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2017年2月 2日 (木)

「基礎からわかる駐留米軍」

アメリカのマティス国防長官が、今日韓国を訪れ、明日(2017/02/03)には日本に来るという。我が国の、“うるわしい”稲田防衛相と会談すると言うが、何とも心もとない。
今回の会談では、駐留米軍の費用については、話が出ないそうだが、物議を醸しているトランプ政権、ちょっと勉強しておこう・・・
だいぶん古い記事だが、1ヶ月ほど前の読売新聞にこんな記事があった。

基礎からわかる駐留米軍
 米国のドナルド・トランプ次期大統領が大統領選で、米軍が駐留する日本や韓国などの同盟国に、防衛を肩代わりしている見返りに駐留経費負担の大幅引き上げを要求し、世界に波紋を広げた。米軍の世界展開や、駐留経費負担の現状について整理した。
 
 Q 駐留の意義は
 ◆世界の安全保障に貢献
 米国が世界各国に軍隊を駐留させる安全保障政策は、第2次世界大戦以降、旧ソ連と対立した冷戦体制下で発展した。自由と民主主義、資本主義に基づく世界の繁栄が、米国の利益になるとの考えがある。
 米軍が駐留すれば、非常事態にいつでも備えられると同時に、地域で脅威となる勢力に対する抑止力になる。圧倒的な軍事力で「世界の警察」とも称される存在だ。1989年に冷戦が終結しソ連は崩壊したが、ロシアや北朝鮮、中東などを巡って、地域の安全保障を揺るがす争いが続いており、駐留米軍の重要性は変わっていない。
170202beigunn  米国防総省によると9月末現在で、米国内の米軍は約113万人。海外に駐留するのは艦艇などで移動中の部隊も含め約20万人で、駐留先は170か国以上に上る。米軍の海外展開に詳しい米軍事専門家によると、海外基地の数は大小合わせて約800に及ぶ。
 米軍には、陸海空軍と海兵隊で構成される九つの「統合軍」がある。内訳は「機能統合軍」が特殊作戦軍と戦略軍、輸送軍の三つ、「地域統合軍」が六つだ。
 地域統合軍は、北方軍(北米)、南方軍(中南米)、太平洋軍(アジア・太平洋)、中央軍(中東)、欧州軍、アフリカ軍として世界展開する。駐留米軍が最も多いのは太平洋軍傘下の日本で3万8807人。次いで北大西洋条約機構(NATO)の欧州軍傘下にあるドイツが3万4562人、この他は韓国(2万4189人)、イタリア(1万2099人)などとなっている。
 米国にとって、駐留米軍の費用負担は重い。国防総省の2017会計年度(16年10月~17年9月)予算案によると総計192.5億ドル(約2兆2000億円)。日本が最も多く57.5億ドル、ドイツが42.8億ドル、韓国が29.3億ドルで、この3か国で3分の2を占める。一方、国防総省は駐留国側の負担額について、02年分を最後に公表していない。02年当時のデータによると、駐留国の負担額は、日本が約44億ドルを超え、突出して多かった。
 米国はイラクやアフガニスタンでの戦費がかさんで財政が悪化し、国民には他国のために税金を投じることに否定的な感情もある。次期米大統領のトランプ氏は大統領選で、日本、韓国、NATOといった同盟関係について、米国の負担に対する見返りがないと主張。駐留米軍の負担を各国が増やすことを求めた。来年1月の就任後、どのように新たな関係を構築しようとするのか注目されている。
 
 Q 日本の経費負担どれくらい
 ◆「他国と比べて突出」
 1952年のサンフランシスコ講和条約の発効に伴い、日本は独立を回復し、連合国軍総司令部(GHQ)は廃止されたが、同時に発効した日米安全保障条約に基づき、それまでの「進駐軍」の多くが「在日米軍」として残った。
 防衛省などによると、在日米軍は52年の段階では約26万人だった。朝鮮戦争の休戦が成立すると次第に縮小され、70年代以降は、3万3000~5万2000人で推移。現在は約3万9000人の米軍人が駐留している。このうち、海兵隊が約1万4000人で最も多く、空軍約1万2000人、海軍約1万1000人、陸軍約2700人と続く。また、日本には現在、79の米軍施設・区域(総面積約304平方キロ・メートル)がある。
1702020206tvasahi_2  米軍駐留の現在の根拠は60年に改定された日米安全保障条約だ。5条が米国の対日防衛義務を規定し、6条が日本に米国への基地提供を義務づけている。60年締結の日米地位協定24条は、在日米軍にかかわる経費について、土地代をはじめ施設・区域の提供費用は日本が負担し、それ以外は米国が負担すると明記。具体的には、米軍が使う民有地の借料や漁業補償などが日本側の負担とされる。
 このほか、本来なら米側が支払うべき費用の一部を「思いやり予算」として日本側が分担。基地従業員の人件費や福利費などに充てられている。
 これらに、米軍用地を抱える自治体に支給する交付金などを合わせたものが、在日米軍駐留経費の日本側の負担額で、総額5800億円程度に上る。さらに近年は、在沖縄海兵隊のグアム移転など米軍再編にかかわる経費も日本側が分担している。
 防衛省幹部は「他国と比べても日本の負担の大きさは突出している」と話している。
 
 Q なぜ独も重視 
 ◆東西冷戦時の最前線
 米国がドイツに駐留米軍を多く置いているのは、旧ソ連と対立した東西冷戦の最前線にドイツがあったためだ。第2次世界大戦後、東ドイツと西ドイツに分割され、冷戦の緊張が高まると、欧州全体では米軍が約40万人も駐留した。
 1949年に結成された北大西洋条約機構(NATO)は、米国と英仏伊など欧州諸国が結んだ軍事同盟で、ドイツ(当時は西ドイツ)は1955年に加盟した。米軍は、他のNATO加盟国とともに活動するパートナーとして位置付けられている。
 ドイツ政府が今年2月、野党に開示した資料によると、NATO規約などに基づいて駐留費用は原則、米軍が負担する。ただし、基地の縮小により従業員が失業した場合の給付金支払いや、職務遂行時に生じた損害に関する補償の一部などはドイツ側が負担している。
 ソ連が崩壊し東西ドイツが統一された90年代以降、欧州の駐留米軍は激減した。しかし、ウクライナ問題などを巡るロシアの脅威はなお強い。中東やアフリカなどでの対テロ戦の拠点としての位置づけも重みを増している。ドイツへの駐留米軍の数は3万人を超え、日本に次ぎ2番目だ。
 トランプ氏は大統領選で、ドイツなどを念頭に「我々が提供するとてつもない安全保障の対価をもっと払うよう丁寧に求める」と主張。NATOについても、時代遅れの存在で加盟国は米国の気前のよさに感謝していない、と批判している。NATOのストルテンベルグ事務総長(ノルウェー前首相)は、米大統領選後、欧州加盟国に駐留経費の負担を増やすよう呼びかける発言をした。今後、検討課題となる。
 
 Q 韓国での役割は 
 ◆朝鮮半島有事に備え
 韓国には、朝鮮戦争(1950~53年)で国連軍の主力部隊として派遣された米軍が休戦後も引き続き駐留している。在韓米軍は、韓国軍と緊密に連携し、北朝鮮の挑発に備えている。
 在韓米軍の兵力は、朝鮮戦争当時の50年に32万5000人だったが休戦後に段階的に縮小した。現在は2万人を超える規模で、朝鮮半島有事に対応する陸軍と空軍の人員が多い。在韓米軍司令官は、国連軍司令官を兼務している。
 在韓米軍の駐留費用は、韓国政府が推計する範囲では約2兆ウォン(約1900億円)とされる。今年度予算では、韓国政府がその半分にあたる9441億ウォン(約920億円)を負担している。駐留米軍費用の一部負担は、80年代の韓国の経済成長を受けて米政府が求め、91年の「防衛費分担特別協定」で制度化された。協定は2~5年ごとに改定されてきた。91年に1073億ウォンだった負担金は、2001年に4882億ウォン、10年に7904億ウォンと増え続けている。
 今年度予算の負担金の内訳は、〈1〉在韓米軍に勤務する韓国人職員の人件費(37%)〈2〉在韓米軍が使う兵舎や施設などの建設費(45%)〈3〉輸送・物資支援など(18%)——だった。
 トランプ次期米大統領は選挙期間中、「金持ちの国でありながら、安全保障で『無賃乗車』をする国」などと激しく批判。在韓米軍の駐留経費を全額韓国が支払うことも求め、韓国内ではトランプ氏への懸念が高まった。就任後は現実的な路線に修正するという期待もあるが、「米国の安全保障というサービスを利用するには、相応の費用を支払えという企業家的な発想」(東亜日報社説)を警戒する声も根強い。
 
 ◆各国負担 把握難しく
 米軍の駐留経費について、全体像が把握できる資料として引用されることが多いのは、古い情報になるが、米国防総省が2004年に公表した報告書だ。この報告書によると日本は02年に44.1億ドルの経費を負担して突出しており、負担割合も74.5%に上る。ドイツは15.6億ドル(同32.6%)、韓国が8.4億ドル(同40%)、イタリアが3.7億ドル(同41%)などとなっている。
 防衛機密にも触れるため、情報開示は少なくなっているとみられ、各国の経費負担を網羅した近年のデータを把握するのは難しいようだ。日本の財務省が15年に、16~20年度の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を見直した際も、他国との比較材料として、この報告書を活用している。(ソウル支局 中島健太郎、ブリュッセル支局 横堀裕也、ベルリン支局 井口馨、政治部 石田浩之が担当しました。)」(
2016/12/07付「読売新聞」p9より)

なるほど・・・。負担割合は75%の日本が断トツらしい。しかし、ここで論じられているのは「経費」であるので、いわゆる変動費だけらしい。
そして、もし米軍が撤退して、同じような装備を日本が持つとすると、以前に「在日米軍の価値は25兆円?」(ここ)で書いたように、「防衛大学校の武田康裕教授と武藤功教授が12年時点のデータをもとに試算すると、空母や戦闘機などを調達する「直接経費」に、米軍が去ることによる日本国債や株の下落といった「間接経費」などを加えた24兆319億~25兆5319億円が、総費用になるという。一方、日米同盟の年間維持費は1兆7658億円。」

まあ、日本が100%の経費を負担して、“駐留米軍が日本の傭兵”になるとは到底思えないが、何らかの変化はあるのかも知れない。
テレビ朝日のモーニングショーで、玉ちゃんが言っているように、今回のことで、日本がアメリカの属国なのかどうかが、ハッキリする。
勉強しながら、大騒ぎのトランプニュースを見るとしよう。

(関連記事)
「在日米軍の価値は25兆円?」の話と、田原総一朗氏の講演会「私が見た日本の転機」 

170202okizari <付録>「ボケて(bokete)」より


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