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2016年12月24日 (土)

ヴァヴィロフ作曲・演奏による「カッチーニの“アヴェ・マリア”」

今夜はクリスマス・イヴだという。でもそんなこと、まったく関係無いオジサンは、こんな歌を聞いている・・・。

先日のNHKの「らららクラシック」 “アヴェ・マリア誕生秘話”(2016/12/17放送)で、カッチーニの“アヴェ・マリア”の作曲者について、こんな話があった。
「今回、スタッフが一枚のレコードを入手しました。カッチーニの“アヴェ・マリア”が録音され161224ave1 て、最初に世に出たと考えられるレコードで、1970年頃にロシアで発売されたもの(1972年の録音らしい)。レコードのタイトルは「16-17世紀のリュート音楽」。その3曲目にアヴェ・マリアがある。作曲者は16世紀の作曲家、名前は不詳とある。」
161224ave2 「この演奏で、リュートを弾いているのは、レコードを発表したヴァヴィロフという人物。ウラディーミル・ヴァヴィロフという人は、ロシアのリュート及びギター奏者で、音楽院で作曲も学んでいた。自分の作品を他人の名前で発表することがあった。」
「いったい誰がカッチーニの“アヴェ・マリア”にしたのか? 今回、ロシアの新聞でヴァヴィロフの特集をしていた記事など、幾つか情報を総合すると、ヴァヴィロフが、『これはカッチーニの作品だよ』と自ら語っていたという共演者の証言も出て来た。でもヴァヴィロフは、ほどなく亡くなっているので真相は闇の中だが、彼がカッチーニのアヴェ・マリアだと言っているので、ヴァヴィロフ自身が名付けた可能性が最有力。」
「この歌のコードは、単調と長調が混在して出てくるが、このようなコードは16世紀のスタイルにはほとんど無い。このコードは20世紀以降の音楽によく使われている。ポップスにもよく出てくる。例えば山口百恵の「秋桜」も同じコード。宇多田ヒカルの「can you keep a secret」も同じ。私たちが聞き慣れた鉄板のヒットソングのコードによく使われているコードが、このカッチーニの“アヴェ・マリア”に出てくる。そう考えていくと、20世紀のヴァヴィロフの作品だという説がかなり濃厚になってくる。」

ここで紹介されていた作曲者ウラディーミル・ヴァヴィロフの演奏による「カッチーニの“アヴェ・マリア”」を聞いてみよう。

<ヴァヴィロフの「カッチーニの“アヴェ・マリア”」>

実はこのカッチーニの“アヴェ・マリア”は、自分が大好きなので、2007/11/28にレスリー・ギャレットの歌を取り上げたのを皮切りに(ここ)、下記の関連サイトのように5種類の音源を取り上げている。
そのカッチーニの“アヴェ・マリア”の作曲者が、何と20世紀のソ連のウラディーミル・ヴァヴィロフ(1925/5/5-1973/11/3)という人だという。つまり、ヴァヴィロフ作曲の「カッチーニの“アヴェ・マリア”」なのだという。
確かにこの歌の登場が1970年以降、というのもヘンだ。16世紀のカッチーニの楽譜が発見された、という事実も無かったらしい。

wikiにはもっと明確に書いてある。
「"カッチーニのアヴェ・マリア"
実際には1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73)によって作曲された歌曲である。
録音も楽譜も90年代前半まで知られていなかった。出典が明らかにされず、現在入手出来る出版譜は全て編曲されたもので、歌詞がただ"Ave Maria"を繰り返すだけという内容もバロックの様式とは相容れない。
ヴァヴィロフは自作を古典作曲家の名前を借りて発表する事がよくあったが、自身が共演しているIrene Bogachyovaの1972年の録音では「作曲者不詳」の『アヴェ・マリア』として発表していた。ヴァヴィロフの没後十年を経てCD録音されたMaria Bieshu(1996)やイネッサ・ガランテのデビュー盤(1994)では作曲者が"D. Caccini"と表記され、ジュリオ・カッチーニの作として広まった。
初期の録音にはBieshuとガランテのほか、スラヴァ(1995)、Lina Mkrtchyan(1990)とソ連のアーティストによる演奏が並ぶ。20世紀末レスリー・ギャレットやスラヴァのCDで一気に知名度が高まり、多くの歌手が録音し映画にも使われた。
以上のような事実はCDや楽譜の楽曲解説では言及が無く、現在一般にはカッチーニ作品と誤認されている。」

なるほど・・・・。
でも、「モーツアルトの子守唄」のように、“ソ連の”ヴァヴィロフ作曲の“アヴェ・マリア”と言うのは、どうも色気がない。
ここはやはり、バロック時代の作曲による“アヴェ・マリア”と言われた方が、有り難さが増す。
でも事実は事実。先に書いた記事も訂正しておこう。
何も無いイヴではある・・・。

(関連記事)
X'mas飾りとカッチーニの「アヴェ・マリア」 
カッチーニの「アヴェ・マリア」色々 
幸田浩子の「アヴェ・マリア(カッチー二)」とアルビノーニの「アダージョ」 

161224santa_2 <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

明けましておめでとうございます。
ららら♪クラシックのファンなので、私もこの番組を見ました。グノーやシューベルトのアヴェ・マリアは知っていたけれど、カッチーニのアヴェ・マリアは知らなかった、と番組を視聴してから思っていたら、何のことはいない、一昨年エムズさんのブログにアップされている、幸田浩子が歌う「カッチーニのアヴェ・マリア」を聴いて、コメントまで書いているのにすっかり忘れていました(ただしコメントは幸田浩子さんについて)。
この曲はクラシック系の人たちだけでなく、本田美奈子のようなポップス系の人たちによっても好んで歌われているのは、エムズさんの説明にあるように、この曲のコードが長調と短調の混在という現代性にあるのかもしれませんね。YouTubeにはこの曲の演奏がたくさんアップされていて、私の好きなヘイリー・ウェステンラの歌うこの曲もアップされています。哀調を帯びた、なんとも悲しげなこの曲の調子が人々(とくに日本人)の心の琴線にふれるのかもしれません。らららクラシックのホストであるピアニスト・作曲家の加羽澤美濃さんはいち早くこの曲を編曲してピアノ演奏した一人ですが、このピアノ演奏もYouTubeにアップされていました(URLは↓)。私は加羽澤さんによる編曲・ピアノ演奏も好きですね。

 https://www.youtube.com/watch?v=x2ibR0puNk4

【エムズの片割れより】
自分はやはりソプラノの歌が好きですね~

投稿: KeiichiKoda | 2017年1月 5日 (木) 10:13

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