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2016年3月 5日 (土)

「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」

先日、カミさんが何かのチラシに載っていたという、こんな切り抜きを見せた。
「人類の幸福とは何か、深く問いかける絵本
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
くさばよしみ編/中川学絵
2012年、ブラジルで開かれた国際会議。世界各国が環境が悪化した地球の未来について160305speech 話し合いました。各国代表者が意見を述べ、会議も終わりに近づいたころ、ウルグアイのムヒカ大統領の番になりました。給料の大半を貧しい人に寄付し、公邸ではなく農場暮らしという小国の大統領の演説に、会場の人たちは関心を抱いていないようでした。しかし、演説が終わったとき、大きな拍手が起こったのです。」

これがYoutubeで見られる。

訳が(ここ)にあったので、じっくりと読んでみよう。
ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ: (訳:打村明)
会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。
ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。
しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?
質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。
息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?
なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?
マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。
私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?
このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?
このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。
ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。
このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。
石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。
昔の賢明な方々、エピクロス、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。
国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。
根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。
私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。羊も800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。
私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。
幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。
ありがとうございました。」(
ここより)

160305uruguay そもそも「ウルグアイって、どこだっけ?」・・・
南米のブラジルとアルゼンチンに挟まれた国だった。
国の名前は聞いたことがあっても、場所を直ぐに言えなかった。

Wikiで「ホセ・ムヒカ」を見ると、こんな記載があった。
「彼の個人資産は、フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)(トラクターと農地と自宅も所有している。 )のみで、大統領公邸には住まずに、首都郊外の質素な住居に暮している。また、給与の大部分を財団に寄付し、月1000ドル強で生活しており、「世界で最も貧しい大統領」として知られている。彼の愛車である1987年製フォルクスワーゲン・タイプ1(2014年現在の価値は2800ドル(約32万円))をアラブの富豪から100万ドル(約1億1600万円)で買い取る事を打診された際、2014年11月14日にラジオで「友人たちから貰った物だから、売れば友人たちを傷つけることになる」と、これを拒否する発言をした。
リオ会議(Rio+20)では、経済の拡大を目指すことの問題点を明確に演説した。また、「世界で一番貧乏な大統領」の絵本が、日本でも出版された。」(
Wikiより)

ブータンと同じで、人間の幸せは、果たして消費か?という指摘。
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

耳が痛い。

それにしても、憲法までも我が物にしようとしているどこかの首相とは大違い。
せめて国のリーダーは、“私欲にまみれている人”であってはいけない。そんな人は絶対に排除しなければいけない。
こんな真に国民の幸せを考えて政治をする大統領を持つ国の人は、どんなに小さな国でも、どんなにお金が無くても、人間として幸せなのだろう。
自分も、結果として「利益」追求の数十年間だったが、せめてこれからは自然体で暮らしたいものだ。

(2016/03/14追)
ムヒカさん、4月に初来日 絵本「いちばん貧しい大統領」
 「世界でいちばん貧しい大統領」の愛称で知られる南米ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさん(80)が4月に初来日することが14日、分かった。日本を訪れる理由を「本当の幸せについて、日本の人々と相互理解を深めたい」と説明している。
 4月5日に来日、記者会見や大学生を対象にした講演会を行う予定。
 ムヒカさんはゲリラ活動により投獄された後、1994年に国会議員となり、2010年から昨年にかけては大統領を務めた。給料の大半を貧しい人々に寄付し、古い愛車を自分で運転し、農場で質素に暮らす清貧ぶりで国民に愛された。
 ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議で12年に行ったスピーチでは、欲望に満ちた文明が人類を危機に陥れていると訴え、「私たち自身の生き方を見直さなければならない」と呼び掛けた。
 演説は反響を呼び、日本では絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(編・くさばよしみ、絵・中川学、汐文社)の発行部数が16万部を超えた。今月下旬には、政治家としての業績を紹介する書籍がKADOKAWAから文庫で発売される。〔共同〕」
(2016/03/14付「日経新聞」夕刊より)」

160305inu <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

人間が人間らしく生きられる国は、朝起きて働き、夜はぐっすり眠ることが出来る国です。豊かな国と言われる国は24時間、夜昼、関係なく働き動いています。子供も大人も疲れています。昔は子供が学校から帰ってくると「母ちゃんいる?」と母親が居る事を確かめてから安心して遊びに出かけていました。戦後で何にもない貧しい国でしたが、子供の心は豊かだったと思います。総理が言う女性が輝く社会とはどんな社会なのでしょうか。札びらを身体にまとわり付けて働かなくてはいけない国なのでしょうか。人口を増やしたかったらお母さんにゆとりを持たせて下さい。軍事費を減らしてお父さんとお母さんに優しい国にして下さい。良い子が育ちます。

【エムズの片割れより】
その通りですね。
子供がいない総理には分かりようがない、と言っては失礼ですが、そう思いたくもなります。
でもそれを結果として選らんでいるのは国民なのです・・・

投稿: 白萩 | 2016年3月 5日 (土) 23:25

 イギリス、ネス湖の近くのフィンドホーンという所で小さな村ができつつあります。スピリチュアルとエコな生活を取り入れながら、新しい生活を作り続けています。これも一つのやり方でしょう。世界に広がれば、小さくても確実に世界は変わっていくと思います。

 このウルグアイの大統領さん、自前の飛行機もなくて、国際会議などの時は,たしかお隣の国の大統領の飛行機に乗せてもらうのだとか、そういうことをどこかで読んだことがあります。微笑ましいですね。

【エムズの片割れより】
権力者が、自己顕示欲を振りまく中、貴重な存在ですよね。

投稿: み~子 | 2016年3月 7日 (月) 03:53

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