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2014年9月14日 (日)

朝日新聞問題を海外メディアはどう報じているか?

今回の慰安婦問題・吉田調書の誤報の、いわゆる“朝日新聞問題”だが、現在の日本のマスコミの“朝日袋叩き”の話はもう飽きたので、海外メディアがこれらをどう見ているかをNetで探してみた。そしてやっとこんな記事を見付けた。

朝日は被害者? 慰安婦、吉田調書問題受け、「右派の攻撃」を米紙強調
 朝日新聞社は11日、東京電力福島第1原発の事故当時の状況を記した「吉田調書」に関する5月掲載のスクープ記事を誤報と認め、取り消した。同社の吉田伊量社長は同日夜、記者会見を開いて「読者の信頼を傷つけた」などと謝罪した。
 海外各紙もこのニュースを報じている。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)やウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、この原発関連記事の問題だけでなく、慰安婦問題をめぐる誤報やジャーナリストの池上彰さんの連載コラムの掲載拒否問題など、最近の一連の朝日の不祥事についても併せて取り上げている。
木村社長「私自身も責任から逃れられない」】
 今回、朝日新聞が誤報と認めたのは、2011年3月の福島第1原発事故当時、現場職員の9割に当たる約650人が吉田昌郎所長(当時)の待機命令に背いて、約12キロ南の福島第2原発の敷地内に避難したという報道内容だ。政府は、11日夜に急遽開かれた木村社長の会見に先立ち、同日午後に記事の根拠とされた「吉田調書」の公表に踏み切った。そこには従来からライバル各紙が指摘していたように、朝日報道を裏付けるような記述はなかった。
 朝日新聞社は、該当記事の責任者だった杉浦信之取締役編集担当の解任と、抜本的な社内改革の実施を発表した。会見では、木村社長自身も自らの進退について「社内改革を実行した後に速やかに決断する」と発言。WSJによると、「経営のトップとして、私自身も読者の信頼を傷つけた責任からは逃れられない」とも述べた。
【「慰安婦」誤報問題では各紙の論調に温度差
 NYTは、今回の件について報じるとともに、いわゆる従軍慰安婦問題で、朝日新聞が日本軍による強制性の有力な証拠として度々取り上げてきた故・吉田清治氏の証言を虚偽と認め、関連記事を撤回した件についても詳しく論じている。
 NYTはその中で、朝日が誤報を認めるに至ったのは、以前から「朝日新聞の誤った記事によって日本の国際的な評判が傷つけられたという批判が、特に右派のメディア・政治家から高まっていた」からだと記す。そして、「(右派からの批判は)日本で最も抜きん出たリベラルの声である朝日新聞に打撃を与えるための、政治的なキャンペーンだという見方も多い」と、朝日も被害者だとする一部の国内世論を強調している。
 リベラル色が強い論調で知られるNYTに対し、保守系とされるWSJは、一連の誤報を報じる記事で、朝日を「左翼」「安倍晋三首相の政策に批判的な新聞」と表現する。「吉田調書」については、産経新聞などの保守系のライバル紙や週刊誌が、「朝日は故意に物語を誇張し、反原発の主張を強化するために事実をねじ曲げた」と批判を重ねていると記す。慰安婦の誤報については、「ライバル紙は、朝日には慰安婦問題によってこじれた日韓関係を修復する義務があると食ってかかっている」と記している。
 インドの英字紙『タイムズ・オブ・インディア』も、木村社長の謝罪会見の内容と共に「慰安婦」の誤報問題を詳しく報じている。記事の大半は一連の経緯を淡々と追ったものだが、「公式記録が少ない中、多くの研究者は、韓国、中国、インドネシア、フィリピン、台湾の最大20万人の女性たちが、“慰安所”で日本兵のために働いたと見ている」と、独自の見解で結ばれている。
首相、官房長官のコメントも報じる
 『タイムズ・オブ・インディア』は、木村社長が会見で、慰安婦関連の誤報についても「誤った記事を出し、訂正が遅すぎた」と、読者に謝罪したと報じた。 NYT、WSJ、『タイムズ・オブ・インディア』の3紙は、揃って池上彰さんのコラム掲載拒否問題についても触れている。これら海外各紙は、朝日の一連の誤報問題を包括的に捉え、メディア業界のみならず日本社会全体を揺るがしていると見ているようだ。
 菅義偉官房長官は、昨年死亡した吉田所長の遺志に反して「吉田調書」の公開に踏み切った理由を次のように説明した。
 「断片的に取り上げられた記事が複数の新聞に掲載され、一人歩きするというご本人の懸念が顕在化している。このまま非公開とするとかえって遺志に反する結果になると考えた」
 また、安倍首相は同日のニッポン放送のラジオ番組で、「慰安婦についての誤報で多くの人々が傷つき、日本が国際社会で信用を傷つけられたのは事実だと思う」と述べた(NYT、WSJ)。」
(2014年9月12日newsphere ここより)

報道というのは、どこも自分に都合のよい話だけをつまみ食いする、という最近の自分の疑いの目で見ると、どの記事も素直に読めないが・・・。
そして当の朝日新聞はこう報じている。

米韓のメディア、朝日新聞の謝罪を報道 吉田調書巡り
 朝日新聞が「吉田調書」の記事を取り消し、謝罪したことについてウォールストリート・ジャーナル(電子版)は11日、東京発の記事で、「安倍晋三首相の政策に批判的な新聞社の社長が誤報を謝罪した」などと紹介した。ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「読者の信頼を傷つけた」などとする木村伊量社長の発言を取り上げた。
 ウォールストリート・ジャーナルは、朝日新聞について「原発と安倍政権が計画する再稼働に批判的だった」などと指摘。撤回した記事中で、事故から4日後、福島第一原発にいた東電社員らが吉田所長の待機命令に背き、福島第二原発に「撤退」したと報じたことについて、「原発を運営する東京電力に疑問を投げかけるエピソードとして引用した」などと分析した。
 ニューヨーク・タイムズは、朝日新聞が原発事故後、論説面で反原発の論調を掲げてきたと指摘。吉田昌郎氏(故人)の証言の記事について、保守系の他紙から「海外メディアの間に深刻な誤解を生んだ」などと批判されていたとした。同紙は5月、朝日新聞の報道を引用する形で、「パニックになった作業員たちが逃走」などと報じていた。
 また、朝日新聞が8月、韓国・済州島で慰安婦を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽と判断し、関連記事を取り消したことについて、強制連行を否定する他紙などから激しい批判にさらされたことや、ジャーナリスト、池上彰氏の連載コラムの掲載を見合わせた判断をめぐり、読者だけでなく社員からも批判がでたことも紹介した。
 両紙とも、安倍首相が11日のラジオ番組で、個別の報道内容について発言すべきではないとした上で、「慰安婦問題の誤報によって多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたことは事実と言ってもいい」などと述べたことを取り上げた。(ワシントン=小林哲)
     ◇
 韓国紙、中央日報は12日付朝刊で「朝日新聞また誤報で波紋…社長退陣示唆」との見出しで報じた。慰安婦を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽と判断し、関連記事を取り消したことに続く誤報だと紹介。朝日新聞が「危機を迎えている」と伝えた。
 東亜日報は12日付朝刊で「朝日新聞また誤報記事取り消し」の見出しで報道した。杉浦信之取締役の編集担当の職を解き、木村伊量社長は改革と再生に向けた道筋をつけた上で進退を決めるなど事実関係を淡々と伝えた。
 聯合ニュースも11日夜に「朝日新聞 また誤報の波紋」との記事を配信した。「朝日新聞は最近、1カ月の間に『吉田』という名前の人物をめぐる2件の大型の誤報の波紋で信頼に傷を負った」と指摘した。(ソウル=東岡徹)」
2014年9月12日19時41分 ここより)

先と同じサイトにこんな記事もあった。
吉田氏らは「福島の英雄」海外紙が敬意 食い違う日本の調書報道にも注目集まる
   政府は、福島第一原発の事故発生時所長として対応にあたった吉田昌郎氏(故人)の聴取をまとめた、いわゆる「吉田調書」を近日公開することを発表した。菅義偉官房長官が先月25日の記者会見で明らかにした。
 吉田調書は、吉田氏本人の意向により当初非公開とされていた。しかし5月に朝日新聞がその内容を入手し掲載、続いて8月には産經新聞も報じたことから、非公開にする意味がなくなったと判断された。
 同調書の内容については、複数の報道機関が伝えているが、その論調は各メディアで全く異なる。この点に海外各紙は注目している。
食い違う2紙の言い分
 各メディアの違いが顕著に表れたのが、「3月15日に職員が福島第二原発へと一時避難した」点についての解釈だ。
 英エコノミスト紙は、まず朝日新聞を「国内きってのリベラル派で原発の再稼働に批判的な媒体」と紹介した上で、職員の避難について朝日は「吉田所長の指示に背き、危機的状況が高まる中逃げたと報じた」と伝えている。
 一方、産經新聞については「朝日とは真逆の保守派ライバル紙」としている。産經は同じことに関して「職員の避難は所長の指示に背いたのではなく、伝え聞きが重なったことにより指示内容に混乱が生じただけ、と報じた」と伝えている。さらには吉田氏自身、後から「その行動はむしろ適切だった」と合意していたくらいだとも報じている。
 この食い違いの背景は、「原発政策の失敗を浮き彫りにしたい朝日」と、「責任をどこかよそへ、とくに2011年当時首相だった菅直人氏に持っていきたい産經」という、それぞれの思惑の違いにある、と同紙はみている。
海外でも広がった誤解
 いまや反原発派の菅直人氏は「東電の全面撤退を阻止した」と主張している。しかし、「そもそも吉田氏率いる現場は撤退など考えもしなかった」ということが、朝日以外のメディアにより伝えられている。
 特に産經新聞は、吉田所長の「菅氏が余計なことをして事態を悪化させた」という認識を強調している、とエコノミスト紙は伝えている。
 また読売新聞も「菅氏が東電の撤退を阻止したと主張しているが、現場は誰も逃げてなどいない」と吉田氏は反発したと報じている。さらに朝日の報道が原因で、海外メディアから「命令に背いて作業員が逃げた」というような報じられ方をされてしまった、と述べている。
真逆のメディアでも唯一合意する点とは
 共同通信は同調書について、吉田氏が「関東も含む東日本全域壊滅」も意識していたことに言及している。そのような最悪のシナリオも有り得たことを考えると、被害は食い止められた、とニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。
 それは、注水による冷却措置を続けた吉田所長のおかげによるところが大きい。吉田所長と68人の部下は、日本を最悪の事態から救った人物、と同紙は伝えている。
 エコノミスト紙も、吉田氏を「福島の英雄達の中でも、特筆すべき存在」と述べている。調書の解釈については食い違う各メデイアも、吉田氏が「強い、頼れる男」であったという点では合意している、と同紙は伝えている。」(
更新日:2014年9月8日newsphere ここより)

ついでに下は、同サイトの8月の記事だが・・・
朝日慰安婦記事撤回、勢いづく右派に懸念 問題の本質は変わらない…英紙報道
   朝日新聞が、8月初めに従軍慰安婦問題に関する自社報道を検証し、一部の記事を取り消した問題で、その責任を問う声が、各所から挙がっている。自民党の議員連盟も、緊急総会を開催し、今後、朝日新聞の関係者から話を聞いて、事情を調査することを確認。海外メディアも事件の経緯や影響を報じている。
【国内他紙も反応】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、普段は互いの活動を報道するのは慎む日本の新聞が、朝日の慰安婦報道取り消しを受けて騒々しくなっていると報じ、国内紙の反応を紹介している。
 保守の産経は、「根拠のない不正確な」記事に関して、朝日は公式な謝罪を掲載すべきと主張。また、発行部数1位の読売は、朝日の間違った報道が日韓の外交における緊張を拡大し、「間違った歴史認識が世界に広がった」と述べた、と同紙は報じている。
【吉田証言は虚偽に同意】
 フィナンシャル・タイムズ紙は、事の発端は「第2次世界大戦中に韓国済州島で何百人もの韓国人女性を誘拐し、軍の売春宿で無理やり働かせた」と主張した吉田清治の話に朝日新聞が「飛びついた」ことだと説明。ここから、慰安婦問題という「日本の過去における汚いエピソード」についての論争が始まったと述べている。
 同紙は、慰安婦問題における最も有名なリベラルな学者、吉見義明氏が、吉田証言が歴史的証拠としては「役に立たない」と述べたことに言及。証言はほぼ確実に作り話で、彼の話や著書が、慰安婦制度の強制性や日本政府の責任を問う、唯一の証拠と呼べるようなものでは到底ないという見方を示している。
【右翼と保守の台頭】
 その一方で、フィナンシャル・タイムズ紙は、日本の右傾化・保守化という面から、今回の事件を眺めている。
 同紙は、朝日が誤りを認めたことで、修正主義者安倍首相の登場で、近年より声高になった右翼の中に、怒りと満足感の入り混じった気持ちが広がったとする。
 また、長らく朝日が「自虐的」歴史観をばらまいた、と非難してきた保守派は、現代的観点からは耐え難いが、慰安婦制度は他国の戦時下における性的略奪行為と変わらないと理解していると指摘。有名な保守派ブロガー、池田信夫氏も、慰安婦は民間の斡旋業者によって仲介されたケースがほとんどで、単に「売春婦」だったと主張していることにも触れている。
 そして最後に、右翼が大胆になり、日本の国際的地位を傷つける可能性に警鐘を鳴らす、慶応大学の歴史社会学専門家、小熊英二氏のコメントを引用している。
「日本の保守派には、軍人や役人が直接に女性を連行したか否かだけを論点にし、それがなければ日本には責任がないと主張する人がいる。」「そうした主張が見苦しい言い訳にしか映らないことは、『原発事故は電力会社が起こしたことだから政府は責任がない』とか『(政治家の事件で)秘書がやったことだから私は知らない』といった弁明を考えればわかるだろう」(
更新日:2014年8月18日newsphere ここより)

海外メディアは、それぞれの新聞に対して、保守だとかリベラルだとか、一方的にそのスタンスを決め付けて報道しているのが面白い。
さて、今回のことを、どう“冷静に”見つめたら良いのだろう・・・。朝日の謝罪と、それを、まるで自分が今まで誤報などしたことがないように避難するマスコミや政治家たち。どっちもどっちではないのか・・・。
これらを冷静に見つめていると期待して、海外のマスコミを眺めてみたが、やはり最後は自分が信頼している人のコメントを聞きたくなる。
今回の朝日問題を、半藤一利氏はどう見ているのだろう?
(何?自分の意見?・・・こんな所では言わないのさ・・・)

(関連記事)
「朝日新聞」の慰安婦報道~池上彰氏コラム掲載拒否のドタバタ劇 

140914kowai <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

朝日新聞の慰安婦問題は前々から多少の批判があったのは知っていましたが、それにしても、あれもこれもと一気に朝日叩きが始まったことに疑念を持っています。
昔、町内の寄合の席で中国や朝鮮から無事に帰ってきた元兵士が得意気に女性をおもちゃにした話をするのを嫌な気持ちで聞いていました。中には「気の毒な事をした」という男性もいました。手段はどうであれ裏で糸を引いていた人もいたのではないかと私は思っています。
新聞社も序列があって下の者が口を挟みにくくなっているのでしょうね。この際改革をして
新しく正しい報道をすることに邁進してもらいたいものです。

【エムズの片割れより】
お恥ずかしい話ですが、慰安婦問題も吉田調書問題も、実は新聞をそのまま信じていました。何ともはや・・・

投稿: 白萩 | 2014年9月15日 (月) 13:43

私はNy Times(ニューヨーク・タイムズ)を2009年ぐらいから購読して毎日読んでいる(正確にはざっと眺めているといったほうが正しい)のですが、Japan's Premier Seeks Summit Meeting with South Korean Presidentと題するごく最近の記事(9/19/2014)が掲載されていたので、一部を抜書きしてみます。

While she has met with President Xi Jinping of China five times since becoming South Korea’s president early last year, Ms. Park has steadfastly refused to hold a summit meeting with Mr.Abe.
Relations between South Korea and Japan under Ms. Park and Mr. Abe have been the chilliest in recent memory, as their countries’ bickering intensified over issues rooted in Japan’s colonial rule of Korea in the early 20th century, including a territorial dispute over a set of islets and the treatment of Korean women who were forced into front-line sexual slavery for Japan’s soldiers during World War II.

慰安婦問題に触れた一番下の行を読んでください。これが、世界中の人が読んでいる、天下のNY Timesの、この問題への「歴史認識」です。このような認識を朝日が広めていたとすれば、朝日の責任は非常に重いと言わざるを得ませんね!それにしても、NY Timesとあろう新聞が現在日本で起きている朝日への批判を知らないのだろうかと首をかしげたくなりますが。。ちなみに、この記事の署名は、Choe Sang-Hunとなっており、韓国人か、韓国系アメリカ人の記者です。

【エムズの片割れより】
ありがとうございます。天下の有名紙でも、ある記者の「思い」が、公表された情報をつまみ食いして、「思い」を事実化する記事になるのでしょうね。それを読まされた読者は自然と洗脳されていく・・・。朝日は日本攻撃の悪いネタを世界にばらまいた点で、罪は非常に大きいと思います。

投稿: KeiichiKoda | 2014年9月21日 (日) 07:53

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