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2014年8月25日 (月)

「無縁化、さまよう墓」

だいぶん前だが、朝日新聞を見てビックリ。何と朝刊のトップが、お墓の話なのだ。
無縁化、さまよう墓 不法投棄続々、「墓の墓」も
 先祖代々受け継がれてきた墓が受難の時を迎えている。墓守が絶えた無縁墓から撤去された墓石は、慰霊の場を離れ、さまよう。人里離れた山中に“墓の墓”が現れ、不法投棄も後を絶たない。
 高松市のJR高松駅から車で30分の山中に“墓の墓”がある。約1ヘクタールの空き地にコンクリートで固めた最大幅100メートル、高さ15メートルの扇状の巨大なひな壇が設けられ、壇上に墓石1万基が並ぶ。
 「古石材預り所」と称する管理者(52)によると、中四国や関西の寺から撤去された墓石を石材店などの業者が持ち込んでくる。家庭の事情で墓を引き払い不要になった墓石のほか、無縁墓もある。1基1万円で受け入れ、最近は年300基ほど集まる。クレーン機で石を整然と並べ、定期的に雑草をとる。「ここ数年でどんどん増えている。もうけはないが、やめたくてもやめられない」。まだ9万基収容できるという。
 一方、不法投棄された“墓の山”もある。兵庫県南あわじ市の山中には推定1500トンの墓石が山積みにされ、山の頂は高さ4メートルに達する。6月半ば、県淡路県民局の職員3人が墓石に合掌しながら現場を見て回った。
 「比較的新しい墓もある。墓碑銘から、代々にわたり大切にされてきたんだろうなと思わせる墓もあります」。県民交流室の小塩浩司環境参事は言う。
 2008年に廃棄物処理法違反容疑で逮捕・起訴された石材処理業者は、墓石の処分を安く請け負い、破砕などの適正処理をしないまま淡路島に捨てていた。県は撤去するよう指導するが、ほとんど手つかずのままだ。
 墓石の不法投棄は昨年も広島県、京都府内で見つかり、ここ5年の間に茨城、千葉、兵庫など各県で業者が逮捕されている。
 不要になった墓石は通常、寺や霊園、石材業者が預かるか、処理業者が破砕処分する。だが別の方法をとる業者は少なくない。関東の石材店の社長は「破砕には手間と金がかかる。たたりを恐れて処分しない業者もいる」と話す。
 無縁墓はどれほどあるのか。全国的な調査はないが、熊本県人吉市は昨年、全国でもまれな市内の全墓地995カ所の現況調査をした。
 人口はこの10年で1割減り3万4500人。65歳以上が32%を占める。「墓が雑草に埋もれている」「墓石が転げ落ちている」。近年増え始めた市民の相談を受け、役場はまる1年かけて、明らかに長く人の手が入っていない墓を拾い出した。
 「結果は想像以上でした」。市環境課の隅田節子課長補佐は言う。市内の墓1万5123基の4割超、6474基が無縁墓だった。8割が無縁の墓地もあった。「市として何ができるか。知恵を絞りたい」。妙案はすぐには浮かばない。(才本淳子)」(2014/07/30付「朝日新聞」P1より)

少子化、墓守が不在 過疎進み、各地で撤去
 都市部への人口流入と地方の過疎化、少子高齢化、未婚化。社会の急激な変容が墓の荒廃を加速させる。自治体は無縁墓の撤去を進める一方、血縁に頼らない新たな墓のかたちを模索する。
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墓の問題に詳しい第一生命経済研究所の小谷みどり主任研究員は「公営も民営も無縁化の傾向は同じ。需要がある墓地は新たな使用者のために無縁墓の撤去を進める。需要がない墓地はそのまま荒れ果てていく恐れがある」と指摘する。
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 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、人口に占める65歳以上の高齢化率は2025年には3割を占め、団塊の世代は75歳を超え「多死時代」が到来する。一方で未婚化が進み、中高年を中心に35%が単身世帯となる。過疎化も劇的に進む。民間研究機関「日本創成会議」は、40年までに全国896自治体が「消滅可能性都市」になると予測する。
 「つまり墓を継ぐ子がいない独り身の死亡者が増え、特に過疎地では墓を世話する人そのものがいなくなる」(槇村さん)
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 血縁の有無にかかわらず不特定多数の人を埋葬する「合葬墓」を設ける自治体も増えている。朝日新聞のアンケートでは東京都と11の道府県庁所在市が公営墓地に整備していた。
 都立小平霊園(東村山市)に11年度整備された合葬墓は、木々の下に1万人の遺骨を埋葬できる。12年度は500人分の募集に16倍の申し込みが、昨年度は1600人分の募集に10倍の申し込みがあった。高まる需要に、13年度には都立八柱霊園(千葉県松戸市)に10万人埋葬できる巨大墳墓を整備した。大阪市も10年度に市設瓜破霊園(平野区)に合葬墓を設置。2万4千人埋葬でき、現在956人が眠る。(才本淳子)」(2014/07/30付「朝日新聞」P2より)

墓には、お骨の収納場所と、故人を偲ぶ場所という2つの側面があるように思うが、昨今、あまりに遠い墓地には、故人を偲ぶために行くにはしんどく、ついサボってしまう。そしてそれが当たり前になって、故人が遠くなる・・・。

我々団塊の世代が次々とリタイアし、これからそれぞれが人生の“終活”に向かう時代なので、世の中で墓の話などが多い。
それぞれの家庭で事情が異なるにせよ、これは避けては通れない話。

先日、NHKの「団塊スタイル」で「どうする?お墓」(2014/08/01放送(ここ))をやっていた。
二人の娘の嫁ぎ先と一緒に、3家合同の墓を作った話や、墓の引っ越しなど、色々・・・。地方のお墓を、遠くてお参りできないからと引っ越そうと思ったら、檀家が少なくなって困っているお寺から、離壇料120万円を要求されたという話など・・・。
番組の最後の方で、「本人が子どもたちに迷惑をかけないように・・・と、散骨を頼んでも、子どもたちが、冥福を祈る場所が欲しい、と言うかもしれず、一方的にやるのではなく、家族で事前に良く話し合いを・・・」と言っていた。
確かに、死んだ後のことは、残された家族の問題となる。よって本人の意志はあるにせよ、残された人の意志で全てが決まることも多い。だから生前に公営墓地を申し込んでおくこともあり、先日の記事(ここ)のように、生前枠では抽選倍率が20倍を超えたりもする。

しかし家代々の墓がある家では、亡くなった先代は、自分が入った墓がいつまでも継承されるであろうことを期待しているだろうが、代が変わると、場所や経済的な問題を含めて、継承者の考え方も変わる・・・。

墓の問題は、誰かが病気になってからでは話が出来ない。全員が健康なうちに、必要な相談はしておいた方が良いのかも知れない。
我々シルバー族にとって、終活は笑い事ではないのである。

140817papa <付録>「ボケて(bokete)」より


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