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2015年8月 7日 (金)

「腸内細菌で体が変わる?」

先日の日経に、こんな記事があった。
腸内細菌で体が変わる?
 私たちの腸内には全身の細胞よりもはるかに多い数の細菌がすみ、増殖を繰り返している。「腸内細菌叢(そう)と呼ぶ、この集まりが下痢や便秘などの便通異常だけでなく、全身の健康状態や病気にまで関係することが最近の研究で明石かになってきた。病気の人に健康な人の腸内細菌を移植する治療法も登場し、注目されている。

健康な人から移植 腸炎改善も
 腸内細菌の種類は数百種以上、数は100兆個にも及ぶ。大きく分けると、ビフィズス菌など体に良い働きをする善玉菌、ブドウ球菌などの悪玉菌、連鎖球菌など体が弱った時に悪さをする日和見菌がある。健康な人と腸や全身の病気のある人とでは、これらのバランスや種類の多さなどに違いがあることが分かってきた。
 この数年、健康な人の細菌を患者に移植して、腸炎を治そうという試みが注目されている。きっかけは2013年に米国医学雑誌に発表された、オランダの研究チームの論文だ。
抗菌剤の長期使用で細菌バランスを崩しひどい下痢になる「クロストリジウム・ディフィシル菌感染腸炎」の患者に、健康な人の腸内細菌を注入する「腸内細菌移植療法(FMT)」を実施したところ、9割以上が治ったという。従来の薬による治療法では3割程度の治癒率だった。

国内で臨床試験
 日本でも臨床試験が始まっている。順天堂大学消化器内科では、14年6月から20歳以上の潰瘍性大腸炎の患者を対象に実施している。大腸の粘膜がただれて潰瘍ができる炎症性の腸の難病で、下痢や血便、発熱などが続く。責任者の石川大助教は、「30人に実施し、7割程度の治療効果を確認した。トラブルや副作用もない」と手応えを感じている。
 同科では移植をする前に、患者にまず3種類の抗菌剤を2週間服用してもらい、腸内の悪150807saikin1 い細菌環境をリセッ卜する。「移植単独よりも、この抗菌剤を飲むのを組み合わせた方が、効果的に腸内細菌叢を改善できることが分かった」(石川助教)
 移植する細菌のもとは、患者の家族から提供される便。提供者は血液検査や便検査を受け、感染症や寄生虫などの問題がないことを確かめておく。提供された便を生理食塩水で溶かして、フィルターで粗いカスをこすなどの処理をし、大腸内視鏡を使って患者の盲腸周辺に注入する。
 便は生きた腸内細菌の集まりだ。抗菌剤で除菌をすると腸内からはいったん、悪い菌だけでなく、良い菌もほとんどいなくなる。その後に健康な人の膨大な数の腸内細菌が注入されると、腸内環境が大きく変わる。

免疫に影響も
 腸内細菌が変わると、免疫の働きにも影響が及ぶという。「抗菌剤の服用によって腸内細菌数が大幅に減少したところに、数兆個もの細菌が一気に入り込む。この劇的な変化が、潰瘍性大腸炎の原因とみられる、異常な免疫の働きを改善する可能性がある」と石川助教はみている。
 下痢で1日13回ほどトイレに駆け込んでいた患者が、移植を受けて2ヵ月後には症状が落ち着き、排便回数が同1、2回に減ったという例もある。一方で効果が無い人がいるのも事実だが、「今後はさらに50人ほどに実施して、効果やメカニズムを調べる」(石川助教)。なお、同様の研究は現在、慶応義塾大学、滋賀医科大学でも実施している。
 慶応大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授は、「腸内細菌叢は、腸管の細胞と共に複雑な腸内生態系を作り、免疫系や神経系、ホルモン産生などにも関わる。もはや一つの“臓器”」と話す。
 腸内細菌叢のバランスの乱れは大腸炎や大腸がんなどの腸の病気にとどまらず、肥満やアレルギー、肝臓がん、糖尿病、動脈硬化症などにかかわることがわかってきた。細菌150807saikin2 叢を良いバランスにすることが病気予防につながる。普段から腸によい食事を心がけることが大切だ。
 乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、ヨーグルトや発酵食品などに多い。一方、腸内で善玉菌のエサになる食品にはオリゴ糖や食物繊維がある。特に水溶性食物繊維を分解して作られる成分が注目されている。
 「いろいろ試し、自分の腸と相性の良いものを見つけるといい。最初の数日間は腸内細菌叢が変わる途中段階なので、お腹がゴロゴロすることもあるが、続けるうちに安定する。1週間は続けてみてほしい」と福田特任准教授。排便の回数や形、臭いなどの状態が良い方向に変化したら、腸内環境がよくなった証拠だという。(ライター佐田節子)

便の色や臭いで環境チェック
 腸内環境の良しあしを普段から把握するには、便の状態をよく見ることだ。「定期的に排便があり、色が黄色っぽく、形がバナナ状なら、よい腸内環境と思っていい」と福田特任准教授。
 臭いが強いから腸内環境が悪いとは必ずしも言えない。例えば腸内細菌が作り出す酪酸という物質は、ギンナンと同じ臭い成分だ。「酪酸は過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞を増やし、アレルギーや大腸炎を起きにくくする」 (同准教授)
 腸内細菌は食物繊維を分解して酪酸や酢酸、プロピオン酸などを作り、これらが健康に貢献する。ただし、卵が腐ったような臭いは悪玉菌による腐敗臭。注意したい。」(2015/08/01付「日経新聞」s7より)

この治療法は、前にラジオ深夜便で聞いたことがある。言われてみると、なるほど・・・という話。

前に「良いウンチと悪いウンチ、どう見分ける?」(ここ)という記事を書いた時に、
「仮に、1日の排便量を200グラムとして計算すると、160グラムは水。残りの40グラムが「腸内細菌」「腸粘膜の細胞」「食べカス」となる。この3つはそれぞれ10~20グラムといったところだろう。
 中でも重要なのが、腸内細菌。腸の中には総量1キロほどの細菌がすみ着いている。菌の種類は数百種にのぼる。その一部が、ウンチにも出てくるわけだ。」

という話があった。
つまり、便の10%位は、細菌だという。それに1キロの細菌が体内に住み着いているとはオドロキ。
動物の食糞(しょくふん)も、親が持つ腸内細菌を貰う行為、と聞いたことがある。この治療法も同じで、臓器の移植と違って、拒絶反応も少ないのであろう。

自分にも、親戚に潰瘍性大腸炎の人がいるが、でも勧めるのは難しそう。
人体に有害な薬(化学)に頼らず、このようなアナログ的な治療法は、安心。もっと普及すれば良いのに・・・

150807kikann <付録>「ボケて(bokete)」より


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