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2018年9月 5日 (水)

「まっとう」が良く分かる「緊急出版!枝野幸男、魂の3時間大演説」

先日、カミさんが、ある新聞広告に反応した。“緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」”。
180905edano カミさんが読みたいというので、早速図書館にリクエストしてみたが、ベストセラーということなので、こりゃダメだと、通販で購入。2018年8月10日第一刷発行だが、送られて来たのは8月25日第四刷だった。やはり売れているらしい。

国会の演説の本。あまり聞いたことが無い。その主旨は?と本を開くと、発行理由としてこんな事が書いてあった。
本書の刊行理由
 2018年7月20日、第196回国会は実質的な最終日を迎えていた。1月22日に召集されたこの国会は、当初150日間の会期が予定されていた。しかし、政府与党は重要法案と位置付けるカジノ法案や参議院議員定数増案などを成立させるため、約1か月間の会期延長を決めた。延長国会の最中、大阪北部地震や北海道、西日本の水害と、さまざまな災害が起き、その度に野党は、国会審議よりも災害対策に力を入れるよう、政府与党に申し入れを繰り返してきた。だがその都度、野党側の要請はむなしく政府与党により却下され、ついに国会は最終日を迎えたのである。

180905edano0  森友・加計問題、働き方改革法案でのデータ偽造、そして公文書改ざん問題と、憲政史上稀に見る不祥事連続の国会の最終日であるこの日、野党は共同して、内閣不信任案を提出した。
 この不信任案決議の趣旨弁明演説を行ったのが、衆院の野党第一党である立憲民主党の代表・枝野幸男議員である。
 枝野による内閣不信任案趣旨弁明演説は、2時間43分の長きにわたった。この演説時間の長さは、記録が残る1972年以降で、衆院最長記録だという。しかしこの演説の特色は演説時間の長さにあるのではない。この演説の特色は、その内容にこそあるのだ。

 演説の内容は多岐にわたる。終盤を迎えた今国会の総括、森友・加計問題でみせた政府の不誠実な対応への指摘、公文書改ざん等に象徴される緩んだ行政への叱責、不誠実な対応に終始する政権への批判など、枝野議員の舌鋒は、この長時間の演説の中で鈍ることはない。そしてなによりもこの演説を特別なものとしているのは、枝野議員が、議会制民主主義とはなにか、議院内閣制とはなにか、国家とはなにか、政治とはなにかをあますところなく述べるくだりであろう。この演説は、その正確さ、その鋭さ、そして格調の高さ、どれをとっても近年の憲政史に残る名演説といってよいものだろう。

本書籍は、広く関心を集めたこの名演説を書籍化することで、読者各層に、
「今の日本の議会制民主主義がどうなっているのか」
「本来、議会制民主主義とはどうあるべきなのか」
 の議論の材料を提供することを趣旨としている。

野党第一党である立憲民主党の党首が衆議院本会議で行った内閣不信任案趣旨弁明演説である以上、演説の内容は本来、国会議事録で読まれるべきものである。しかし現実として、議事録を読む有権者は極めて少ない。また、昨今の報道情勢からみるに、この演説をテレビメディアなど音声媒体が取り上げる可能性も極めて少ない。
・・・・(略)・・・

国会で何が起きているか?
与党は本当に誠実に答弁しているのか?
野党は反対ばかりなのか?
野党はサボつているのか?

 国会での野党の発言は一部だけ切り取られ面白おかしく報じる一方、安倍晋三総理大臣以下各閣僚のメチャクチヤな発言さえも、わざわざ「理解しやすいように」咀嚼して報じるという姿勢に終始する大手メディアの報道だけでは決して理解することのできない、「本当の国会の姿」が、野党各党党首の演説から、見えてくるはずだ。」(「緊急出版!枝野幸男、魂の3時間大演説」p4より)

そして、この演説は原稿の棒読みではなく、数枚のレジメ(要点のメモ)から生まれたという。
あの演説はこのメモから生まれた
 約3時間(2時間43分)に及ぶ、記録が残る1972年以降で最長となる演説。
180905edano1  枝野氏は入念な原稿を準備して演説に臨んだのかと思いきや、取材の結果出てきたのは、「言いたいこと」の要旨をピンポイントでまとめただけのこれらのレジュメであった。
 本書は国会中継動画から聞き取った音声を、ほぼそのまま文字起こししたものである。そのため、ほとんど編集者の手を入れていない。
180905edanoenzetu それで、これだけ「読める」文章になっているのである。
 普段、原稿をじっくり見ながらでないと長丁場の演説をしない議員や、「ご飯論法」や「信号無視話法」と言われた答弁の書き起こしと改めて比較してもらえれば、「国会議員の誠実な発言」とは何かが見えてくるだろう。」(
同p8より)

確かに、普通、実際にしゃべった言葉を文字にすると、同じ事を繰り返したり、恥ずかしいくらい散々なのが普通。(自分も現役時代に、会議録の文字起こしをしたので良く分かる。)
それがこの演説は、まるで熟慮された原稿を朗読したかのように言語明瞭、文体明瞭、そして意味明瞭なのだ。
編者が、この演説を聞いて本にしようと思い立つのも分かる。
ところで、いったい誰が書籍化を思い立ったのかと見ると、編者は「ハーバー・ビジネス・オンライン編集部」(ここ)とある。Netで検索すると「扶桑社が運営する、"忖度しない"Webメディアです。日本が「近代」であるために、本当に“知るべき”情報を提供していきます。」(ここ)とのこと。

確かに衆議院第196回国会 本会議 第45号の議事録(ここ)を覗けば、同じ発言は文字化されている。しかし、それを読む人は少数。

もちろんこの演説はYoutubeにもアップされており(ここ)、見ることはできる。しかし書籍になった方が早く読める。

「ハーバー・ビジネス・オンライン」(ここ)の記事を読むと、この本より早く枝野演説をWebにアップした人がいるという。犬飼淳という方のサイトで(ここ)、演説の直後から無料公開していたという。(上の演説要旨の写真もこのサイトから借用)

この演説は、次の言葉で締めくくられている。
「良識ある議員の皆さんが、次の内閣改造で大臣になれるか、副大臣になれるか、政務官になれるか、次の選挙で公認されるかとか、そういうことを頭から取っ払って、みずからの信念と歴史への謙虚な姿勢、その歴史というのは未来の歴史に対する謙虚な姿勢であり、保守を称するならば、我が国の過去の失敗の歴史も含めた我が国の長い歴史に謙虚に向かい合い、この内閣不信任決議案に賛同されることをお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。」

この本の最後に、千葉商科大学特別客員准教授 田中信一郎氏が解説で、こう述べている。
「枝野演説には、過去の提案理由説明や国会演説と異なる3つの特徴があります。
第1の特徴は、国会議員の賛否態度に変容を迫る演説であった点です。・・・・・
第2の特徴は、実質的に「建設的不信任案」の提案理由説明になっていた点です。・・・
第3の特徴は、広く一般の有権者に向けた演説でもあった点です。・・・・」(
同p117より)

まさに「今後、このように一人一人の議員の政治的良心に訴える演説が増えていけば、合意形成の場としての国会が活性化していくでしょう。」だろう。

一方、Amazonのコメントを見ると、この本を評価する人と評価しない人に大きく分かれている。政治の話なので、批判的なコメントが多いのは分かる。
しかし、枝野氏が指摘している事は“事実”。それらに触れずに、情緒的な非難が多いように感じた。

話は飛ぶが、22年前、親父の葬儀の時、最後の挨拶に立った兄貴が、長い挨拶をした。生前、親父と親交のあった人たちを、一人ずつ名を挙げてお礼を言った。後で、「良くそんな長い挨拶を原稿も無しでできるな」と言ったら、頭の中に話す順のレジメ(目次)を置いておき、それに添って話をするのだと言っていた。
この枝野さんの演説も同じ。話したい事が頭に詰まっているので、目次さえ用意しておけば、それに従って言葉はスルスルと出てくるのだろう。まさに原稿棒読みの総理大臣とは雲泥の差。

読み終わったときに、ジーンとした感動が胸をよぎった。枝野さんがいつも言っている「まっとう」という言葉が良く分かった。
そして、マスコミによって?自分もそう思っていた「時間稼ぎのための演説」という大誤解が、何とも恥ずかしい。
加えて、自分も「野党は何でも反対」と思っていた大誤解・・・。知らなかった・・・
「そもそも、多くの国民の皆さんは誤解をされているかもしれませんが、よく与党の皆さんなどが、野党は何でも反対と言っているのは、これは大うそつき、デマですからね。成立している法律等の約半数は全会一致であるということは、議場にいる皆さんならば、一回生議員の皆さんも十分御承知だと思います。
 自民党から共産党の皆さんまで、全会一致で約半数の法律がつくられています。野党第一党、現状では、私ども立憲民主党に限れば、今国会では八割の法案に、実は政府提出法案、賛成をしています。実は、二割の反対についても、多くの場合は審議に協力をしています。・・・・
 野党が徹底的に反対をしているのは、安倍内閣になって急にふえてきていますが、従来、言えば一年間に一本、二本あるかどうか。この国会でも、決して両手で数えなきゃならないほどの数はありません。何でも反対をしているというのはデマです。
 そもそもが、立法過程というものを御存じない方が、野党は何でも反対だなんというデマを流すんです。」(
ここより)

我々の情報のインプットは、TVや新聞。それらによってある意味洗脳されている?
それらを超えて、真実を見極めることの大切さを、枝野さんの演説から教えられたように思う。
この本を買わなくても、Youtube(ここ)、または国会の議事録(ここ)で枝野さんの「魂の3時間大演説」を広く聞いて欲しいと思う。

まさに、到底歴史の審判に耐えられない、そして日本人として恥ずかしい“まっとうでない”今の政治状況である。

180905edano2 ちなみに、この演説の最中、肝心の安倍総理はそれを無視して読書していたとのこと。(ここより)


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コメント

私もこの演説はわかりやすかったです。

投稿: Tamakist | 2018年9月 7日 (金) 18:39

枝野さん、頑張ってますね。
将来、政権を任されるときには、身辺警護に留意してくださだいね。闇の支配者のいうことをきかなかった角栄さんや龍太郎さんの結末のようにはなっていただきたくはありません。そうでなくても、村山首相時代の阪神淡路大震災(1月17日早朝、1+17=18→666)。菅直人首相時代の東日本大震災(3月11日、11÷3=3で余2、3×3×2=18→666)。自民が弱くなった時に起こる(起こされる?)大災害などの嫌がらせ。熊本大震災もTPP絡みとか(4月14日、4+14=18→666)。
今回の台風21号、胆振大震災(9月6日、9÷6=1で余3、 6×1×3=18→666)も今の自民の状況に照らせば、同じたぐいでしょう。
闇の支配者はなぜか666へのこだわりがあるようです。
因みに9.11テロも同じたぐいです。(9月11日、11÷9=1で余2、9×1×3=18→666)

投稿: 心配症の男 | 2018年9月 8日 (土) 03:01

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