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2014年6月25日 (水)

「教科書代理戦争はむなしい」~戦争への参加を子どもにどう教える?

先日の朝日新聞に、こんな記事があった。
「(社説余滴)教科書代理戦争はむなしい 各務滋
 教科書は、なぜこうも対立を招くのか。
 沖縄県八重山地区の中学公民教科書の採択問題は収束まで3年近くかかった。昨年もある高校日本史教科書が東京都教委などににらまれ、採択を減らした。
 教科書は「正しい考え方」を伝える道具。そう考えるから、引くに引けなくなるのではないか。どちらが正しいかをめぐる大人の争いに、生徒を巻き込むべきではない。
 もちろん、書いてある事実関係が誤っていては困る。学説に照らして無理な解釈を書かれても困る。が、事実をふまえたうえでどう考えるかは生徒一人一人の問題だ。自分なら、教科書にそこまで教えられたいとは思わない。
 そもそも、教科書の子どもに対する影響力を大きく考えすぎていないか。食事にたとえるなら、教科書は今も主食ではあろうが、昔と違っておかずは豊富にある。
 少しインターネット検索をすれば、同じテーマで正反対の意見を探すことも、まるで違う切り口で書かれた書籍を探すことも難しくない。
 公民などは特にそうだ。
 教科書に竹島・尖閣問題の政府見解を書かせる、などと力まなくても、外務省のホームページを見ればくわしく書いてある。中韓の見解も両国大使館のサイトでわかる。
 おかずのことを考えずに、白米の栄養が偏っているとか何とか、そこばかりこだわってみてもむなしい。しかもこれからはタブレット端末を生徒に配って知識は動画で予習させ、教室では議論や演習をしようという時代だ。
 検定や採択というのは、良くも悪くも「行政が教材を吟味する」しくみだ。それは種類の限られた紙媒体の教科書だからできることだ。
 動画教材や、ネット上にある無数の生きた教材が普通に使われるようになれば、行政の統制は及ばなくなると想像する。教科書の一言一句にこだわる意味は薄れてゆく。
 それより教材の自由度を広げ、生徒の探求心や教師の創意工夫を育てることを考えた方が生産的だ。
 文部科学省の学力観も、与えられた正解を身につけることより、自分で考える力を大事にする方向にある。教科書に子どもたちを正しい思想に導いてもらおうというのとは相いれない発想といえる。
 教育に携わる人々が心からこういう学力観を支持していたら、とうに教科書問題は昔話になっていたはずだ。(かがみしげる 教育社説担当)」(
2014/06/17付「朝日新聞」より)

同じ話題で、先日「公民教科書、どう違う?~沖縄・竹富町の採択問題」(ここ)という記事を書いた。
しかし、この論を読んでみると、確かにそうだな・・・と思う。つまり、幾らでも情報が得られる昨今、教科書の一字一句を問題にしても空しい議論なのかも・・・。
それよりも、基本的な考え方の方がよっぽど重要だ。日本の平和に対する考え方など・・・

今朝の朝日新聞にこんな記事があった。
見えぬ国会の議論、現場は不安
   元陸将・元カンボジアPKO施設大隊長 渡辺隆さん

 自衛隊は「専守防衛」を掲げ、長年かけ国を守るための戦略を立て、装備を開発し、隊員を鍛え、なんとか一人前の力を持つ集団に成長しました。
 私が30年余勤務した陸上自衛隊で言えば、敵の着上陸侵攻への対処、つまり外部からの攻撃から国土を守ることが基本です。装備も編成も訓練も全体のシステムも、これを前提にしています。
 急に「集団的自衛権の行使が認められた」と言われても、現場は明日から対応するというわけにはなかなかいかない。日本から遠く離れた地で、集団的自衛権の行使に基づく作戦行動ができる態勢があるかと問われたら、まだまだ難しいというのが個人的な思いです。これまでとはまったく次元の違う話になると現場では受け止めているでしょう。もちろんこれは2年前まで現場にいた私の想像です。現役自衛官は「黙して語るな」と言われ続けましたから。
 1992年に自衛隊初のPKO部隊を率いてカンボジアに行きました。当時、国外で活動すると思って陸上自衛隊に入った者はおりませんでした。「我が国の平和と独立を守る」と服務の宣誓をして入隊した隊員にすれば、当時の流行語「聞いてないよォ」という話でした。我々は契約で自衛隊に入っていますので、隊員たちには新しい任務を「論理」で説明する必要があると常に思っていました。
 <指揮官なら悩む> それでもPKO参加は制度としては志願です。「絶対に行きたくない」という隊員には行かない自由もあります。しかし、個別的であろうと集団的であろうと自衛権に基づく行動であれば、たとえ日本の領域外であっても自衛隊法に基づく防衛出動命令なので拒否はできません。部隊長以下、組織に属する全員が命令に基づいて行動するという、本来の軍事組織が持つ基本的なパターンです。
 正直なところ、私は今、制服を脱いでいて、つまり退官していて、ありがたかった。もし制服を着ていたら、自分が指揮官として集団的自衛権をどう隊員に説明するか、夜も眠れないぐらい悩むだろうと思うからです。・・・・」(
2014/06/25付「朝日新聞」p17より)

これが自衛隊の元幹部の声だ。軍隊は、それがいくら理不尽でも、命令で動く組織。それなのに、今、安倍首相がやろうとしている事に対して、現場の自衛隊そのものが悩むほどの傍若無人さ・・・。

まして、学校の先生は、憲法第九条に対して、その意味を子どもたちにどのように教えれば良いのか・・・。
「憲法第九条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

の条文に対し、戦争を始めたアメリカからの要請で、その紛争に関係のない日本が自衛隊を派遣して戦争に参加する、ということを、純真無垢な子ども達にどう教えたら良いのか・・・
憲法に「国の交戦権は、これを認めない。」と憲法にはっきり書いてあるのに、どうして戦争を始めるのか・・・。
“安倍先生”は、子どもたちにいったいどう教えるのだろう・・・。

我々オトナをどう言いくるめても、純真な子どの達の心までだますことは出来ないのではないか・・・?
何ともやりきれない日本の現状ではある。

140625seihin <付録>「ボケて(bokete)」より


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