってもあなたと行動をともにする」。熱い書簡をブッシュ元米大統領に送ったのは、ブレア元英首相である。「ブッシュのプードル犬」と内外でやゆされた▼強引にもブッシュ氏は「大量破壊兵器を隠し持っている」という誤った見立てで、イラクに攻め入る。ブレア氏が続く。環境や教育では成果を上げたものの、ブレア氏の対米追従ぶりは英国の威信をおとしめた▼ではこちらの首相のふるまいはどうか。安倍晋三首相がノーベル平和賞の候補にトランプ米大統領を推薦したそうだ。先週金曜日、大統領が会見で誇らしげに明かした。「最も美しい5ページの推薦状」を首相から受けとったという▼ご親切にも、推薦された当人が解説している。「北朝鮮によるミサイル発射や核実験はなくなった。日本人は安心を実感している。私のおかげだ」。残念ながら、当方の実感とはまるで違う。安心どころか、米朝間の危うい駆け引きに不安は募るばかりだ▼米国から日本に「推薦してほしい」と打診があったという。賢く断る手立てはなかったのだろうか。大統領によると、「日本を代表して敬意を込めてあなたを推薦した」と首相から言われたそうだ。日本人の多くはむしろ眉をひそめてはいまいか▼「壁」だの何だの世界のあちこちで平和を壊しているトランプ氏に、これほどふさわしくない賞はほかにあるまい。言われるがまま、その賞に推薦するとは、それこそノーベル賞級のお追従(ついしょう)ではないか。いかにも外聞が悪い。」(
2019/02/18付「朝日新聞」「天声人語」より)

政権に近い田崎史郎氏までも「拉致問題、安全保障はすべてトランプ大統領頼み。安倍首相はトランプ大統領の協力が必要なのでノーベル平和賞に推薦したのでは」(2019/02/18TV朝日「モーニングショー」より)とのコメント。
それにしても、こんなポチ外交は、世界に対し日本人の品性をおとしめる。

加えて、やはり今朝の朝日新聞の「政治断簡」が面白かった。
「(政治断簡)ええーっ?!あきれてみれば 編集委員・高橋純子
 春って曙(あけぼの)よ!
 随筆「枕草子」を大胆に「桃尻語訳」して世間の度肝を抜いた作家・橋本治さんが亡くなった。いと悲し。
 6年前、「数こそ正義よ!」と暴走し始めた政治に抗したいと、執筆を頼みに事務所を訪ねた。「ああでもなくこうでもなく」と話は脱線と跳躍を重ねて思いもよらぬ結論へと至り、こちらがギョッとするたびうれしそうだった。
 果たして2014年2月5日付朝刊に掲載された原稿は、安倍政権下の政治を「身内」というキーワードで読み解く。曰(いわ)く――政治の世界で「身内」とは、「反対の声が起こる余地のない集団」で、「身内なら、話せば分かる」ということが信じられる、特別な集団らしい。政治家は反対意見を持った国民を「身内」とは思っていない――。
 その後に露呈した森友・加計学園問題や、首相の「こんな人たち」発言などを踏まえれば、その先見性と洞察力はさすがと言うほかない。首相官邸の報道室長が内閣記者会宛てに出した、官房長官会見における「特定の記者」の質問を問題視する文書を過日、遅まきながら一読した際も、橋本さんだったらどう言うだろうと夢想した。いと寂し。
     *
 この文書がいかに不当かはすでに指摘され尽くしているので繰り返さないが、私が文面から強く感じたのは威圧とか制限とか、そういうストレートな権力行使の意図……のもっと手前にある、ぶよぶよと肥大化した「身内意識」と、その裏返しとしてある「いじめ体質」だ。
 文書には「東京新聞の特定の記者」とだけ記され、要請されているのは「問題意識の共有」。ある意味難解なので私なりに桃尻語訳してみる。
 「あいつウザくね?」
 「ハブっちゃえよ」
 あ、ちなみに「ハブる」とは「仲間はずれにする」という意味です、はい。なれなれしく勝手に肩に手を回してきて、「わかるよな。な?」なんて言われているようで不愉快極まりない。こういうしみったれないじめに対して、「国民の知る権利」一本やりではいささか心もとない。中学生のいじめに、一般論として命の大切さを説く、みたいな。
 実際、12日の国会でこの問題を追及された官房長官は、1日2回も会見している国は他にない(「知る権利」は十分尊重している)、当該記者の質問は、取材じゃなく「決め打ち」とまで言い放った。
 もしもし? もしもーし。
 相手に非があろうとなかろうと、いじめはだめ。以上。
     *
 力まかせの権力行使には防御も反撃もしやすいが、ぬっと忍び込んでくるタイプに抗するのは意外と難しい。
 橋本さんはベストセラー「上司は思いつきでものを言う」で、思いつき上司には「ええーっ?!」とあきれればいいという対処法を示した。
 応用してみよう。
 「問題意識の共有を」
 ええーっ?!
 「自民党総裁として、言論の自由がある」
 ええーっ?!
 これ、いいかも。語尾をめいっぱい、すっとんきょうに上げるのがポイントです。」(
2019/02/18付「朝日新聞」p6より)

今読んでいる佐伯泰英の「居眠り磐音」というチャンバラ小説。全51巻のうち、今は47巻目。歴史の残る名作では無いにせよ、なぜ2000万部も売れているか?それはたぶん、スカッとしたい読者に満足を与えているから・・・?? TVドラマの「水戸黄門」と同じで、勧善懲悪。悪者をやっつけることで満足を得る。

日本の政治の世界は、長期政権の澱(おり)が蔓延している。それを揶揄する記事にスカッとしている。そんな状態で、本当に良いのだろうか?


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