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2016年4月11日 (月)

「フクシマ」テロでの東日本壊滅の可能性

先日の朝日新聞にこんな記事があった。
「(私の視点)原発どう守る 「フクシマ」テロの可能性 グレアム・アリソン、ウィリアム・トビー
 ブリュッセルで先月起こった攻撃はテロリストたちの意志の強さと、我々の最重要の懸念である核セキュリティーが依然として脆弱(ぜいじゃく)であることを想起させた。
 ベルギーの捜査当局の中には、テロリストたちが元々狙っていたのは原子力発電所だった可能性があるという見方がある。昨年11月のパリのテロに関連して捜索されたアパートからは、ベルギーの原発幹部を監視していたビデオが見つかった。
 ベルギーの核関連施設のセキュリティーの甘さは悪名高い。2012年には、同国の原発作業員2人が、シリアに渡り、その後、過激派組織「イスラム国」(IS)に参加したと報じられている。1人はシリアで死亡したとみられているが、もう1人はベルギーに戻り、テロ関連の罪で有罪判決を受けた。
 核関連施設の安全を保つ施策は依然として少なすぎる。ベルギーに限ったことではない。世界中の核関連施設は脆弱なままなのだ。
 先週ワシントンで開かれた核セキュリティーサミットでは、50カ国以上の首脳が参加し、高濃縮ウランを様々な国々から安全な貯蔵庫へ移すことが発表された。しかし、兵器になりうる核物質を守る警備員の武装について求めることはなかった。
 核テロを巡る議論は、テロリストが兵器級の核物質を盗んだり、「汚い爆弾」を作ったりすることに焦点を当てがちだ。しかし、テロリストが原発を攻撃し、チェルノブイリやフクシマのような惨事を起こす危険については見過ごされがちだ。
 福島での大惨事のあと、世界中の原発で安全対策が強化された。だがセキュリティーのすき間は日本、インド、パキスタン、ロシア、そして米国にもはっきりと残ったままだ。
 第一の対策は、現状に満足する気持ちに抗(あらが)うことだ。信じられないことに、11月のパリのテロ後にやっと、ベルギーは原発警備員を武装させるようになった。さらに信じられないことに、先月のブリュッセルの攻撃後やっと、ベルギー当局は核施設の従業員の個人情報を調べ、10人ほどの従業員の作業員資格は無効にすべきだったと結論づけた。
 最低限の対策として、兵器転用できる核物質もしくは、大規模な放射能漏れを引き起こす恐れがある低濃縮核燃料を保有するすべての施設は、武装した警備員が守るべきだ。そして原発の全従業員の経歴は、雇用前に徹底的に調査すべきだ。
 テロリストたちは原発に目を向けている。だからこそ我々も目を向けなければならない。 (〈C〉2016 THE NEW YORK TIMES) (NYタイムズ、4月5日付、抄訳)
    *
 グレアム・アリソン Graham Allison 米ハーバード大ケネディ行政大学院ベルファーセンター所長/ウィリアム・トビー William Tobey 元米エネルギー省国家核安全保障局副局長」(
2016/04/09付「朝日新聞」p17より)

福島の原発事故で、日本の国民は、改めて原発は“存在そのもの”が怖いことを知ったが、これをテロという視点から見ると、益々その存在は怖ろしい。

つまり、もし自分が「日本を壊滅させたい」と思っているテロリストだとすると、上のテロリストと同じで、原発を狙うのが最も効果的なような気がする。

前にも書いたが(ここ)、先の福島原発事故の際、米国は4号機の使用済み核燃料のプールに水がほとんど無いことを指摘して、米国民の退避を求めた。
吉田所長も、同じ理由で東日本の壊滅を覚悟した。

つまり、前の「福島第一原発4号機~東京を救ったのは、東電の工事の不手際だった」(ここ)という記事で書いた通り、本来は東京も住めなくなっていたはずだったのだ。

神風が吹いて、結果オーライで現在に至っているが、この4号機の例は、原発事故で広範囲の土地に住めなくなるという状況を作り出す可能性を知らしめた。

160411genpatu_2 政府は、臭い物には蓋、とばかりに無視しているが、今の日本で、どんな大事故が起きても、東京も含めて東日本全体が住めなくなるという状況は、考えられない。しかし原発は違う。
前にも書いたが、まさに小松左京のSF「日本沈没」が現実となって、数千万人の人の、国内での「移民」が発生する。

この状況を作り出すのは、「使用済み核燃料のプールから水を抜くこと」。
160411nenryoupool どの原発でも、メンテの時期になると、原発を止めて、格納容器の蓋を開け、燃料をプールに移す。もちろん冷やし続けるのが前提だが、テロで、人間が意識的に水を抜けば、同じ状況が生まれる。
どこの原発が、いつ定検になるのかは、原発周辺のメンテ会社に入り込めば、いとも簡単に知ることが出来るし、メンテ会社の下請に入り込めば、原発にも入れる。もちろん建前のガードは堅いが、今の原発作業者が払底している状況では、管理が甘くなっている可能性もある。

ふと、前に見たこの燃料プールの光景を思い出した。階上の窓から見下ろす燃料プールは、青々として、それは美しい光景だった。水と言っても純水なので、青く美しいのだと聞いた。
その美しさは、背後に恐ろしさを秘めた美しさ。まさに「美しいバラにはトゲがある」!

こんな記事を読みながら、日本では意識が薄い「テロ」という視点で「燃料プールの水」を見た時、日本を沈没させかねない、という恐ろしさへの認識が、あまりに薄いと思った。

160411yabai <付録>「ボケて(bokete)」より


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