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2016年12月21日 (水)

ダーク・ダックスの「夕立」

先日、FM放送のサトウハチロー作品集を聞いていて、気になる歌を見付けた。ダーク・ダックスの「夕立」という歌だが、聞けば聞くほど味がある歌なので紹介したい。

<ダーク・ダックスの「夕立」>

「夕立」
  作詞:サトウハチロー
  作曲:小室 等

夕立に 雨戸をしめてる
仇姿(あですがた) 仇姿
ひとりかね 気になるね
ひとりかね 気になるね

どしゃぶりに ぐっしょにぬれてる
つりしのぶ つりしのぶ
ひとりかね 気になるね
ひとりかね 気になるね

夕立が からりとやんでも
そのままだ そのままだ
ひとりかね 気になるね
ひとりかね 気になるね

夕焼けが 出たのに雨戸を
あけないよ あけないよ
ひとりかね 気になるね
ひとりかね 気になるね

この歌の情報は、Net上にほとんど無い。唯一(ここ)のサイトにCDと歌詞の情報があるだけ・・・
そのサイトには「男女の愛憎を怨みつらみで歌うことをしなかった、サトウの詩世界・・・」との文字・・・。
そんな世界が歌われているのだろうか・・・

とにかく言葉が少ない。
まず「仇姿(あですがた)」という言葉だが、広辞苑にも無く、Netにもこんな言葉は無い。
仇(かたき)の姿とは・・・?
我が家の“文学部卒”に聞いてみても、「そんなの知らん」でオシマイ。

161221turisinobu そして「つりしのぶ」だが、これは「つりしのぶとは、竹などの芯材に山苔を巻きつけ、しのぶ草を束ねて形を作ったもので、夏の暑さをねぎらうために家の軒先に吊るして楽しむものです。」ここ)という物らしい。
まあここは分かるな・・・

でも詩的センスの無い自分は、この詩に描かれている場面(シチュエーション)がなかなか目に浮かばない・・・
まあ雰囲気は分かるが・・・。それで良いのかも・・・!?
(皆さまは、どんな光景が目に浮かびますか??)

そして、作詞がサトウハチローなのだが、作曲が何と小室等なのだ。ひげ面の二人のオジさんが作った「夕立」という歌の世界。それはあまりに優しく、哀しい世界だ。

ダーク・ダックスの素晴らしいハーモニーと、蝉の鳴き声などの凝った録音・・・。
聞けば聞くほど、味が出て心に沁みてくる歌ではある。

161221omaeda <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

この歌を聴いてふ、ふ、ふと笑えてしまいました。私の目に浮かぶのは、低い板塀に小さい庭、平屋のこじんまりした家、どこから見てもお妾さんの家ですね。粋な浴衣姿の色白の女、襟足のきれいな人、時々チラッと見かけて気になっている。雨戸が開かないのは旦那が来ているのではないだろうか。いつかこっちを見てにっこり笑ってくれるかな。気になって仕方がない。ハチローさん、合っていますでしょうか。戦後の朝鮮戦争で景気が良くなったころ、こんなお妾さんの家があちこちにありました。

【エムズの片割れより】
いや~。恐れ入りました!その想像力に・・・
お妾さんが登場ですか・・・。
自分はてっきり、振られての「閉じこもり」かと想像しました。自分の想像は夢がないですね~

投稿: 白萩 | 2016年12月21日 (水) 21:59

白萩様に先を越されました。
即に「森鴎外の雁」を連想しました。
囲われ者~愛人~お妾さん。

それにつけてもエムズの片割れ様!
よくも見つけてくださいましたね。
同じハチロー作詞の「爪色の雨」も繰り返し聴いております。

【エムズの片割れより】
皆さん、ピンと来るのですね~
自分は、感度が鈍いようで・・・

投稿: りんご | 2016年12月22日 (木) 09:29

「仇姿(あですがた)」というのは普通「艶姿」と書きますよね。
歌舞伎の「世話情浮名横櫛」からとった春日八郎の歌「お富さん」にも「仇(あだ)な姿の洗い髪・・」なんてでてきますね。でも若い方にはなじみのない言葉かも。
本当は「仇」と書くのは当て字で、「婀娜」と書くのが正しいそうです。でも「あですがた」と読むのでしょうかね。http://showamodern.blog.fc2.com/blog-entry-523.html
にも「障子にうつる、仇姿」とありますが仮名は振ってありませんでした。

【エムズの片割れより】
なるほど・・・。なまめかしい姿ですか・・・
白萩さんの解釈に合点が行きました。
お母さんの歌が多いサトウイチローですが、そんな色気のある詩も書いていたのですね。

投稿: 雪爺 | 2016年12月22日 (木) 10:14

東京行進曲の中にもありますね。「仇な年増を誰が知ろ」完全に仇が間違っていますね。雪爺様のおかげで勉強しました。ありがとうございます。
エムズ様は純情ですねぇ。奥様以外に目がいかないのですね。我が夫は車の運転中でも女が見えればヨボヨボのお婆さんまでちゃんと見ます。とても危険です。ハチローさんは女好きで有名でしたから、歩いていてもどこにきれいな女がいるかちゃんと見ていたのでしょうね。この歌は本音で作られたのでしょう。面白い歌を載せて下さって有難うございました。
りんご様、私も『雁』をすぐ思い浮かべました。最も女でもハンサム君はちゃんと見ますね。ただ、残念なことに胸がドキドキ高鳴らなくなってしまいました。本当に残念です。

【エムズの片割れより】
いやいや私だって!!?

投稿: 白萩 | 2016年12月22日 (木) 22:41

下記の解説によると「婀娜姿」が当て字で、本来「仇姿」と書くのが正しい(?)ようですね。

世界大百科事典 第2版の解説
あだ【仇∥婀娜】

江戸末期の美意識。浮気やいろっぽさを意味する〈仇〉に女性の姿態のしなやかさやたおやかさを表す漢語の〈婀娜〉を当てたのは,式亭三馬を嚆矢(こうし)とするが,この語はやがて為永春水の人情本で江戸下町の女性のやや頽(くず)れた官能美を表現する言葉として盛んに用いられる。〈いき〉の美学を支える〈意気地〉と〈張(はり)〉が弛緩しはじめたときに,〈あだ〉の美感があふれだすのである。【前田 愛】
https://kotobank.jp/word/%E4%BB%87%E2%88%A5%E5%A9%80%E5%A8%9C-1142920#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88

【エムズの片割れより】
色々ありがとうございます。文殊の知恵!?
「仇」はどうしても「かたき」と読んでしまうため、あだっぽい雰囲気は「艶」の方が合いそう・・・

投稿: 式亭四馬 | 2016年12月23日 (金) 16:48

式亭四馬様のコメントを読んで「仇姿」に納得がゆきました。
無想庵武林の二番目の妻「文子」はパリ滞在中、妖艶な美貌を武器に奔放に男を渡り歩いた魔性の女。やはり彼女を語る一文に「仇姿」とあったのを思い出しました。艶姿は男を翻弄する能動的意思とかかわりない美貌~能動的な意思の強い艶やかな女性が「仇姿」と解釈しております。今回限定で「青少納言」の偽名をご容赦ください。

投稿: りんご | 2016年12月24日 (土) 08:08

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