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2017年3月27日 (月)

「道徳教科書」の検定にみる不穏な世界と内閣支持率

最近になく「バッカみたい!」と思わせる話題である。
先日の朝日新聞にこんな記事があった。
パン屋「郷土愛不足」で和菓子屋に 道徳の教科書検定
 初めての小学校道徳の教科書検定が終わり、8社の24点66冊が出そろった。本来、「考え、議論する」を掲げたはずなのに、文部科学省が検定過程で付けた数々の意見からは、教科書作りに積極的に関与しようとする姿勢が浮き彫りになった。高校の地理歴史や公民の教科書でも、集団的自衛権や南京大虐殺などの記述が、文科省の指摘に従って横並びになった。
170327doutoku  「しょうぼうだんのおじさん」という題材で、登場人物のパン屋の「おじさん」とタイトルを「おじいさん」に変え、挿絵も高齢の男性風に(東京書籍、小4)▽「にちようびのさんぽみち」という教材で登場する「パン屋」を「和菓子屋」に(同、小1)▽「大すき、わたしたちの町」と題して町を探検する話題で、アスレチックの遊具で遊ぶ公園を、和楽器を売る店に差し替え(学研教育みらい、小1)――。
 いずれも文科省が、道徳教科書の検定で「学習指導要領の示す内容に照らして、扱いが不適切」と指摘し、出版社が改めた例だ。
 おじさんを修正したのは、感謝する対象として指導要領がうたう「高齢者」を含めるためだ。文科省は「パン屋」についても、「パン屋がダメというわけではなく、教科書全体で指導要領にある『我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつ』という点が足りないため」と説明。「アスレチック」も同様の指摘を受け、出版社が日本らしいものに修正した。
 「ここまで細かいとは」。各社の編集者はこうした検定のやり方に戸惑う。
 検定に臨んだ8社は、2015年に告示された指導要領が学年ごとに定める「節度、節制」「感謝」「国や郷土を愛する態度」など、19~22の「内容項目」を網羅することを求められた。
 学校図書(東京)の編集者は指導要領やその解説書を読み込み、出てくる単語をリスト化。本文や挿絵、設問に漏れなく反映されているか入念に点検したが、それでも項目の一部がカバーされていないという検定意見が数カ所ついた。別の出版社の編集者は「単語が網羅されなくても、道徳の大切さは伝えられる。字面だけで判断している印象だった」と不満を口にする。
 最終的に、検定では8社の計24点(66冊)の教科書に誤記や事実誤認を含めて244の意見がつき、このうち43が指導要領に合わず、「本全体を通じて内容項目が反映されていない」などの指摘だった。
 各社は指摘に沿って本文やイラストを修正したが、これまで検定の対象外だった副読本より、「横並び感」が強まった。
 中身だけでなく、文科省は教科書を使った授業のやり方にも注文をつけた。
 出版社は教師が指導しやすいようにと、読み物の冒頭や末尾に設問を入れるところが多かった。そんな中、低学年向けの教科書だけ、あえて設問を入れなかった社もあった。「指導の自主性を尊重したいという考えから」(編集者)だったが、指導要領が定めた「問題解決的な学習について適切な配慮がされていない」という意見がついた。
 最終的には、設問を挿入して検定を通ったが、編集者は「設問をあらかじめ示すことは、読み手の子どもに先入観を与え、読み方を規定することにつながりかねない。『考える道徳』に反しないか」と疑問視する。
 横並びの印象が強いのは検定だけが理由ではない。出版社側の思惑もある。
 各社が学年ごとに掲載した約30~40の教材には「定番」が目立つ。文科省の副読本「私たちの道徳」や旧文部省の道徳指導資料などにある教材を全社が引用。「はしの上のおおかみ」「花さき山」「ブラッドレーのせい求書」「雨のバス停留所で」「手品師」などは全社が掲載した。このほか、4社以上が採用した資料も少なくとも16ある。
 複数の出版社は「現場の教員から『授業の実践例が豊富な定番を使いたい』という声が多い」とし、「採択されるには、多くの先生が教えた経験のある教材を一定程度入れるしかない」(編集者)と打ち明ける。
 全ての教科書が扱った「いじめ」関連の内容では、ネット社会を背景に、ネットいじめについて学ぶ読み物が並び、仲間はずれにされる場面を演じるコーナーを設ける教科書もあった。(前田育穂、菅野雄介)

■地理歴史や公民、政府の主張が随所に
 一方、高校の地理歴史や公民では、戦後補償や安全保障などをめぐる記述で、政府の主張や立場が随所に反映された。
 14年の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認と15年成立の安全保障関連法は、現代社会と政治・経済の全8冊に掲載された。うち5冊が「閣議決定をもって一部『行使できる』ことに変更」など、集団的自衛権を使う際の前提になる「新3要件」に触れなかったり、例として1要件だけを取り上げたりした。「立法までの経緯などを記せば3要件は書かなくても理解できる」(編集者)といった判断だ。
 これに対し、文科省は「新3要件をすべて書かなければ、生徒にとって理解し難い」と指摘。その結果、8冊すべてに新3要件が掲載された。政府は3要件をもって集団的自衛権の行使は限定的なものだと強調しており、こうした点を踏まえたとみられる。
 戦後補償についても、日本史2冊に対し、慰安婦問題に関する15年末の日韓合意を書くよう求める検定意見がついた。「戦後補償を詳しく書く場合、日韓合意の記述は『最近の動向』として不可欠」というのが文科省の見解だ。ただ、検定中に、朴槿恵(パククネ)大統領をめぐる疑惑が浮上するなど、日韓合意の履行を危ぶむ声もある。執筆者の一人は「22年まで使う歴史の教科書に慌てて書く必要があったのか」と話す。
 14年1月に検定基準が改定され、ときの政権の立場が強調される傾向は強まっている。「政府見解がある場合はそれに基づいた記述」「近現代史では通説的な見解がない数字などはそのことを明示」といった内容で、この基準に基づく検定意見は今回も南京大虐殺(南京事件)の犠牲者数などで計11件あった。「日本では数万~十数万以上など諸説あり」「中国政府は30万以上を主張」と書いていても、「通説的な見解がない」ことを明確にするよう求められた。執筆者の一人は「教科書から多様性が失われ、マニュアル化が進んでいる」と心配する。(木村司、沢木香織)

■小学校道徳の「22の内容項目」(学習指導要領による)
善悪の判断、自律、自由と責任▽正直、誠実▽節度、節制▽個性の伸長▽希望と勇気、努力と強い意志▽真理の探究(5、6年生のみ)▽親切、思いやり▽感謝▽礼儀▽友情、信頼▽相互理解、寛容(3年生以降)▽規則の尊重▽公正、公平、社会正義▽勤労、公共の精神▽家族愛、家庭生活の充実▽よりよい学校生活、集団生活の充実▽伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度▽国際理解、国際親善▽生命の尊さ▽自然愛護▽感動、畏敬(いけい)の念▽よりよく生きる喜び(5、6年生のみ)」(
2017/03/24付「朝日新聞」より)

和菓子を否定するつもりもないが、子どもにとってパン屋は身近な存在。それなのに、パン屋を和菓子屋に、公園を和楽器を売る店に変更するとは、現政権への“忖度”も、事ここに極まれり、という話。

そう、こんな動きを推進するする力も大きい。その象徴になってしまったのが森友学園であり、それを日本の首相が「素晴らしい!」と絶賛している実態が暴露されてしまった。

世の中が、戦前の教育に戻ろうという空気になってから久しい。それが堂々と現れたのが、今回の籠池問題だが、アベ君は、自分の右傾化がバレて、怯(ひる)むどころか、国会では開き直って強弁の数々。元気の良いこと・・・
今回だけは、分かり易いので国民が良く見ているだろうと、内閣支持率の推移を“楽しみに”していた!?
その各紙の調査結果は・・・

・産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が18、19両日に実施した調査では、内閣支持率は2月の前回比1・4ポイント減の57・4%で、ほぼ横ばいだった。
・読売新聞(18、19両日)は10ポイント減ながらも56%の高水準となり、日本テレビ(17~19日)は7・3ポイント減の47・6%だった。
・安倍内閣の支持率は、4ポイント下がって50.5%だったことがANN(TV朝日系)の世論調査で分かりました。調査は25日と26日に行いました。安倍内閣の支持率は50.5%で、支持しないと答えた人は3.3ポイント増えて31.2%でした。
・毎日新聞が今月11、12両日に実施した全国世論調査で、内閣支持率は2月の55%から50%に低下。不支持率は31%だった。支持率が下がったのは6カ月ぶりだ。
・共同通信社が25、26両日実施した全国電話世論調査によると、・・・内閣支持率は52.4%で前回の11、12両日調査に比べ3.3ポイント減った。不支持率は32.5%
・日本経済新聞社とテレビ東京による24~26日の世論調査で、安倍内閣の支持率は62%だった。2月下旬の前回調査(60%)と比べて横ばいだった。不支持率は前回と同じ30%。

挙げ句の果てに、こんな話も飛び出して・・・
世論調査の見解に相違/山本太郎氏VS安倍首相1
 「ちなみに、共同通信(の調査)で、内閣支持率は52(・4)%でした」。
 安倍晋三首相は27日の参院予算委員会で、25、26両日実施された共同通信社の全国電話世論調査で、森友学園の国有地格安払い下げ問題に関する政府の説明が「不十分」と答えた人が82・5%に上ったことを問われて、今も高水準の内閣支持率の数字を、自らアピールした。
 自由党の山本太郎共同代表が、政府の説明が不十分とする「82・5%」の数字をあげ、「総理、森友問題で一定の真相解明はなされたと考えますか」と質問。
 これに対し、首相は「政府としては、誠実に答弁している」と素っ気なく答えた上で、下落傾向とはいえ、今も5割を超えた内閣支持率をアピール。意表を突かれた形になった山本氏は「おめでとうございます」と応じるしかなく、委員会室は笑いに包まれた。・・・」(
2017/03/28付「日刊スポーツ」ここより)

ここまで国民がバカにされて、なお何も変わらない。官僚が国会で嘘八百を並べても国民は怒らない。
日本人は、いつからこんな他人任せな国民になってしまったのか・・・。60年安保の学生の熱気はどこに・・・
韓国の世論の激しさをバカにしている場合ではない。日本国民の無反応さは、子どもたちの将来を危うくする。
韓国の政権に楯突く世論を、羨ましくさえ感じるこの頃である。

170327korega <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

内閣支持率の不思議は、国民が政治に無関心で新聞も読まない、テレビのニュースも見ない人が多くなったからかもしれません。籠池事件は面白がって見ている人が多いのですが、それが面白いだけで自分とは関係がないと思っている人たちが多いのです。自分の税金が使われると考えていないのです。
面白くないお笑いが蔓延していて、政治批判を面白く茶化しているお笑いが全く消えていますね。テレビ局も政府を怖がっているのでしょうか。独裁国家みたいですね。中学の社会科で、国民の権利についてもっと徹底的に教えるべきです。国家神道国家に日本を戻そうとしている内閣をなぜ国民が支持しているのか不思議な事です。防衛大臣がなぜ首にならないのか自民党議員の中でも疑問に思う人がいないのでしょうか。情けない国会です。

【エムズの片割れより】
政権の横暴、そして国民や野党を甘く見るスタンスは、支持率が下がらないから。つまり何をしても、国民から支持されているという印籠を与えている。
それをさせているのは、国民。
国民がみているであろう最大メディアのTVでも、何度も指摘されていながら、何も変わらない。何も考えずに、今のままで良い。戦後への回帰も・・・・!?
もう日本はダメかも・・・。国民がバカだから・・・!?

投稿: 白萩 | 2017年3月29日 (水) 10:58

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