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2016年9月25日 (日)

「統合失調症の母」~医師・糸川昌成氏の話

前にも書いたが、夜寝て、1時間半ほど経つと、目が覚める事がある。その時は、開き直ってPCからウォークマンに転送しておいたNHKラジオ深夜便の番組を聞きながら、眠くなるのを待っている。
それで、昨夜聞いたのが、“明日へのことば「統合失調症の母からの贈り物」:東京都医学総合研究所病院等連携研究センター長・糸川昌成さん”(2016/09/19放送)という番組。これが少しショッキングな内容で、かえって目が覚めてしまった!?

NHKのサイトにはこう解説がある。
「糸川昌成さんは精神科の医師で、「統合失調症」研究の分野では第一人者です。
160925itokawa 実は幼いころ別れたきりになってしまった母が、統合失調症でした。糸川さんは生きているうちに再会しなかったことを悔やみ、母の死後、その足跡をたどるうちに「単に細胞を治すことだけが医療ではない、その人固有の生きる物語に寄り添うことが医療である。」ことに行きついたといいます。
番組では糸川さんに「統合失調症の母からの贈り物」と題してお話しいただきます。」(
ここより)

お話を少し聞いてみよう。

<「統合失調症の母からの贈り物」~糸川昌成氏の話>

*この番組の全部(41分)をお聞きになる方は、(ここ=ZIP)をクリックしてしばらく待つ。

うつ病もそうだが、統合失調症も、良い時と悪い時が交互に来るという。そして「反省と後悔」が一番悪いという。良いことだけを考えていれば良くなると言う。

自分の母親の病気の治療薬の研究を仕事としている氏の話は、かなり壮絶。
Netでググってみると、氏のこの放送以上の詳細なお話を聞く事が出来る(ここ)。それで、改めて全編聞いて(読んで)しまった。

放送では出て来なかった父親の話や、公表することでの家族の話などもあり、色々と考えさせられてしまった。(あえてコメントは差し控える。)

統合失調症は、昔は精神分裂病。この呼び方は2002年まで使われていたそうだ。
この病気の家族を持っている人は、その存在を隠す。まさにハンセン病(らい病)(ここ)と同じだ。
自分は、うつ病も統合失調症も、遺伝するとは考えていない。もちろんハンセン病も。
しかし、世の中はどうか・・・である。
上の氏の話に「私が母のことを、本を書いてその最後に母の病気のことを公表したのですが、妻が必ずしも賛成ではなかったのです。3人の子どもがいる。特に7歳の娘がいます。妻の言葉ですが、あなたは、精神障害者のためにという、こう立派な覚悟があるのかもしれない。その“立派に”というのは、まあ、とても、何か…素直な意味ではない“立派に”という言い方でしたけども。で、『親の立派な覚悟のお陰で、子ども達まで犠牲にしていいの?』というふうに言われたのです。」というくだりがある(ここ)。

世の中に偏見がある病気を家族が患っている場合の、そして、自分の両親について、自分が知らない、という人生。
我々のように平々凡々の人生からは想像出来ない人生がそこにあった。

結局、解は「家族の理解」しかないのだろう。上の、子を思う奥さんの言葉もごく普通の反応だ。それでも、家族の理解がありさえすれば、逃げ場も出来て、うつ病も克服出来る。
病気も含めて、「家族」について考えさせられた氏のお話であった。


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コメント

実は私の姉も総合失調症でした、当時は精神分裂症と呼ばれてました。未だ10代だった私は振り回されて大変辛い毎日でした。辛い日々を誰にも打ち明けられず他人に打ち明けられる悩みは悩みじゃない本当の悩みは簡単に口にはできないものだとその時理解しました。厳格で侍のような父親は姉の前途を悲観し殺そうと思ったけれども私を殺人者の娘にすると気が付き思いとどまったと話してくれました。たった一度だけ見せた父の涙を50年たった今も忘れません。重い話を失礼しました。

【エムズの片割れより】
家族に偏見を持たれる人が居ると、悩みますよね。でも老人の「認知症」もある意味同じ病気なのかも・・
広く家族を見渡せば、誰でも必ずどこかに障害者は居ます。子どもの時のトラウマから脳障害をもっているという人も自分のごく近くにいます。でも論じても仕方がない事は、笑い飛ばすに限ります。
しかし「偏見」というバケ物だけは、自ら制御できないので放っておく他はありませんよね。

投稿: 名前?わすれた | 2016年9月26日 (月) 10:03

エムズの片割れ様
貴重なお話を聞く機会をありがとうございます。深夜便は折々に感銘深く聞いておりますが殊の外痛切な内容でした。
恥ずかしながら  統合失調症=精神分裂病
を知りませんでした。統合失調症の語感から自律神経失調の進んだ状態と早飲み込みしてました。
人生の多様さを痛感させられました。
ハンセン病同様に本人にも身内にも
惨い運命を課す疾病ですね。

糸川さんの苦悩と医師としての使命感が伝わりました。

【エムズの片割れより】
重たいテーマです。もし自分の子どもが、その病気の親がいる人と結婚すると言い出したら・・・

投稿: りんご | 2016年9月27日 (火) 09:14

はじめまして。私は放送大学のラジオをよく聴いている高齢者ですが 糸川先生の母上の話を聴きびっくりしました。 こちらの記事もコメントも なかなか そのとおりで、 ありがとうございました。

【エムズの片割れより】
赤ちゃんの誕生は「奇跡」と良く言われますが、苦難のない人生を送る事など、奇跡中の奇跡なのでしょうね。

投稿: 金木犀 | 2016年10月 4日 (火) 17:00

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