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2018年6月18日 (月)

映画「空飛ぶタイヤ」が良かった~「闘う戦士たちへ愛を込めて」

今日は、カミさんと映画「空飛ぶタイヤ」を見てきた。これが意外と良かった。カミさんも大満足。
この所、久しぶりに映画館に行っている。先日は「ゲティ家の身代金」を見て、次は「万引き家族」を見る予定。
この映画は、カミさんが主題歌とともに大のお気に入り。「反撃開始!」や「事故か事件か」「俺が闘わなくて誰が闘う」というキャッチコピーが気に入っている。

公式HPのストーリーにはこうある。
「よく晴れた日の午後に、1台のトレーラーが起こした脱輪事故。
整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、警察で信じられないことを聞く。
突然タイヤが外れた、と。
180618sora1 港北中央署刑事の高幡(寺脇康文)らに整備不良を疑われ、世間やマスコミ、銀行からもからバッシングをされる毎日。自暴自棄になりながらも、赤松運送の専務・宮代直吉(笹野高史)、整備士・門田駿一(阿部顕嵐)や妻・史絵(深田恭子)の支えもあり、独自の調査を開始した赤松は、車両の構造そのものに欠陥があるのではないかと気づき、製造元の大手自動車会社・ホープ自動車へ再調査を要求する。
一方、ホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)は、再三にわたる赤松の要求を疎ましく想いながらも、同僚の小牧重道(ムロツヨシ)や杉本元(中村蒼)と調査を進めていく内に、社内でひた隠しにされる真実の存在を知る。
180618sora2 同じ頃、ホープ銀行の本店営業本部・井崎一亮(高橋一生)は、週刊潮流の記者・榎本優子(小池栄子)より、グループ会社であるホープ自動車について探りを入れられ、その杜撰な経営計画と、ある噂について疑問を抱く。
それぞれが辿りついた先にあった真実は、大企業の“リコール隠し”──。
過去にも行われていたそれは、二度とあってはならないことだった。
その真実の前に立ちはだかる、ホープ自動車常務取締役・狩野威(岸部一徳)。
果たしてそれは事故なのか事件なのか。
男たちは大企業にどう立ち向かっていくのか。
正義とはなにか、守るべきものはなにか。
日本を代表するオールスターキャストによる世紀の大逆転エンタテインメント!」(
ここより)

まさに三菱自工による2002年の「大型トレーラーのタイヤ脱落事故」をベースにしている。内容が非常に分かり易く、TVドラマ的。勧善懲悪が気持ち良く、安心して見ていられる。
映画のエンディングに流れる主題歌がこれ。

<サザンオールスターズの「闘う戦士たちへ愛を込めて」>

「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」
  作詞・作曲:桑田佳祐

悲しい噂 風の中
悪魔が俺に囁いた
この世はすべて裏表
嘘と真実(まこと)の化かし合い

一か八かの勝負時
いつもアイツが現れる
悪意のドアをこじ開けて
心の隙間に忍び寄る

自分のために人を蹴落として
成り上がる事が人生さ
それを許さず抗(あらが)う相手には
殺(や)られる前に殺(や)るのが仁義だろう?

寄っといで 巨大都市(デっかいまち)へ
戦場で夢を見たかい?
しんどいね 生存競争(いきていくの)は
酔いどれ 涙で夜が明ける


時に気高く 情け深く
組織ん中で振る舞えば
同じ匂い嗅ぐハイエナが
餌を求めて群れをなす

疑惑の影が追ってくる
悪い予感に身悶える
魔力を持ったオンナ達
それに魂を売るオトコ達

西陽が俺の孤独を憐れんで
振り返ればそこに長い影
道に倒れた人を踏み越えて
見据えたゴールへとひた走る

さあ、おいでタフな野郎は
根性ねえ奴ぁ オサラバ
Night and Day この企業(ばしょ)で
闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて


大量の株が売られていった
何故だろう?
噂がひとり歩き始めた
どうしたの?
弊社を「ブラック」とメディアが言った
違う違う

寄っといで 巨大都市(デっかいまち)へ
戦場で夢を見たかい?
しんどいね 生存競争(いきていくの)は
酔いどれ 恋も捨てて…

さあ、おいでタフな野郎は
根性ねえ奴ぁ オサラバ
Night and Day この企業(ばしょ)で
闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて

この歌詞は、物語を頭に浮かべると何となく分かる。しかし「大量の株が売られていった」という歌詞は、何を差しているのだろう。別の事件か・・・?

映画の封切り日である6月15日の新聞広告にはビックリ。2ページにわたる全面広告には、180618soratobu 上の主題歌の歌詞全文が載っていた。「本日、反撃開始!」である。

この物語に限らす、企業の不祥事では、内部告発は欠かせない。内部告発無くては、企業犯罪を立証することは難しい。この物語も同じ。自浄作用がせめてもの救い。
愛媛県の中村時広知事が「うそは他人を巻き込むことになる」と言っていたが、企業のウソも、多くの社員や関係者を巻き込んでいく。しかし不祥事を起こす大企業にも、このように心ある社員は居る。しかし企業はその人たちを排除する。会社の事を考えて、と言いながら、その全てはエライ人の保身。どこかの国の政府と同じだ。

細かくは映画を見て頂くとして、見終わった感想は、夫婦ともに「良かったね~~!」。
こんな映画も珍しい。
今朝、Net予約で席を取ったときは、2~3人しか席が埋まっていなかった。カミさんも、平日とは言え封切り直後なのに、どうなることかと思っていたと言うが、行ってみると館内はそれなりに混んでいた。

今の日本の政治の世界は、閉塞感が充ちている。国民は、どうしようもないやりきれなさで一杯。
我々も一人ひとりは微力だが、赤松社長のように、「本日、反撃開始!」と戦いたいものである。

(追)
2018年6月2日付朝日新聞の全面広告に、原作者の池井戸潤さんのコメントが載っている。
「正義とはなにか。守るべきはなにか――」
<事件の影にある多くの「人生」を重層的に描いた>
ある日突然発生した、トレーラーのタイヤ脱落事故。整備不良が原因と指摘され窮地に陥った運送会社が、製造元の大手自動車会社を相手に決死の闘いを挑む物語『空飛ぶタイヤ』はいかにして生まれたのか? 原作者の池井戸潤さんに聞いた。

 この作品を書いたのは、今から13年前。ちょうど、大企業の不正やリコール隠しが相次いで表面化し、コンプライアンス(法令遵守)という概念が世で取りざたされ始めた頃です。
 僕自身、ニュースを見ていて、大企業なら許されるのか、また、法にさえ触れなければ何をやってもいいのか、といった疑問を感じていた。そこで、責任を負わされた小さな会社が日本有数の巨大企業に立ち向かっていく物語を書き始めました。
180618soratobu1  扱うモチーフがモチーフだけに、社会派作品、企業小説と位置づけられがちでしたが、描いているのはあくまでも「人」の物語。運送会社の運命を背負う主人公・赤松や自動車メーカーの担当者・沢田をはじめ、70人近くの人々が登場し、それぞれの立場で事件に対峙します。いわば70個もの人生が、事件の期間で輪切りにされているのが、この物語です。人々ののキャラクターがブレないように、執筆中は神経を使いました。
 映画『空飛ぶタイヤ』は、この長大な原作のエッセンスを的確に抽出し、しかも監督ならではの映像表現で見事にまとめてくださいました。長瀬智也さんが演じた熱い赤松と、原作のイメージ通りにクールなディーン・フジオカさんの沢田、その関係の変化がサラリと、かつ繊細に描かれていて、好感を持ちました。
 映画には登場しませんが、小説には、事故と同時期に赤松の家族に起こる、もうひとつのミステリアスな「事件」のエピソードが盛り込まれています。映画とともに楽しんでいただければと思います。」(
2018/06/02付「朝日新聞」p5より)


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コメント

私も最近は映画によく行きます。今年にはいって観た映画は(METライブビューイングで観た5本のオペラを別にして)、4月に「ペンタゴン・ペーパーズ」、「ウィストン・チャーチル」、それからつい最近観た「万引き家族」の3本です。是枝監督の映画は「万引き家族」のほか、カンヌ映画祭審査委員賞の「そして父になる」を5年前に観に行ったことがあります。(ついでながら、このときの審査委員長はスピルバーグで、「ペンタゴン・ペーパーズ」はスピルバーグ監督作品です)。是枝作品はこれ以外にもTV(WOWOW)で放映された「海辺の街Diary」や「歩いても歩いても」も観ています。是枝映画には、どれもちょっと変わった家族が登場します。家族とは何かを考えようとしているのでしょうか?「万引き家族」がどんな家族なのかは、エムズさんがまだご覧になっておられないようなので、差し控えますが、この映画を観るとき、「空飛ぶタイヤ」にするか、「万引き家族」にするかでちょっと迷ったのですが、家内が前者は原作を読んでいるというので、カンヌ映画祭バロンドール受賞作品(「万引き家族」)のほうを観るかということになったのです。
池井戸潤のTVドラマは昨年のTBSドラマ「陸王」にしても、その前の「下町ロケット」にしても、エンターテインメント・ドラマとしてはたいへんよくできていて、たしかに面白い。池井戸潤の小説は、これら2つのようにTVドラマ化されたのは多いのですが、「空飛ぶタイヤ」は映画化されたものとしてはこれが初めてのようです。近くの映画館でもまだ上映中なので、観に行くか、それともWOWOWで放映されるのを待つか、私にとっては悩ましいところです。

【エムズの片割れより】
「空飛ぶタイヤ」は、WOWOWで充分なのですが、はたしてWOWOWで放映されるのかどうか・・・
今回は、カミさんがサザンの主題歌に凝ったので、行ってみました。

投稿: KeiichiKoda | 2018年6月21日 (木) 21:51

「半沢直樹」、「民王」、「下町ロケット」、「陸王」のドラマを面白く見ていたので、エムズさんの「良かったねぇ~」のご感想を読んで22日(金)に見てきました。お気に入りのディーン・フジオカと高橋一生が揃って出演というのも大きいポイントですが…。
面白かったです!企業の中で生きるということが良くも悪くもちょっと羨ましいというか…。企業で働いた経験がないうえ、専業主婦だったものですから、こんな呑気な感想になるのかもしれません。主婦、母親として家庭を築いてきたことに悔いはありませんが、もう少し広い世界があったのかも…と思うと。
夫が定年後16年経った今でも「うちの会社」という気持ちが少し理解できたような気がします。

【エムズの片割れより】
一生を同じ会社で過ごすことが多い日本にあっては、やはり「うちの会社」。
しかし自分のように、定年後に「うちの会社」がボロボロになる事もあります。
16年経っても「うちの会社」が健在なのはラッキーですね。
大企業と言えども何が起こるか分からない時代です。

投稿: アンディーのママ | 2018年6月23日 (土) 23:58

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