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2015年1月21日 (水)

「イスラム国」の人質声明の動画

大事件の勃発である。Youtubeにアップされた「イスラム国」の人質声明の動画(これ)を、下記の記事が文字で描いている。日本のテレビ報道では、なぜか最初のNHK国際ニュースの場面が放送されない・・・
人質の日本人、表情を変えず 「イスラム国」の動画
 過激派組織「イスラム国」が公開したとみられる動画は、NHKの国際ニュース映像で始まる。
 キャスターが英語で「中東地域への数百万ドルの援助と円借款を発表し、その地域での過激主義の広がりに懸念を示した」と述べ、安倍首相が中東地域への支援を表明したとの内容だ。
 映像は、首相とエジプトのシーシ大統領との会談映像を挟んだ後、首相の演説の場面になる。「テロと大量破壊兵器がその地域に広がれば、国際社会は多大な打撃を受けるだろう」との発言が英語で流れる。
 その後、銃声2発が響き、「日本の首相と国民へ」という英語とアラビア語の文字が出てくる。画面は砂漠に切り替わり、目以外の部分を黒い衣装で覆って立っている男と、その前でオレンジの服を着て中腰で後ろ手で座らされている男性2人が出てくる。2人の男性には「KENJI GOTO JOGO」と「HARUNA YUKAWA」の字幕がつき、左が後藤健二さん、右が湯川遥菜さんだと示している。
 黒装束の男は「日本の首相はイスラム国から8500キロ以上離れた場所にいるかもしれないが、あなたは自ら進んで(対「イスラム国」の)十字軍への参加を志願した。我々の女性と子供たちを殺し、イスラム教徒の家々を破壊するために、1億ドルを得意げに提供した」と批判。「したがって、この日本人市民の命の値段は1億ドルとなる」と言い、左手に持ったナイフを後藤さんとみられる男性に近づけた。
 次に、湯川さんとみられる男性の方もナイフで指し、「イスラム国の伸長を食い止めようと、イスラム国と戦う兵士の訓練のために、あなたはさらに別の1億ドルを提供した。したがって、このもう1人の日本人男性の命も1億ドルだ」と続けた。
 最後に「日本国民へ」と話し始め、「イスラム国と戦うために2億ドルを払うというあなたたちの政府のバカげた決定のために、72時間以内に日本政府に対して、2億ドルをイスラム国に支払うという賢明な判断を迫らなければならない。あなたたちの市民の命を救うために。さもなければ、このナイフはあなた方にとっての悪夢となるだろう」と脅迫した。
 後藤さんとみられる男性は終始、口を真一文字にして目を開き、まっすぐ前を見つめていた。湯川さんとみられる男性も、前を見て姿勢をほとんど変えなかった。」(
2015/01/20付「朝日新聞」ここより)

「イスラム国」の声明全文
 過激派組織「イスラム国」が流したとされるビデオでの声明は次の通り。
       ◇
 日本の首相へ
 あなたは「イスラム国」から8500キロ以上離れた場所にいるかもしれないが、あなたは自ら進んで(対「イスラム国」の)十字軍への参加を志願したのだ。あなたは我々の女性と子供たちを殺し、イスラム教徒の家々を破壊するために、1億ドルを得意げに提供したのだ。したがって、この日本人市民の命の値段は1億ドルとなる。
 さらに、あなたは「イスラム国」の伸長を抑えようと、イスラム戦士に対抗する背教者を訓練するために、もう1億ドルを差し出した。したがって、このもう1人の日本人市民の命の値段も1億ドルとなる。
 そして、日本国民へ
 「イスラム国」と戦うために2億ドルを払うというあなたたちの政府の馬鹿げた決定のために、あなたたちは72時間以内に日本政府に対して、2億ドルを「イスラム国」に支払うという賢明な判断を迫らなければならない。あなたたちの市民の命を救うために。
 さもなければ、このナイフはあなたたちにとっての悪夢となるだろう。」(2015/01/20付「朝日新聞」p9より)

数日前にこんな記事もあった。
自衛隊、ジブチの拠点強化 防衛省、有事にも使用検討
 アフリカ東部のジブチに海賊対策で設けた自衛隊拠点について、防衛省が中東有事での哨戒機派遣や緊急時の邦人救出など、多目的に使えるよう施設の強化を検討していることが防衛省関係者への取材でわかった。長期間の使用が前提で、中東・アフリカの活動拠点として新たに位置付ける。安全保障法制の審議と並行して検討を進め、2016年度予算に施設建設などに向けた必要経費を計上することを目標にする。
 事実上の「海外基地」(防衛省関係者)で、安倍政権下で進む安保法制の転換によって自衛隊の海外任務が拡大することを見越した動きだ。
150121jieitai1  拠点は、ジブチ国際空港に隣接する12ヘクタールをジブチ政府から賃借。約47億円かけて司令部庁舎や隊舎、P3C哨戒機3機分の駐機場と1機分の格納庫などを建設し、11年6月に開設した。
 海賊対処法に基づいて、哨戒機2機を運用する航空機部隊を中心にした海自の約110人と拠点警備に当たる陸自の約70人を4カ月交代で派遣。ソマリア沖・アデン湾を航行する客船や商船を海賊から守る派遣目的に沿って使われている。
 防衛省や自衛隊の複数の幹部によると、検討中の計画では、海賊対策以外にも、災害派遣や国連平和維持活動(PKO)のほか、有事やテロなどの際に自衛隊部隊を送り込んだり、物資を輸送したりするアフリカ・中東の拠点として活用する。自衛隊法など安保法制を改正するなかで、多目的化する内容を定める。
 あらかじめ配備した陸自の軽装甲機動車を使って陸路で邦人を救出する▽駐機スペースを拡大して政府専用機や輸送機で邦人を輸送する▽海賊対策として常駐させている哨戒機を中東有事の際に警戒監視のために現地に送る――といった案が浮上しているという。
150121jieitai2  ジブチには、仏軍基地やアフリカ唯一の米軍基地があり、北大西洋条約機構(NATO)諸国も駐留する。防衛省は、15年度予算案に調査検討費として3千万円を計上。米英仏の各国軍の海外基地の活用法と、施設整備や維持の費用について調べる。
 防衛省幹部は「積極的平和主義に基づけば、自衛隊が海外に唯一持つ拠点を生かす方策を考えるのは当然だ。米国やNATOとの連携、テロ情報の共有といった観点からも拠点の多目的化は有益だ」と説明する。(福井悠介、三輪さち子)
     ◇
 〈ジブチ〉 正式名称はジブチ共和国。2万3200平方キロメートル(四国の約1.3倍に相当)に約90万人が暮らす。人口の94%がイスラム教徒。1977年にフランスから独立した後、内戦が断続していたが、2001年に終結した。サウジアラビアを中心とするアラブ穏健派との関係が深い。首都はジブチ。」(2015/01/19付「朝日新聞」より)

そして、今朝の日経新聞にはこんな記事も・・・
「・・・首相は会見で、2億ドルの資金援助を「避難民の方々が命をつなぐための支援だ」と強調した。17日のカイロでの演説では「支援するのはイスラム国がもたらす脅威を少しでも食い止めるためだ」とも述べていた。
 自衛隊の海外派遣などを通じて積極的に地域の平和と安定に貢献する「積極的平和主義」は安倍外交の土台だ。集団的自衛権の行使を認める議論では「戦争に巻き込まれることはあり得ない」「むしろ日本に戦争を仕掛けようとするたくらみを防ぐ抑止力になる」と説明してきた。野党などからは日本が紛争解決などに深くかかわれば、日本人がテロなどの犠牲になるとの声が出ている。・・・」(2015/01/21付「日経新聞」p3より)

安倍首相の言葉が何であれ、結果として、イスラム国からの“日本を見る目”は、この動画だということらしい。
昨夜来、「映像は合成だ」という指摘がある。今夜のNHKのニュースも朝日の夕刊も、その話・・・。誰が見てもこれは合成映像だ。しかし、それがどうした・・・。人質が現実であり、黒装束の男がホンモノなら、人命救助からはまったく意味のない議論のような気がする。よほどネタがないのか・・・。
昨夜もテレビで解説者が「お金に色は付いていないから」と言っていたが、確かに、幾ら「軍事目的ではない」と説明をしても、相手に通じるとも思えず・・・。難しい・・・。

それにしても、上の記事のように、国民が「戦争に巻き込まれるのでは・・・」と心配していたことが、あまりに急激に現実の問題になってきた。
しかしマスコミが、「映像は合成だ」ばかりで、日本がなぜ今こんな事態に至ってしまったのか、については、ほとんど言及していないのが気になる。
自分は典型的なノンポリであり、ただただ「戦争だけはしてはいけない」と願うだけなのだが、この人質の二人が「戦後日本70年の最初の戦死者」にならないことだけを祈りたい。

(参考サイト)(2015/01/23追)
「志村建世のブログ」より「no more war 池田幸一メール 安倍総理が今なすべきこと」 


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コメント


2004年のイラク人質事件における「自己責任」などという誹謗中傷ーーパッシングを想い出しています。阿部晋三は自民党の幹事長か副幹事長だったはず。ボランテイアを[左翼]と言って批判したつもりになっていた当時の大手メデイア。 
 民間軍事会社設立目的のオタクを「自己責任」と批判しないのはなぜ?

投稿: todo | 2015年1月22日 (木) 06:33

2004年のイラク人質事件のときと状況は少し違うのではないでしょうか?あのときは、人質被害の家族がテロリストから人質解放の条件として出ていた自衛隊のイラクからの撤退を求める要求を出したので「自己責任」という批判が国民・メディアから出たのです。今回だって、被害者家族が、身代金を日本政府が支払ってくれと要求を出したとしたら、同様の批判が国民・メディアからの出てくるのではないでしょうか!それに、今回の場合、後藤さんはイスラム国へはいるにあたってにすべて自分の責任で行くと言っているではありませんか?また、仮に二人の人質が亡くなったとしても、戦後「初の戦死者」ではありません。2004年には、外務省から派遣された職員が亡くなっているし、2004年1月イラクに入国した民間人が「処刑」されているし、さらに2005年5月にはイラクのテロリストに捕まったイギリス系の民間軍事会社の日本人職員が拘束され、処刑されています。詳しくは、以下をご覧下さい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

投稿: KeiichiKoda | 2015年1月22日 (木) 19:01

 パンドラの箱を開けたブッシュが始めたイラク戦争は間違っていました。開戦前夜の何とも嫌な雰囲気を想い出します。自衛隊のイラクからの撤退を求めたあの時の人質家族の発言は正しい当然のものでした。まただからこそ あの時パッシングに狂奔した連中は「自己責任」という言葉を投げつけて戦争を始めたブッシュの責任やそれに従うのみの自分たちへの批判をかわそうとしました。「自己責任」という言葉はあの時一度汚れたのです。わたしは 今回も「自己責任」だなどというつもりは毛頭ありません。救出に向けて最大限の努力がなされるべきです。だだし  非軍事  で。
 戦争のできる国造り に利用されないように
 その雰囲気が出てくることをおそれつつ 救出を祈っています。

投稿: todo | 2015年1月23日 (金) 02:48

安倍総理は確か17日のカイロでの演説で「イスラム国は敵。敵を叩くために敵と戦っている国を支援する」と言ったような趣旨の発言をしています。
安倍総理から敵国呼ばわりされたイスラム国が日本を敵国と思うのは当然です。
 これまで日本を戦争をしない国と考えていた国々も、集団的自衛権など昨今の日本の政治を見ると、「日本は戦争をする国」とみるでしょう。
今回の事件は起こるべくして起こったことです。これからも何回も起こるでしょう。その帰結として、犠牲者が出ることも覚悟しておく必要があります。

投稿: 敵のみかたは敵。 | 2015年1月23日 (金) 11:26

敵のみかたは敵さんの考えに同感です。後藤さんの殺害、今後の日本のとるべき道を考えた時、次の2人の発言に共感します。知っていただきたく、リンクを張りました。1人は、NHK日曜討論での小沢一郎さんの発言です。
https://www.youtube.com/watch?v=HvkhOSyFGec

もう1人は、かつてイラク支援活動中に拘束された経験のある高遠菜穂子さんの発言です。 http://blog.goo.ne.jp/shirakabatakesen/e/34d5f2fa41b35fcc6a2c16e772313186

【エムズの片割れより】
小沢さんの意見はその通りだと思います。これは、「戦争はしてはいけない」と考える日本人なら、誰もが同じ意見では?
先ずは野党です。やっとこの視点での質問が出始めたようですが、キチンと首相を論破しなければ・・・
そして世論がどう動くのか・・・。
TVの解説者が言っているように、イスラム国は、政権と国民の意見は違うと捉えているようです。それは正しい。
元経産官僚の古賀茂明氏(59)が言ったように、「フランス人は『Je suis Charlie(私はシャルリー)』というプラカードを持って行進したけど、日本人は今、『I am not Abe』というカードを掲げる必要があると思う。」という意見を世論がどう捉えるのか・・・

投稿: かうかう | 2015年2月 3日 (火) 11:26

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