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2017年9月28日 (木)

小池氏「アウフヘーベン」って何?

先日、街で見かけたポスターで気に入ったのがこれ・・・。弁当屋のほっともっとの「天丼よ、そうきたか。」
170928soukitaka これは、安倍首相の「“こんな人たち”ですが、何か?」に次いで面白い。

民進党の前原代表が「野党がバラバラでは、選挙は勝てません。どんな手段を使ってでも、どんな知恵を絞ってでも、安倍政権を終わらせようではありませんか」と、希望の党への合流を決断したという。
「前原よ、そうきたか。」であ~る。

さて、本題。その小池都知事が「アウフヘーベン」という言葉を連発している。
先日の朝日新聞の記事。

「(ニュースQ3)新党も市場も小池氏「アウフヘーベン」…何?
 小池百合子・東京都知事は最近、「アウフヘーベン」という言葉を多用する。衆院選に向けた新党結成でも、築地か豊洲かで揺れた市場移転問題でも「アウフヘーベン」しているらしい。それって何?
 ■「より上の次元に」
 「希望の党」結成と代表就任を発表した25日の記者会見。今後、小池氏自ら新党をめぐる調整や交渉に乗り出すのか問われると、「アウフヘーベンする。辞書で調べてください」。
 築地か、豊洲か、市場移転で知事の判断に注目が集まった6月にも、「文芸春秋」7月号で、「築地市場の改修案も市場問題PT(プロジェクトチーム)から出され、百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の様相を呈しているが、ここはアウフヘーベンすることだ」。この直後の会見で、アウフヘーベンを使った意図や意味を問われると、「いったん立ち止まって、より上の次元にという、日本語で『止揚』という言葉で表現されます」と説明。市場移転をめぐる様々な調査や報告書が出たことを挙げ、「全部含めてどう判断するか、そのための『アウフヘーベン』が必要だということを申し上げた」。
 ■哲学用語と日常語
 アウフヘーベンはドイツ語らしい。ドイツ大使館にローベルト・フォン・リムシャ公使を訪ねた。公使によると、「小池氏は哲学者ヘーゲルが提唱した『止揚』の意味で使ったのだと思うが、そうした使い方は一般のドイツ人はあまりしない」のだという。
 ドイツ語の一般的な意味は「持ち上げる」。「それ取って」と言う時に、「アウフヘーベンして」と、ドイツ人なら日常的に使う言葉だという。小池氏がアウフヘーベンを使ったことは、大使館の幹部会議でも話題になったといい、リムシャ公使は「日本人が使うドイツ語といえば、『リュックサック』くらいかと思っていた」。
 小池氏のように、政治判断を迫られた政治家が似たような場面で使うのか聞くと、リムシャ公使は「あまりに月並みな言葉なので、印象にも残らないのです」。
 ■難解語でぼかす?
 移転問題は結局、「築地は守る、豊洲を活(い)かす」で決着した。「アウフヘーベン」の結果といえるのか。ヘーゲルに詳しい大河内泰樹・一橋大教授(哲学)は「違和感がある」という。
 アウフヘーベンはヘーゲルが使った概念で、否定によって高い段階に進むが、否定されたものが取り込まれて残っている状態のことを指すという。大河内教授は「花が枯れて種ができる。花だった時の姿は否定されているが、結果的に種の中に花の要素がとどまっているというイメージ」。だが、小池氏の場合、「築地や豊洲を否定した形跡がなく、いわば足して2で割っただけ。政治的に複雑な問題をあいまいにするために、難しい専門用語を使っているのではないでしょうか」。
 アウフヘーベンは、かつて旧制高校や旧帝大に通っていたエリート意識の高い若者たちが好んで使った典型的な言葉だ、と江利川春雄・和歌山大教授(英語教育史)は指摘する。「小池氏は高尚なイメージを演出する戦略なのだろう。だが国政政党を率いる以上、地方の有権者も視野に入れ、誰にでもわかる言葉で語らなければならない局面に入っていくのではないか」(田玉恵美)」(
2017/09/27付「朝日新聞」p37より)

広辞苑で「止揚」を引いてみた。
「し‐よう【止揚】‥ヤウ
 〔哲〕(Aufhebenドイツ  「廃棄」「高めること」「保存すること」の意) ヘーゲルの用語。弁証法的発展では、事象は低い段階の否定を通じて高い段階へ進むが、高い段階のうちに低い段階の実質が保存されること。矛盾する諸契機の統合的発展。揚棄ようき。」

確かに、小池都知事の使い方は、本来の意味とは違うようだ。
前にも書いたが、自分は外国語大キライ人間。だから、こんな一般人に良く分からない言葉で、ごまかすのは大キライ。しかも「辞書で調べてください」とは・・・!?

言葉とは、人と人とのコミュニケーションツール。発した言葉で、自分の意志を相手に伝える道具。それを、わざわざ相手が知らない言葉を使うとは、自分の意志を相手に伝える意志がない、ということ。それは公人としては疑問。そして「都政の透明化」を謳う姿勢とも合わない。

しかし、難解な言葉でごまかすのは、ビジネスでも良く使われる。これも前に書いたが、自分も現役時代、会議でカタカナ言葉が出ると、分からなくて困った。人に聞くのも自分の無能さをさらけ出すようで、出来なかった。仕方なく、会議の席では、分かったような顔をして、手帳にメモし、席に戻ってから英和辞典を引いた。それでも良く分からなかった。今なら、Netで直ぐに分かるが、昔は辞書の解説から想像するしか無かった。
そんな背景から、自分は書類で、カタカナ言葉やアルファベットの略称を使う時は、必ずカッコで、その意味を添えた。
よって、小池都知事のカタカナ言葉でごまかすやり方は、どうも頂けない。

おっと、それた・・・。「どんな手段を使ってでも、どんな知恵を絞ってでも、安倍政権を終わらせようではありませんか」・・・
野党再編で、「小池総理?」とテレビがはしゃいでいる。
ニュースから目が離せない10月となりそうである。

(付録)~当サイトお薦めTV番組
「ザ・ベストテレビ2017」~BSプレミアム
この1年間、国内の代表的なテレビ番組コンクールで最高賞を受賞したドキュメンタリー番組をNHKと民放の垣根を越えて2日にわたって放送する。


「第1部」10月1日(日)午後0時45分
▽午後0:48ごろ~文化庁芸術祭賞「人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり」(東海テレビ放送)
▽午後2:14ごろ~民放連賞テレビ教養番組「撮影監督ハリー三村のヒロシマ カラーフィルムに残された復興への祈り」(WOWOW)
▽午後3:11ごろ~民放連賞テレビ報道番組「枯れ葉剤を浴びた島2 ドラム缶が語る終わらない戦争」(琉球朝日放送)

「第2部」10月2日(月)午後0時45分
▽午後0:51ごろ~“地方の時代”映像祭賞「島の命を見つめて 豊島の看護師・うたさん」(山陽放送)
▽午後1:56ごろ~ギャラクシー賞・放送文化基金賞「NHKスペシャル ある文民警察官の死 カンボジアPKO23年目の告発」(NHK)
▽午後3:02ごろ~ATP賞「BS1スペシャル 原爆救護 被爆した兵士の歳月」(テムジン・NHK)

★この番組を見逃した方に、BDをお送りすることが出来ます。メールでご連絡下さい。
(「ザ・ベストテレビ2016/2018」も同様です)


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