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2014年10月18日 (土)

「すき家のワンオペを批判するなら、牛丼にも深夜料金を払うべきだ」(榊 裕葵・社会保険労務士)

表題のような記事を見付けた。読んでみて、なるほど・・・と思った。順を追って読んでみよう。
すき家「2店でまだワンオペ」市民団体が調査 会社側は否定
(withnews 2014年10月15日(水)21時20分配信)
141018sukiya1  牛丼チェーン「すき家」が、過重労働と指摘されていた従業員1人による深夜営業「ワンオペ」を今月から中止したのを受けて、全国の店舗を調べた市民団体が15日、「2店でワンオペをしていた」と発表した。ただ、すき家を運営するゼンショーホールディングスは否定している。
7都道府県83店訪ねて調査
 調査したのは、弁護士らでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」。11日午前1~5時、メンバーや賛同者が東京や大阪など7都道府県の83店を訪ね、ワンオペかどうかを従業員に聞きとった。結果はホームページでも公開している。
2店が「ワンオペ」と回答
 調査に対し、都内の2店が「いまでもワンオペを実施している」と答えた。すき家は今月から深夜(午前0時~5時)のワンオペをやめ、人手が確保できない店舗の深夜営業を中止すると発表している。
 団体事務局の今岡直之さんは、「ワンオペをなくすと約束したのに、いまだに改善されていない。自主的な調査を求めていきたい」。今後は同業他社やコンビニにも調査を広げたいという。
 これに対し、ゼンショーの広報は「どう調査したのかはわからないが、指摘の2店は複数で勤務していたと確認している」と反論している。
目立つ外国人 「日本語ほとんど話せない人も
 調査で新たな問題点も見えてきた。ある従業員は「深夜のワンオペは解消されたが、2人勤務の確保は午前6時まで。メニューが煩雑で、客も多い朝食時間帯はワンオペになる」。他店の従業員も「(深夜帯前の)午後10~11時はワンオペだ」と話す。
 外国人従業員の姿も目立った。14店を回った都内東部では、ほぼすべての店舗に外国人がおり、2人とも外国人の店舗も2店あった。ある従業員は「ほとんど日本語を話せない人もいる。接客ができず、2人勤務になっても楽にはなっていない」。従業員が女性だけの店もあった。
一種の洗脳?過酷なブラックバイト
 こうした過酷な労働を、中京大学の大内裕和教授(教育社会学)は「ブラックバイト」と呼ぶ。「いまの若者たちは、厳しい経済状況の中で育ってきた。ワンオペのような働き方も当然のことのように受け入れてしまう。一種の洗脳だ」と指摘する。」(
ここより)

この動きに対し、社会保険労務士の榊 裕葵氏はこう論じている。
すき家のワンオペを批判するなら、牛丼にも深夜料金を払うべきだ。(榊 裕葵 社会保険労務士)

141018sukiya2 先日、ヤフー!ニュースで「すき家『2店でまだワンオペ』市民団体が調査 会社側は否定」という記事が報じられていた。ヤフートップに掲載されていたので目にした人も多いと思う(withnews 2014年10月15日付配信)。
すき家のワンオペ率は0.2%
私がその記事を読んで感じたのは、特定の負の側面を強調したブラック企業批判は、そろそろやめにすべきではないかということだ。
まず、私が違和感を持ったのは、今回の市民団体の調査でワンオペが2店舗あったのを発見した話を、まるで鬼の首を取ったかのようにアピールしていたことだ。
すき家がホームページで公開しているIR情報によると、全国にすき家は約2000店舗ある。そのうちの2店なのだから、数学的に冷静に考えると、ワンオペ率は僅か0.1%である。もちろん、「0」が望ましい姿であるが、この0.1%という数字に対しても「まだワンオペをやっているのか?」と上から目線で責めるのは、少々言葉がきついのではないだろうかということだ。
7月末にすき家が公表した第三者委員会のレポートでは、当時のワンオペ率までは記載されていなかったが、文章による説明では……
「すき家においては、予測売上額に応じて投入可能な労働時間が決定されるため、売上が小さいと見込まれる時間帯は必然的に一人勤務体制(ワンオペ)となる (平成26年7月31日 第三者委員会報告書)」
ということであったので、そこから考えると、多くの店舗でワンオペが行われていたことが推測される。そうであるならば、今回全店を調査したわけではないにせよ、全国2000店もあるうち、ワンオペが2店舗しか見つからなかったというのは、むしろ、会社の改善への取り組み姿勢を評価すべき場面なのではないだろうか。
たった1日の調査では評価できないはず
それに、会社側は、ワンオペを指摘された2店舗についても、ワンオペはしていないはずと反論している。急な欠勤や有給休暇の取得などで、結果的にワンオペになってしまったという可能性もある。確率的には起こりうることであろう。
半月とか1ヶ月観察して、多くの日にワンオペが行われていたならば、確かに指摘をすべきである。だが、市民団体が行った調査は、1日だけとのことだ。それで、その日にたまたま1人しかいなかったからワンオペと決め付けてしまうのは、断定的すぎるのではないだろうかと私は思ったのだ。
店員に外国人がいるのはいけないことなのか?
また、市民団体の指摘には、店舗には外国人が目立つという内容もあった。
ほとんど日本語が話せない人が2人ペアというのは問題であるが、それ以外の状況において、何が問題なのだろうか。
日本人だって、欧米に留学したら現地のレストランなどでアルバイトをすることは珍しくない。日本人の英語やフランス語もネイティブほど流暢ではないであろう。つまり、お互い様ということである。
確かに、外国人の店員の方が注文を聞き返したり、ゆっくり注文内容を伝えたりしたりしなければならない場面もあろう。1泊5万円もする高級ホテルでそれは困るが、街中の飲食店では、許容してあげるくらいの気持ちは必要なのではないだろうか。自分が逆の立場だったときのことを想像してみれば分かるはずだ。
それに、外国人の店員の方には、母国を離れて日本に来て、大変な仕事をしてくれているということに感謝しなければならないと私は思う。「外国人だからダメだ」と批判するのは、むしろ彼ら彼女らに対して失礼に当たるのではないだろうか。
牛丼屋は深夜のコストを消費者に転換していない
私は、すき家にワンオペやその他の待遇を含め、これ以上の改善を求めるのならば、私たち消費者が「1円でも安く」という態度を変えなければならないと思っている。
皆様にお尋ねしたいが、深夜に、すき家に牛丼を食べに行って、昼間より値段が高かったことはあるだろうか。私はそのような経験はない。
深夜にタクシーに乗れば割増運賃になるし、ロイヤルホストやリンガーハットなどファミレス系のチェーン店でも深夜割増料金を設定している場合が多い。
その根拠は、人件費である。労働基準法では深夜割増賃金として、午後10時から午前5時の労働に対し、25%以上の割増賃金の支払を要求している。深夜に店を開けるということは、それだけで人件費が大幅にアップするということなのだ。
にもかかわらず、すき家は(他の牛丼チェーン店も同様)、深夜でも通常の時間帯と同じ料金でメニューを提供してきた。これは、立派な経営努力と言えるのではないだろうか。
まとめ
市民団体が、0.1%でも許さないという姿勢でワンオペを責めるならば、消費者サイドに対しても、「牛丼に深夜料金を払いましょうキャンペーン」を並行して行うべきである。消費者が安いものを求めすぎるから、2人配置するだけの人件費を確保できないという側面もあるのだ。
すき家は上場企業であるから財務諸表も見ることができるが、売上高純利益率は数%台で推移しており(2014年3月期はわずか0.2%)、人件費をケチって経営者や株主が暴利を得ているわけでは決してないことも確認できる。そのような収益状況の中、難しい経営の舵取りをして、深夜料金も設定せず、ワンオペを解消しようとしているのだから、すき家の努力は評価すべきものなのではないだろうか。
私たちにとっても、ワンコイン程度の料金で24時間いつでも食事ができるというのは大変素晴らしいことである。ブラック企業批判の風潮に流されて、何となくすき家を責めるのではなく、会社の経営努力の姿勢や、私たちがいかに恩恵をうけているかという側面も、再考すべきではないだろうか。
あおいヒューマンリソースコンサルティング代表 特定社会保険労務士・CFP 榊 裕葵」(
ここより)

上記の0.2%という計算は少々疑問。83店舗を訪ねて2店舗なら、2.4%なのでは??
でも、これでも少ない。この記事を読む限り、会社として、二人体制の仕組みは作ったのだろう。

何よりも、この記事で一番頭に残った言葉が「上から目線で責める」。まさに「結論ありき」の調査のようだ。
朝日新聞叩きもそうだが、自分たちは正義の騎手と言わんばかりの「上から目線で責める」例が最近多く目に付く。
「上から目線で責める」ことで、世の中が良くなるのだろうか・・・

氏の「すき家は(他の牛丼チェーン店も同様)、深夜でも通常の時間帯と同じ料金でメニューを提供してきた。これは、立派な経営努力と言えるのではないだろうか。」という指摘や「ブラック企業批判の風潮に流されて、何となくすき家を責めるのではなく、会社の経営努力の姿勢や、私たちがいかに恩恵をうけているかという側面も、再考すべきではないだろうか。」という指摘は、実に的を射ている指摘だと思う。

このところ、女性大臣の不祥事のニュースが流れている。
誰かを標的にして、徹底的に調べれば、誰でも少しはキズを持っているから、何かが見つかる・・・。(それを見付けて政党に売り込む人も居るらしいが・・・)
今回の、資金問題の小渕経済産業大臣も、うちわ問題の松島法務大臣も、法的には多分アウトなので、辞めるのだろうが、同じ叩くにしても、公人の政治家とすき家とは違う。
すき家の場合は、企業努力をしているのだから、それをしばらくは見守ってあげる暖かさを持ちたいもの。
こんな記事を読んで、かえってすき家で昼食を採ろう・・・と思うエムズ君ではある。

141018100enn <付録>「ボケて(bokete)」より


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