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2018年8月27日 (月)

児童養護施設と特別養子縁組~親と子の関係

親と子の関係は難しい。望まれて生まれ、すくすくと育つ子どもは良いが、その裏側に、親から棄てられる子どもも居る。戦後の混血孤児を育てたエリザベス・サンダースホーム(ここ)などはその冴えたるものだが、現代でも、不遇な子どもは幾らでも居る。
少し前だが、朝日新聞にこんな記事があった。

「(信州総文祭)伝える大切さ、訴え 児童養護施設の経験糧に 弁論部門
 信州総文祭で8日、弁論の部門が始まった。最初に登壇したのは、地元、長野県長野西高校の飯田芽生愛(めいあ)さん(3年)。なぜ弁論をするのか。児童養護施設で育った経験をふまえ、伝えることの大切さを訴えた。
 「みなさんは、児童養護施設についてどのようなイメージを持っていますか」
 7分間のスピーチをそう始めた。生い立ちを語る飯田さんを、数百人の聴衆が息を詰めて見守っている。
 小学校に入る前、父親に暴力を振るわれていた母親が自殺した。その暴力は自分に向かい、小学2年から児童養護施設で暮らす。
 「かわいそう、捨て子、荒れている……」「実際は、そうとは言い切れません」
 気にかけてくれる職員がいる。部活動に打ち込む日々は友人たちとそう変わらないと思う。ただ、進学には費用面でも壁がある。施設の子どもが巣立った後も、頼れる居場所を作ることが夢になった。
 2年前、東日本大震災被災者の支援をする財団法人に、思いの丈をつづった長いメールを送った。財団法人は翌年度、施設の子ども向けに奨学金を創設。飯田さん自身も、審査を経て支給を受けることができた。
 「伝えることで、変化を生み出すことができる」
 ここで声に力をいれた。
 「少しでも関心を抱いてくれた方がいること、それこそが、私がここに立つ意味です」
 ステージを降りると、ぴっちり留めていた前髪を下ろし、よく笑う普段の姿に戻った。(上田真由美)」
(2018/08/09付「朝日新聞」p33より)

上の高校生は「伝える大切さ」を訴えたが、我々もそれらに目を向けて、現状を知る努力が必要なのだろう。

そして、上の高校生は「施設の子どもが巣立った後も、頼れる居場所を」と言っていたが、人間は誰も、居場所が必要。

今日(2018/08/27)の朝日新聞の夕刊に、こんな記事もあった。
託す親と託された子、切れぬ絆 特別養子縁組、施行30年
 血のつながりがなくても、戸籍上の親子になれる特別養子縁組制度が始まって30年を迎えた。子を養親に託した「生みの親」にどんな事情があったのか。生みの親が別にいると知らされた子は何を思うのか。二つの家族の姿を追った。
     *
 1本の電話で、オクダさん(35)は人生が一変した。
 「逮捕しました」
 約3年前、結婚を約束していた男性が詐欺グループの一員だと警察から告げられた。それまで、会社を経営していると信じていた。
 当時、妊娠5カ月。「人をだましたお金でこの子を育てたくない」。中絶も考えたが、病院で子どものエコー写真を見たら、できなかった。
 1人で育てても、乳児院に預けても、「犯罪者の子ども」になるのが嫌で悩んだ。実父との関係が戸籍に残らない特別養子縁組をインターネットで知り、養子に出そうと決めた。妊娠8カ月のときだ。
 NPO法人「Babyぽけっと」(本部・茨城県)を通じて養親が決まった。出産の日には、「もう少し、おなかにいてくれないかな」と思った。生まれた娘は「ちっちゃくて可愛かった」。育てたかったが、「ちゃんとした家庭で育って欲しい」とあきらめた。
 母の日には、養親から写真や娘が描いた絵が届く。「私が母でいるのを認めてくれているようでありがたい。普通とは違う事実を背負わせたが、娘に強くたくましく生きてほしい」
 オクダさんは、「Babyぽけっと」の相談員として、支援が必要な妊婦の悩みを聞き、養子縁組の助言もしている。風俗店で働いていたり、漫画喫茶で寝泊まりしていたり。母子手帳もなく、妊娠後期に相談に来る未成年が多いという。
 「喜んで子どもを手放す親はいない。同じ思いの人が少しでも楽になってくれたら」
     *
 愛知県の会社員女性(23)は生後2日目に、特別養子縁組で今の家族に引き取られた。
 「経済的に育てられない。幸せになってほしいから養子に出した」。女性が18歳だった5年前、母に託されていた「実母」の手紙を読み、怒った。「大人の勝手な都合。捨てられた」。女性は実母を許せず、抗議の手紙を書いた。でも、「事情があったかもしれない」と、捨てた。
 一方で、「実母はどんな人?」という気持ちがこみ上げた。気持ちを落ち着けて、「会いたい」とつづった。
 返事が届く。「会えない」の文字を見て、女性は、自分と似た字だと思った。近況などをやりとりしていると、3通目の返事に、「会いましょう」と書いてあった。
 実母との再会は約4年前の夏で、女性は19歳。実母が女性を産んだときと同じ年齢だった。怒りはなく、うれしくて涙があふれた。なぜ自分を育てなかったのか。実父はどんな人なのか。知らなかった過去を聞き、「自分の中で欠けていたものが埋まった」。
 女性は将来、結婚して子どもを産みたいという。「育ててくれた母は産めなかったから、私が産んで親孝行したい」(竹之内直道)

 ■成立件数、10年で急増
 特別養子縁組は、全国210カ所の児童相談所と29の民間事業者(4月1日現在)が仲介している。成立件数は最近10年で急増。2017年度は616件(速報値)で、07年の289件から倍増した。
 国は16年6月、児童福祉法を改正し「家庭と同様の環境」での養育が必要と掲げた。今年4月には民間事業者の適正な運営などを目的に、事業を都道府県への届け出制から許可制に変更。また制度の対象は原則6歳未満で、生みの親の同意が必要だが、家庭養育の促進のため年齢の引き上げなどが検討されている。
 特別養子縁組に詳しい日本女子大学の林浩康教授(社会福祉学)は「ここ数年で永続的な家庭環境が必要だとの認識が定着してきた。子どもが育つ環境が安定しているのは大切なことだ」と話している。」(
2018/08/27付「朝日新聞」夕刊p11より)

特別養子縁組で育てられる子どもは、児童養護施設に比べると良い方なのかも知れない。
しかし、両親がそろっていても大変な事は多い。

今日の夕方のNHK首都圏ニュースで「いまが注意 子どもの自殺防止を」(ここ)という番組を放送していた。
「小中学生と高校生の自殺は、これまで夏休みが終わった直後の9月上旬が最も多くなるとされている」とのこと。
番組の中で、子どもに死なれた母親の発言が重かった。
「12年前に中学2年生だった息子の啓祐さんが「いじめられてもういきていけない」と遺書を残して亡くなりました。美加さんは、そんな啓祐さんの気持ちに気づけなかったことを今も後悔し続けています。・・・」
これも結局、“居場所”・・・・。

小学生の自殺もあると聞き、NetでググってみるとH28年度の文科省の調査で、「自殺した児童生徒数は,小学校 4 人(前年度 4 人),中学校 69 人(前年度 56 人),高等学校171 人(前年度155 人)。全体では,244 人(前年度215 人)。自殺した児童生徒が置かれていた状況として「いじめの問題」があった児童生徒は10 人(前年度9 人)。」ここ
という状況らしい。
小学生でもイジメで自殺とは・・・
死なれた親の心中は、察して余りある。

結局、親(親権者)が子どもを日常的にどう見守っているかに尽きる。子どもに居場所が無くなると怖い。
我が家を見てみると、40にも届く息子たちに対する母親の感度は、まさに動物的なものを感じる。まさに「男は頭で考え、女性は子宮でものを考える」という言葉通りである。
「不惑」という言葉通りに、「もう放っておけば」と言うのだが、上の記事と違って「一般家庭」と自負する我々とて、いつまで経っても難しい親と子の関係である。


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