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2014年6月26日 (木)

日本もいよいよ徴兵制??~集団的自衛権の先にあるもの

「日本でも徴兵制??」・・・。冗談の世界では無くなってきた。
集団的自衛権も、予想通りの公明党の腰砕けで、まさか・・・がホンモノになりつつある憲法の“個人的変更”!?
テレビのニュースも、閣議決定の日程の報道になってきた。これだけ疑問の声が挙がっているのに、国民の声を聞こうとしない政治の姿勢は相変わらず。無力感さえ漂う・・・

先の戦争では、軍隊が開戦を主導した、と思い込んでいる自分は、当の自衛隊の集団的自衛権に対するスタンスに興味があった。
それが、昨日の記事(ここ)といい、どうも一番懸念しているのが、当の自衛隊のようなのだ・・・

昨日の朝日新聞にこんな記事があった。これも、ある当事者の声である。
「(集団的自衛権を問う)拡大防げず徴兵制招く
    元防衛官僚・加茂市長 小池清彦さん(77歳)
 集団的自衛権の行使にひとたび道を開いたら、拡大を防ぐ手立てを失うことを自覚すべきです。日本に海外派兵を求める米国の声は次第にエスカレートし、近い将来、日本人が血を流す時代が来ます。自衛隊の志願者は激減しますから、徴兵制を敷かざるを得ないでしょう。
 米国の要求は原則として断れません。防衛庁勤務時代、当時悲願だった国産戦闘機の製造プロジェクトに関わりました。いざ作ろうという段で、米大統領から首相に「日米共同開発で」と電話があり、頓挫しました。日米関係はそんなものです。
 平和憲法は国の宝です。9条があったから、朝鮮戦争にも、ベトナム戦争にも参戦しなくて済みました。そう自覚したのが1990年、イラクのクウェート侵攻後、自衛隊を初めて海外出動させる国連平和協力法案が議論された時です。
 このとき、「日本が世界の警察になってはだめだ」と事務次官に直談判しました。結局、廃案になりました。3カ月後、当時の防衛庁長官に「廃案になって良かった。通っていればと思うと、いまでもぞっとする」と耳打ちされました。
 全国の多くの首長たちが首相のやり方に異論を唱えていると聞きます。私も防衛庁内で上申して左遷させられた経験があり、国に盾突くのには勇気がいることはわかっています。それでも、集団的自衛権の問題は日本の将来に関わる話。声を上げることは、今を生きる者の責任だと思います。(聞き手・山本亮介)
*こいけ・きよひこ 新潟県加茂市生まれ。東大卒業後、60年に旧防衛庁に入庁。防衛研究所長や教育訓練局長を務め、95年、加茂市長に初当選。5期目。」(
2014/06/25付「朝日新聞」p38より)

この一文の中で、「自衛隊の志願者は激減しますから、徴兵制を敷かざるを得ないでしょう。」という言葉が重たい。昨日の記事のように、自衛隊に入っている人は、日本を防衛する戦争ならいざ知らず、アメリカが起こした戦争の応援でアメリカのために戦場に行くことなど、まさに想定外だろう。それが今回の安倍首相の独走で現実になる可能性があるとしたら、確かに自衛隊への志願者は減るだろう。

当の自衛官が「黙して語らず」だとすると、どこの官僚が押し進めているのかを確認しておこう。
今朝の朝日新聞にこんな記事があった。念頭に置いておくため、長いが・・・
「(集団的自衛権)陰で動いた外務省 旧条約局出身者、与党協議に影響力
 他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認めることで、自民、公明両党が大筋合意した。背後には、自衛隊が海外で活動する範囲を広げ、外交の選択肢を増やそうとする外務省旧条約局(現国際法局)出身者らの姿がある。侵略した国を国連決議に基づいて武力で制裁する集団安全保障でも、参加への余地を広げようと動く。

 20日の与党協議。自民党はそれまで議題になかった集団安全保障による武力行使を突然持ち出した。複数の政府関係者によると、震源地は外務省だ。その原動力となったのは、集団安保に最も積極的な外務省旧条約局経験者らとされる。
 与党協議の事務方の中心だった兼原信克・内閣官房副長官補は、外務省の国際法局長出身。外務省きっての戦略家と言われ、安倍晋三首相の知恵袋的な存在だ。首相がまだ年次の若い兼原氏を、次官級の副長官補に抜擢(ばってき)した。兼原氏は首相の私的諮140626gaimusyou 問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)も事務方の責任者として取り仕切った。
 集団的自衛権だけでなく、集団安保による武力行使も憲法解釈で認めるよう求めた外務省の現職幹部に、慎重派の首相周辺は「それはダメだ」と跳ね返してきた。
 集団的自衛権は、他国であれ「守る」ことを基本とする。しかし、集団安保では、侵略など問題のある国をたたく行為で攻撃性が高い場合がある。慎重派には「実現へのハードルはむしろ集団安保の方が高い。憲法改正で対応すべきだ」(政府関係者)との考えが強かった。
 首相はいったんは慎重派に軍配を上げた。集団安保の武力行使を認めない方針を決め、5月15日の記者会見で「政府として採用できない」と宣言した。
 ところが与党協議が最終盤に入り、兼原氏をはじめ旧条約局出身者を中心とした巻き返しが起きる。旧条約局出身者らは、自民党の責任者である高村正彦副総裁に説明を重ねた。最終的には高村氏の理解を得て、安倍首相からも集団安保の武力行使も可能とする閣議決定案の許可を取り付けることに成功した。
 その後、公明党の猛反対にあって、閣議決定案への明記は見送られたものの、集団安保でも武力行使をする余地は残った。ある旧条約局長経験者は「集団安保が与党で議論され、その痕跡が残ったことに意味がある」と評価する。

湾岸戦争時の批判、トラウマ
 安倍首相が再び政権に就き、集団的自衛権行使容認を目指すにあたって中核に据えたのが、外務省旧条約局長の経験者らだった。日本が集団的自衛権を行使することに前向きで、国際法に通じているため、首相にとって「理論的支柱」になってくれるからだ。
 兼原氏を交渉の最前線に立て、安保法制懇の座長に柳井俊二氏が就いた。報告書を受け取る政府の国家安全保障局のトップには谷内正太郎氏を据えた。さらに、解釈変更を了承する立場の内閣法制局長官には、歴代長官人事の慣例を破り、駐仏大使だった小松一郎氏を起用した。(小松氏は23日、病気で死去)
 外務省にとって集団的自衛権と共に、集団安保で日本が武力行使できるようにするのは悲願だ。そこにはイラクのクウェート侵攻を受けた1991年の湾岸戦争時の「トラウマ」がある。国連安保理決議により多国籍軍が組まれた集団安保だった。この時、旧条約局にいた外務省関係者は、こんなことを覚えている。
 内閣法制局に「自衛隊に多国籍軍の負傷兵の治療をさせたい」と伝えたが、「憲法9条が禁じる武力行使の一体化にあたる」と否定された。結局、日本は130億ドルを拠出したが、「カネしか出さないのか」と米国を中心とした国際社会から強い批判を浴びた。湾岸戦争時に条約局長だった柳井氏は5月、朝日新聞のインタビューに「何とかしなければいけないという気持ちはずっと持ってきた」と答えた。
 外務省は今年1月に発足した国家安全保障局に、若手の精鋭部隊を送り込み、谷内氏をサポート。同局の「与党対策班」が公明党への説得にあたり、閣議決定の文案作成も主導する。防衛省幹部は「官邸内を『条約局マフィア』が闊歩(かっぽ)している」と評す。」(
2014/06/26付「朝日新聞」p3より)

まあこの記事は朝日新聞 なので過激だが、舞台裏は外務省の、世界における外交的発言権強化が目的??
もちろん象徴は安倍首相だが、このように色々な省庁の権力拡大を背景に、今日本が動こうとしている。
真に必要なことなら、政府も外務省も国民にキチンと説明して、法に則って憲法改定をすれば良いが、誰もが、国民投票をすれば否決する事が分かっているので、悪知恵を働かして、民意不在のどさくさ紛れ・・・。何とそれが、日本が戦争をするかもしれないという重大案件なのに・・・。
今回キャスティングボートを握ったかに見えた公明党も、大臣の椅子ひとつ欲しさに、立党の「平和の党」という理念を捨てたというし・・・。

野党の体たらくも含めて、一部権力者のごり押しが現実化してしまう所が、サッカーと同じく、日本という国の今の実力なのだろう。

140626syaken <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

徴兵制について―――争いを好まぬ若者を含めて戦争に駆り立てる残忍さは憎むべきものですが、徴兵制から志願兵制に変えたアメリカで貧困と格差ゆえに大学進学の学費を稼ぐために志願する若者の存在対岸に良心の呵責なしに兵役から免れるようになった富裕層の若者たちがいることをよく見ておきたい。
 軍隊が民営化され兵器が無人化され 全体として[非人間化」が進行しつつあります。
 戦争を自分の痛みを考えることなく言葉遊びのごとく「想定」を語る、安倍、石破、高村。彼らに中山千夏さんのこの言葉を無駄とは思いつつ送りたい。
 東京新聞・夕刊のコラムからです。「戦争こそなかったが、学生運動と組合運動がつぶされた、その前と後では戦前と戦後ほど違っている。それ以前、「教え子を二度と戦場に送らない」という教師たちの呪文があった。「夫や息子を二度と戦場に送らない」という女たちの呪文があった。その力に守られて私たちは…辛くも戦争を知らないおとなになれた。」・・・・
 確かに私たちは「まもられて」きたと思います。次の世代に少しでも責任を果たすために、できることは何でもやりたい、というのが今の気持ちです。  
 高速バスのチケットは手に入れたし、宿も確保したし、さあ 出かけます。

【エムズの片割れより】
昨日の朝日に「オバマ大統領が4月に来日したとき、「大統領が集団的自衛権の行使容認を支持」と報じられました。僕は「支持」じゃなく、「指示」だったととらえています。」という記事がありました。
日本はアメリカの属国への道をひた走っている!?なぜ安倍政権はそれに加担するのでしょう!?

「「(集団的自衛権を問う)言葉にごまかされるな アーサー・ビナードさん
 ■詩人 アーサー・ビナードさん(46歳)
 言葉は何かを伝えたり、世界をおもしろく見つめたりするもの。日本語で詩を書いていて、僕はそう思っています。でも、「人をだます」ためにも使われることを忘れてはいけない。
 米国は朝鮮戦争(1950~53年)で宣戦布告していません。ずっと「警察行動」と言っていました。その後のベトナム戦争も宣戦布告せず、「国防」として戦い続けました。
 日本は今、米国の下請けで戦争ができる国になろうとしています。それが「集団的自衛権」という言葉でごまかされようとしている気がします。集団的自衛権は、いわば「包装紙」。破ると「戦争」という中身が出てくるんです。
 オバマ大統領が4月に来日したとき、「大統領が集団的自衛権の行使容認を支持」と報じられました。僕は「支持」じゃなく、「指示」だったととらえています。米軍にやらせたくないことを日本にやってもらうため、「自衛隊をどこにでも出せるようにしろ」と。
 米国による「押しつけ」と感じず、安倍首相たちも突き進んでいます。「戦争放棄」をうたう憲法を理由に断ることができるのに。集団的自衛権を認めてしまったら、米国の言いなりになるだけ。「属国」のようになってしまいます。
 米国は自由や民主主義を唱えていますが、政府は憲法違反を繰り返し、国家権力に歯止めをかけられずに来てしまった。日本には、そんな国になってほしくない。政治家の言葉にごまかされてはいけない。(聞き手・竹田真志夫)
     *
 米ミシガン州出身。大学で英米文学を学び、1990年に来日。日本語で詩を作り始める。2001年、詩集「釣り上げては」で第6回中原中也賞。」(2014/06/27付「朝日新聞」p38より)

投稿: todo | 2014年6月28日 (土) 21:55

今日、買い物に出たら「日本をとりもどそう」と書いた安倍さんの顔写真入りのポスターをあちこちで見ました。私の頭の中にこんな歌が流れました。
 僕は軍人大すきよ
 今に大きくなったなら
 勲章つけて 剣下げて
 お馬にのってハイドウドウ 
戦時中にラジオから流れていた童謡です。
もうこりごりの時代にまた戻そうとしている安倍さん、兵隊さんの代わりに自民党の議員と一緒に兵隊になってイラクへでも行って下さい。国民は勲章など何にもならないことを骨身に沁みて知っていますから。

【エムズの片割れより】
何と、軍国主義を「とりもどそう」など、前の選挙の時に、誰が想像したでしょう?
そして、「選挙で勝って、国民から白紙委任状を貰ったのだから、何をしてもオレの勝手!!」との勘違いを、誰も止められないこの国。いったいどうなってしまったのか、日本!!

投稿: ハコベの花 | 2014年6月30日 (月) 00:07


1泊2日の官邸抗議・・個人ツアーから先ほど帰ってきました。30日夜1万人(ある報道では3万人超)の抗議活動は迫力あるものでした。読売の無視は当然として朝日の上から目線の解説記事には違和感を感じますが。
 確信犯―ー安倍はひとまずおいてその安倍の飼い犬になりさがった「非」公明党や自民党ーー谷垣、岸田、中谷などのハト派からの転向組のおぞましさから目をそらすことができません。
 代議制民主主義、形式的民主主義の欠陥を補うものがこうした抗議行動だと改めて確信しました。

【エムズの片割れより】
確かに抗議行動の他に、国民が持っている手段はありませんね。それをまったく無視し、次の選挙で審判を受けるから、それまでは好きにする、という政権。
村上元行革担当大臣の反対の動きもありますが、迎合する政治家の良心は、どこに行ったのでしょう。

投稿: todo | 2014年7月 2日 (水) 02:53

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