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2015年12月30日 (水)

相次ぐ冤罪 裁判官の責任は?

先日の朝日新聞に、裁判官の責任についての記事があった。
「(私の視点)相次ぐ冤罪 裁判官の責任問うべきだ 坂元和夫
 昨年3月に一家4人殺害の「袴田事件」に関し静岡地裁が再審を認める決定をし、今年10月には大阪の放火殺人事件の再審開始が決まった。袴田巌氏は死刑執行の恐怖に日々おびえながら45年余りも収監され、大阪の事件で無期懲役とされた被告らは逮捕から20年ぶりに釈放された。
 冤罪(えんざい)が後を絶たないなか、再審が認められず、死刑を執行された人もいるに違いない。無実の人が国に生命や自由を奪われることほどの不条理、不正義はない。
 誤った判決は捜査機関による無理な取り調べと、その結果である虚偽の自白が原因であることが多い。取り調べの全面可視化が実現すれば誤判は確実に減る。しかし、捜査当局は可視化に強く反対し、政府は一部可視化の見返りに司法取引の導入という、冤罪を生む別の原因をつくろうとしている。
 しかし、現行法のもとでも裁判官がその気になれば、簡単に可視化が実現するはずだ。裁判官が、全面可視化のもとでの自白以外は任意性に疑いがあるとして、自白調書を証拠として採用しなければよい。それが一般化すれば、捜査機関もおのずと全面可視化を認めざるをえなくなるだろう。漫然と法改正を待つ裁判官たちの責任は重大だ。不当逮捕、不当勾留、罪を認めないと保釈させない「人質司法」なども、裁判官が令状審査を適切にすればたちどころに解消し、誤判防止に役立つ。
 ところで、間違った判決を言い渡した裁判官の責任はどうなるのだろうか。弘前大学教授夫人殺人事件で有罪判決が確定し、逮捕から28年後に再審無罪となった元被告の訴えに対し、最高裁は1990年、裁判官に違法、不当な目的がない限り、国の賠償責任は生じないとした。一般の公務員と区別して裁判官を事実上、無答責とする理由の説明は、判決文にはなかった。
 裁判官は良心に従って、独立して裁判を行う。後に誤った判決の責任を問われては、裁判官の独立が侵されるという判断があるのかもしれない。しかし、私には裁判官への無答責がその職業意識を弛緩(しかん)させ、誤判を生み出すように思えてならない。裁判官にも一般の公務員と同様、国の賠償責任を認めるべきだ。
 下級裁判所の裁判官の任期は憲法で10年とされている。誤判をした裁判官は再任されるべきではなく、最高裁判事に任命されてはならない。
 裁判官は地位を保障され、一般の公務員よりも高い給料を支給される。それは、裁判官が心置きなく正しい裁判ができるようにするためだ。一人ひとりの裁判官が責任感をもって職務を行うことで、誤判がなくなることを望んでやまない。 (さかもとかずお 元日本弁護士連合会副会長)」(
2015/12/17付「朝日新聞」p15より)

裁判官の責任について、どう考える?
裁判官は、独立してその地位を保証され、簡単にはクビにされない。(ま、「独立している」というのは建前だけど・・・)
それは誤審にも及ぶ。冤罪被告が、死刑になったとしても・・・
上の筆者は、その誤審の責任を裁判官にも問うべきと言う。
さて、どう考えるのか? まさか、そうなると、裁判官がその責任を回避するために、死刑を避けたり、刑が軽くなるように・・・などとはならないだろうが・・・

それにしても、日本の司法制度は、あまりに閉鎖的。可視化も進まない。法廷での録音や録画も禁止・・・
アメリカでは、裁判の様子がテレビ中継されることも珍しくないというのに・・・。
この辺りの事情は、(ここ)に詳しい。

結局、どんな理由を並べ立てても、自信が無いのだろう。裁判官も検察も警察も・・・
だから、色々な理由をまくし立てて、公開を阻む。自己の保身と責任逃れのために・・・

司法取引も、自分も冤罪を生む原因になる可能性が高いと思う。人間は、だれでも逃げたいもの。例え、誰かが自分の犠牲になろうが、自分だけ助かりたい・・・。それが人間の原理。

話は変わるが、先日の韓国における産経新聞・前ソウル支局長の無罪判決での韓国外務省の裁判所への介入にはビックリした。
朝日新聞によると、
「判決直前、韓国外交省は裁判所に異例の「配慮」を求めた。」
「裁判長は判決の言い渡しを始める前に、外交省から検察側を通じて、裁判所に提出された文書を読み上げた。行政府である外交当局が司法府である裁判所に要請をするのは極めて異例だ。」
「韓国外交省当局者は異例の要請について、文書は韓国法務省に出したことを明らかにした。法務省から検察当局、裁判所に渡ったことになる。当局者は「韓日関係を担当する機関として、日本側からの要請を法務省に伝えるのは業務の一部だ」と説明した。」・・・
(2015/12/18付「朝日新聞」ここより)

韓国に比べれば、まだ日本の方が、堂々と介入していないだけマシ??
やはり三権分立は、世界的に見て“夢”のようだ。

前にも書いたが、日本の裁判の有罪率が100%に近いのも、裁判所が単に“検察の求刑×8割”の式で判決するだけの、検察の下請に成り下がっているようで、何とも寂しい。
警察・検察で、最重要なのは言うまでもなく“メンツ”。

こんなお寒い日本の司法制度。我々に出来ることは、何とかその当事者にならないように、下を向いて日々を過ごすだけ・・・。
今年も、ため息の時間が過ぎて行った・・・

151230wakareba <付録>「ボケて(bokete)」より


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