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2015年12月11日 (金)

「接触事故の女子高生、「大丈夫」のはずが…」~他人事ではない

こんな記事を読んで、「決して他人事ではない」と思った。
「(法廷ものがたり)接触事故の女子高生、「大丈夫」のはずが…
 裁判記録をとじた厚いファイルを開き、埋もれた事案に目を向けてみれば、当事者たちの人生や複雑な現代社会の断片が浮かび上がってくる。裁判担当記者の心のアンテナに触れた無名の物語を伝える。

 乗用車を運転していた会社員の男性が、自転車と接触事故を起こしてしまった。倒れた女子高校生は大丈夫とうなずいて立ち去ったが、実際は軽傷を負っていた。警察の呼び出しを受け、ひき逃げ扱いされて4年間の免許取り消し処分に。男性は「ケガをしていたと認識していなかったのに重すぎる」と、処分の撤回を求めて裁判を起こした。
 東京郊外の初夏の夕暮れ。薄暮の中を行き交う車がヘッドライトを点灯し始めていた。ミニバン型の乗用車のハンドルを握っていた40歳代の会社員の男性は、コンビニエンスストアの駐車場から交通量の多い幹線道路に出るタイミングをつかめずにいた。別の出口から出ようと諦めて車をバックさせたとき、ドンと鈍い衝撃があった。
 男性は慌てて車を停止させ、運転席から下りた。車の後ろに回ると、倒れた自転車と、片手をついて起き上がろうとしている女子高生の姿が目に入った。
 「大丈夫ですか。頭を打っていないですか」。男性が問いかけると、女子高生は照れ笑いを浮かべてうなずき、立ち上がると制服のスカートを手で払った。男性は倒れた自転車を引き起こしながらもう一度、「大丈夫ですか」と声をかけた。女子高生ははにかんだ表情のまま、自転車に乗って立ち去った。
 その後ろ姿を見届け、男性は運転席に戻って駐車場を去った。その間、わずか数分のできごとだった。
2週間後に警察官、ひき逃げ犯と同じ「免許取り消し4年間」に
 約2週間後、男性の自宅に警察官が現れ、署への出頭を要請した。女子高生は事故で1週間程度の軽い傷を負い、帰宅後、家族に伴われて交番に被害を届け出ていた。コンビニの防犯カメラ映像と買い物で使った電子マネーから男性が浮上し、自動車運転過失傷害の疑いを持たれていた。
 男性は警察署で取り調べに応じ、「処罰から逃れたくて届け出なかった」とする調書を作151211nikkei 成。検察には不起訴とされたが、「免許を4年間取り消す」という処分通知が届いた。
 事故での救護義務違反が35点、安全運転義務違反が4点。別の軽微な違反を加えると累積点数は43点に達し、免許取り消しの15点を大きく上回っていた。「ひき逃げ犯と同じ処分は余りに過酷。ケガが軽くて被害者が診察を拒絶した場合は救護義務違反に当たらないとした判例もある」。男性は都公安委員会に異議を申し立てたが退けられ、都を相手に処分の撤回を求めて提訴した。
 救護義務違反が成立するには、相手が事故でケガをしたか、ケガをした可能性があると認識している必要がある。裁判で男性側は「高校生になれば自分の状況は正確に伝えられる。このときもケガは無いと意思表示していた」と訴えた。
 もし救護義務違反に当たるとしても、「危険性が低い場合は取り消し期間を1年縮める」とする道交法の規定に基づき、免許取り消しの期間は3年とすべきだと主張。「免許取り消しまでは求めない」とする女子高生の母親の嘆願書も提出した。
 対する都側は「経験未熟な高校生なら気が動転して現場を立ち去るのも無理はなく、負傷の可能性を考えるのが自然なのに、確認せずに『ケガは無い』と自分に都合良く解釈しただけ」と反論。取り消し期間は4年がふさわしいと譲らなかった。
 地裁は判決で「少なくとも女子高生がケガした可能性があるとは認識していた」として救護義務違反を認めた。しかし「重大事故になる危険性は低かったし、女子高生側の被害感情も小さい」として、免許取り消しの期間は3年が妥当だとした。
双方が予期しなかった控訴審の判断
 男性は判決を受け入れたが、都側は不服として控訴した。高裁での審理を経て示された判断は双方にとって驚くべきものだった。「そもそも救護義務違反はなかった」――。
 東京高裁は男性が事故後に車から下りて「大丈夫ですか」と声をかけ、女子高生が笑顔でうなずいて正常に自転車をこいで立ち去った点を重視。「男性は救護に当たろうとしたし、ケガは救護を必要としない程度だと信じたことには相当な理由があった」と指摘した。「救護義務違反はなく、累積点数は8点にすぎないので、そもそも免許取り消しに該当しない」
 しかし、民事訴訟法は控訴しなかった側が有利になる判決の変更を禁じている。「地裁の判断には違法があるが変更できず、控訴棄却にとどめるほかはない」。高裁の判決文には裁判官の無念さがにじんでいた。
 免許取り消し処分から一審判決までに2年。高裁判決が確定するまでにさらに7カ月。3年に縮んだ取り消し期間は残り数カ月になっていた。その間に男性は運転免許が必要な営業部を外されて内勤に移り、年収は100万円ほど下がっていた。今更「免許取り消しに該当しなかった」と言われても、過ぎた時間は戻ってこなかった。(社会部 山田薫)」(
2015/12/09付「日経新聞」より)

こんなケースはたくさんある。日常的に全国どこでも起こっているのでは?
しかし、こんなことにもなりかねない・・・。
この男性は、「処罰から逃れたくて届け出なかった」ことを認めているようだが、果たしてどこまでの事故なら届けるべきで、どこまでの事故なら届けるべきでないのか・・・。特に物損事故の場合は、相手との話し合いになる。
一義的には、ケガをしているのかどうかだが、どの位のケガかは、やはり本人の申告だろう。確かに「大丈夫」と聞けば、「ああ良かった。人身事故にならなくて済んだ」とホットする。

このケースの場合は、ある意味、女子高生はこの男性に対して裏切り行為をしたことにならないか・・・。自転車に乗って立ち去ってしまったわけなので、男性は事故届けを出すチャンスを奪われたことにもなるのでは??
しかも、後で被害届を出した、ということは、「ケガをした。人身事故だったので、補償してくれ」という民事と、「道路交通法に則って、刑事罰を」という刑事・行政罰への意志だったとしか思えない。もちろんそれは女子高生の母親の意志。
しかし、“「免許取り消しまでは求めない」とする嘆願書も提出した。”というから、その影響の大きさに、母親はたじろいたのかも知れない。
民事がどう終わったかは知らないが、刑事・行政罰はレールに乗って、警察の論理でどんどん進む。そして公安は、警察や検察と同じく、男のメンツで動く。いったん決めた事が否定されるのは許せない。裁判で自分たちの判断が否定されるのは許せない。ただそれだけのために、この男性の人生が狂う・・・

ではこんな場合は、どうすれば良いのか・・・。
加害者としては、上に書いたように「無かったこと」になるのが一番良い。だから「大丈夫」という言葉を渇望する。
もしそうなら、「決してバレないかどうか」を検証する必要がある。カメラはないか?店でカードを使っていないか・・等々。
しかし、あらゆる所にカメラがある現代社会では、バレることを前提に考えないといけない。
すると、どんなに軽微であっても、警察を呼んで事故扱いにして貰うしかない。
例え、名刺を渡して「何かあったらここに連絡を」と誠意を示しても、もし後で再燃すると、事故証明が無いので保険会社が補償してくれるかどうか分からない。

だからカミさんには、「どんな簡単な事故でも必ず警察を呼べ」と言ってある。理由は簡単。保険を使うためには、事故証明が必ず必要で、それはその現場に警察を呼ばないと作れないから。(後でも作れるかも知れないが、メンドウなので・・・)
とにかく、本人が例えそこを去っても、110番に電話をして「本人は大丈夫と行って帰ってしまったが」という言葉を警察の110番の録音に残しておけばよい。これが自分を守る証拠になる。

民事は保険で済むし、刑事も余程の人身事故でないと逮捕されたりはしない。残るは行政処分だが、それほど悪質でない軽微な接触事故などでは、減点されないこともある、とも聞く。

とにかく、「どんな事故でも、まず110番!」を再認識した記事であった。

151211goukon <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

本当に他人事ではない事故です。夫も数年前、高校生の自転車と接触事故を起こしました。前を見ないで突っ走ってきた自転車が交差点を渡ったばかりで徐行していた車の前に追い越しを掛けて飛び出してきたそうです。何ともないと言って学校へそのまま行ったそうです。学校で医者へ掛かれと言われたから2万8千円払えと言ってきたので無事だったのだからと払おうとしたら、2日後に新品の自転車と買い替えたから自転車代5万円追加と言ってきました。大した事故でないからと警察を入れなかったのですが、自転車が走行不能になったとは考えられません。どこが傷んだのかも知らせずに買い替えてしまったのです。揚句にお金を取りに来た親が言った言葉は「同じ町内だから、最低限の請求にした」には呆れてしまいました。自分の子供の過失は全く認めないのです。揉めたくないので言われた通りに払いましたが、日本中のあちこちで絶えず起っている事故だと思います。自動車保険が年ごとに値上げをしています。被害者の言いなりになっていればますます高くなりますね。必ず警察を入れても、警察も被害者?の言いなりになったらもっと恐ろしい事になります。高校生の自転車には泣かされた人が多いと思います。どっちが加害者かわからなくなってきました。

【エムズの片割れより】
我が家のトラウマは、カミさんの車の後を走っていたバイクが、前方の車の車線変更のおかげで転び、バイクの修理代まで・・・
接触も何も無かったので、そもまま走り去れば良かったが、几帳面にも・・・
後から、保険会社のアドバイスで、色々と補償を言ってきました。
それを機に、我が家では「何があっても警察の事故証明」・・・
自転車は、怖いです。歩行者をはねる加害者としての自転車も・・・

投稿: 白萩 | 2015年12月12日 (土) 11:49

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