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2016年3月 3日 (木)

「自分の寿命を知りたい?」

先日の朝日新聞にこんな記事があった。
「(be between 読者とつくる)自分の寿命を知りたい?
 織田信長が好んだという曲舞(くせまい)の言葉「人間五十年」。実際、つい百年ほど前までは日本人の平均寿命は50歳未満でした。しかし戦後は伸びつづけ、いまでは女性が87歳に迫り、男性も80歳を超えました。そこで聞いてみました。ちょっとSFっぽい質問です。「もし自分の寿命が分かるなら、知りたいですか?」

 ■長寿の迷い、さまざま
 結果は、寿命を知りたい派と知りたくない派が伯仲した。興味深かったのは、その理由。トップはいずれも、そのほうが、「人生を有意義にできるから」だった。
160303jyumyou  知りたい派の多くは、人生を計画的に進められると期待する。「車の買い替えや家のリフォーム。お金のかかることを、どの時期にするのがベストか知りたい」(静岡、46歳女性)、「残された日々に感謝し、一生懸命生きる。会いたい人に会い、歌い、笑う」(大阪、47歳女性)。
 大阪の公務員の女性(56)は、定年まであと3年あまり、若いころに諦めた「大学で歴史学・民俗学・宗教学の勉強をする」という夢を実現したいと書く。「自分の寿命を知り、そこから逆算して人生計画を立てたい」。もし余命が短ければ、すぐに大学へ進む。長いならまずは働いて資金をためるという。
 「終活」を意識した回答も目立った。「65歳くらいで人生を店じまいしたかったが、その年齢に達してしまった。残りを5年と考えて終活している」(長野、65歳男性)、「子どもや孫に迷惑をかけたくない。身辺整理の段取りを組みたい」(京都、64歳女性)。
 長野の女性(53)は「なんで知りたいか。お片づけをしておかなくちゃ! です。家の中のごったく、困るでしょ」。ごったくとは方言で「ごちゃごちゃ散らかった様子」のこと。しかし、あまり早く片づけると、あとから「とっておけばよかった」と悔やみそうで、迷うという。
 知りたい派の多くは、今の人生が楽しいからこそ、それがいつまで続くか知りたいと考える。「ボランティアや自転車、山歩きを制限なく楽しんでいる」(神奈川、68歳男性)、「定年後は非常に有益な人生。外国人に日本語を教え、多数の知り合いもできた」(同、75歳男性)。
 一方、知りたくない派には、明日より日々の生き方を重んじる考えが目立つ。そんな哲学を培う契機として、病気の経験も大きいようだ。
 「一昨年、皮膚がんになった。一日一日を大切に生きる気持ちが強くなった」(静岡、52歳女性)、「4年前、膵臓(すいぞう)がんになった。早期発見だったので今でも生存している。以来、人生の長さより、生き方に重きを置いている」(神奈川、67歳男性)。
 島根の女性(55)は50歳で急性骨髄性白血病になり、人生観が変わったという。「突然、自分に命の選択を突きつけられた。身の回りの整理をし、最小限の暮らしが楽しくなった。再発し、骨髄移植をして、仕事は辞め、家で療養している。先のことは1年くらいしか、考えないようにしている」
 今回は老後の不安についても聞いた。回答で多かったのは、認知症などの病気と、老後の生活費だ。また、理想の寿命を聞いたところ、最多は76~80歳で、平均寿命を下回った。「スーパー長寿」を目指す意欲は、あまり強くないようだ。
 「体にたくさんチューブをつけられ、『ただ生きているだけ』という状態になっては意味がない。昔のように、自然に死ぬことがうらやましい」(東京、50歳女性)
 「知りたくもあり、知りたくもなし」と書いたのは東京の男性(82)。質問はイエスかノーの二者択一だったが、迷いをつづった回答は多かった。健康な人が不慮の事故で亡くなることもあるし、病弱な人が健康を気遣い、意外に長生きすることも多い。結局、開き直るしかないのかもしれない。
 「万事、『なすがママ、きゅうりがパパ』で行きたい」(神奈川、65歳男性)
 (伊藤隆太郎)」(
2016/02/20付「朝日新聞」b10より)

何ともツマラナイ質問をするものだ。「自分の寿命を知りたい?」と聞かれたら、「知りたくない」と即答するに決まっているではないか・・・。
自分の場合の理由は簡単。結果として死ぬ時期を知ることが怖いから・・・
それが、「知りたい」人がいるらしい・・・。

まあそれはそれとして、“明日”が当たり前に来るとは限らない。事故で家族を失った人から良く聞く言葉だ。
当たり前が、どれほど貴重か・・・

自分の当たり前の日常も、いつ終わるか分からないから、安心して暮らせる。もし分かってしまったら、「あと何日・・」と考えなければならない。それは気の弱い自分にとってはツライこと・・・
結局、知らぬが仏で、暮らすしかない。

先日、井の頭線で、「全力で、何も起きない一日を。」という京王電鉄(京王設備サービス)の保全の中釣りを見160303keio た。まさに、保全をする立場から見ると、「何も起こらない」ことが目標。実に言い当てている標語だと思った。
しかしこれは、保守部門だけではない。日常の我々の生活も、まさにこれが目標ではないか。

ほとんど唯一、自分の意志ではどうにもならない「自分の命」。
願いは、孫の成長の姿を見続けたいものだが、これも天のみぞ知る。

「知らぬが仏」の日常を続けるとしよう。

160303keron <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

自分の消える時期、とても知りたいです。
ついでに出来れば、死んだ理由も知りたいです。
(贅沢ですかね?  笑)

私は死そのものより、納得しないまま突然この世を去らなければならなくなる方が、言い知れぬ不安があります。

せめて想いを残したくない生き方をしたいから。

残りの時間で、やり残す事を少しでも減らして、それなりの人生に満足して死にたい、、、

たぶん、寿命を知っても取り乱さない自信は結構あるんですけど、その場になったら、、、暴れちゃうかも。(笑)

【エムズの片割れより】
気の小さい自分からすると尊敬に値しますね。
話は変わりますが、どこかに書きましたが、自分の親父は、脳出血で突然亡くなりましたが、全てが整理してあったと、色々な手続きをした兄から聞いています。
自分も、そのうち、いつ死んでも良いように、整理をしておきたいと思っています。

投稿: 白木蓮 | 2016年3月 6日 (日) 00:35

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